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読者のみなさんから届いたお便り #106

 
わたしの祖父が予科練に入っていたという話を、
最近になって母から聞かされました。
祖父はもう30年前に病気で亡くなっています。
なので、祖父からの詳しい話は聞いたことはありません。
ですが母はなぜか、わたしが小さいころから
戦時中の内容のビデオや映画、
ドラマをわたしに見せていました。
わたしが大きくなってきて、
難しい漢字が読めるようになると、小説も読ませました。
不思議なことにわたしは、
戦時中の映像や小説を見ることは嫌ではありませんでした。
零式戦闘機が好きになってしまったくらいです。
戦後生まれの母は、戦争についての話はしませんでしたが、
祖父のことは少し知っていたのかもしれません。
孫世代のわたしに何か感じてほしくて、
母は戦争ものの映像などを見せてきたのかもしれません。
母も戦争を知らない。
映像を見てみないと分からないでしょ?
知らないから見るし、読むんだ‥‥ということを
教わった気がします。
わたしの娘は、5月27日生まれでして、
第72振部隊の方々が出撃されて
沖縄の海に散華された日です。
最年少は17歳の少年飛行兵の方もいます。
今、わたしの息子は17歳です。
子どもの目線で戦争について見たり読んだりしていましたが、
いまは親の目線で戦争について考えるようになりました。
我が子には、
戦争に巻き込まれるようなことにはなってほしくはないです。
たった17、18年の命だなんて短すぎますよね。
このような方々の犠牲があったからこそ、
自分たちが生かされているような気がしてなりません。
だから、命は大事に、戦争で亡くなったかたのぶんも大事に、
精一杯生き抜かなくてはならないのではないか、
と考えさせられました。
日々、何をすべきか、何が出来るかを悩みながら、
今日も生きたいと思います。
(40代女性)

2025-12-06-SAT

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  • ヴェトナム戦争/太平洋戦争にまつわる
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    テーマや話題は何でもけっこうです。
    いただいたお便りにはかならず目を通し、
    その中から、
    「50/80 ヴェトナム戦争と太平洋戦争の記憶」
    の特集のなかで、
    少しずつ紹介させていただこうと思います。

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    特集 50/80 ヴェトナム戦争と太平洋戦争の記憶