
- わたしの母は11歳で終戦を迎えたのですが、
その一年ほど前から
いわゆる集団疎開で親兄弟たちと離れて、
小学校の級友たちと
愛知県三河地方のお寺で過ごしたそうです。
そこでの暮らしの記憶は空腹と寂しさばかり。
ほんの10歳で、
いつまで、という出口も見えない暮らしは
辛かったであろうことは容易に想像できます。
挙げ句、三河地震でお堂は潰れたそうです。
幸いそのお寺では死者は出なかったらしいですが、
死者が出たお寺もあったそうです。
その大地震も、軍に情報を統制されて、
ほとんど報道されなかったことを最近知りました。
戦争が終わり戻ってみれば、
名古屋の中心に近い場所だった自宅は
空襲で丸焼け。
幸い戦争で命を落とした家族はいなかったけれど、
移り住んだ先での暮らしの中で、
相次いで、父、姉を失い、
戦前、
比較的豊かだった母の日常は完全に失われました。 - 戦争という、子どもには抗えない出来事に、
戦後も翻弄された母は91歳になりました。
この母の体験を、わたしの息子たちも、
その子供たちも
母から直接聞いたことは無いと思います。
わたしが語らなければいけないのですね。
いま、あらためて理解しました。 - (はるみん)
2025-11-06-THU

