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読者のみなさんから届いたお便り #16

 
父が大学生のころ、米軍基地で
新聞の勧誘のアルバイトをしていました。
米軍基地には、
ヴェトナムの帰還兵が大勢いました。
彼らは、新聞の勧誘に快く応じてくれて、
総じて悪い人や差別をする人は
いなかったそうです。
(もしかすると彼らには、
日本の苦学する少年に思われていたのかも?)
父と仲良くなった黒人の帰還兵から貰った
コインやジッポーのライターが、
今でも家にあります。
帰還兵たちは
陽気に基地内のバーで飲酒しながら
騒いでいましたが、
口々に、その当時同時に勃発した朝鮮戦争や
当時まだ続いていたヴェトナムに、
また帰っていくのだと言っていたそうです。
また、
兵士間で大麻などの麻薬が常習化していたらしく、
そこらでたばこを吸うような気軽さで
吸っていたとも聞きました。
戦場(ジャングルの密林)で
いつ奇襲されるかわからない恐怖を忘れるために
覚えた薬物の依存症に、
その後、帰国したヴェトナムの帰還兵たちが
苦しむことになったのは、周知の事実です。
ある日、その黒人の帰還兵が、
3センチ四方の輝石の原石の標本を
父に渡しました。
その裏には、
青いインクで書いた小さなメッセージカードが
貼り付けられていました。
そして、辞令が降りたので任地に行くから、
これでお別れだと父に伝えました。
しばらくして
その黒人の帰還兵は再び任地へと赴任していき、
いちど父宛に葉書が来ましたが、
その後消息は途絶えています。
(アリス)

2025-08-26-TUE

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  • ヴェトナム戦争/太平洋戦争にまつわる
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    テーマや話題は何でもけっこうです。
    いただいたお便りにはかならず目を通し、
    その中から、
    「50/80 ヴェトナム戦争と太平洋戦争の記憶」
    の特集のなかで、
    少しずつ紹介させていただこうと思います。

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    特集 50/80 ヴェトナム戦争と太平洋戦争の記憶