5月31日午前11時からはじまる
「ほぼ日ストアお買いものキャンペーン2020」の
セールの売上の一部を、子どもたちのためにつかいます。
発案した糸井重里の思いをどうぞ。
寄付先となる「むすびえ」さんについても
取材しましたので、あわせてお読みください。
ほぼ日では、毎週水曜日に、
全員が参加するミーティングをやっています。
(「水曜MTG」と呼んでいます)
新型コロナウイルスの感染拡大をふせぐため、
緊急事態宣言が出されてからは、
リモートで会議を続けています。
ある日の水曜MTGで、
糸井重里がこんな話をしました。
「今度はじめる、ほぼ日ストアの
セールの売上の一部を、
今度のコロナで見えない被害を受けている
子どもたちのためにつかいたいと思う」
こういった「寄付」の話は、
なかなか伝えるのむずかしいものです。
どういう気持で決めて、
どういうところへ寄付するのか。
押しつけがましくなってもいけないし、
かといってなにも言わないわけにもいかない。
むずかしいなあと困ったときは正直に、
そのまんま言うのがほぼ日のやり方です。
今回の寄付に至った経緯と、
寄付先についての説明を
ありのままのかたちでお伝えします。
まずは、そのときに、
糸井重里が語ったことをお伝えします。
今月末から、いままでやってこなかった
大きな規模のセールをはじめます。
新型コロナウイルスの影響で
いろんなことが中止になったりしてますが、
幸い、ほぼ日には、いつものように
たくさんのお客さんがいらっしゃってます。
こういう難しい時期でも、いいコンテンツや
いい商品を出せば、反応してくれる。
それは自分たちがやってることに勇気を持てる
非常にいい機会になりました。
休業しているわけじゃなくて、ちゃんと開いている。
この実感が、ぼくらにも読者お客さんにも、
とてもうれしかったと思うんです。
今度のセールも、
いわゆるセールっていうか、
ただ安くしますというだけじゃダメでさ、
みんなで本気で取り組んで、
たくさんの人から「いいね!」と
言われるようなものにしたいと考えてます。
商品だけじゃなく、魅力的なコンテンツも用意して、
人がよろこんで来てくれるようにしたいですよね。
ただのセールというよりも、
ほぼ日がおもしろいことをやってるよ、
いま、ちょっとたのしいよ、と言い合えるような、
「新宿で生活のたのしみ展やってるよ」みたいな。
集いたい気持ちを、味わいたいんです、ぼくらも。
まだほぼ日を知らない人にも
ぜひほぼ日においでよといえる
最高の機会にしたいと思ってます。
いま、まさにその準備を進めているところですが、
ひとつ、来た人がよかったと思えることを、
新しく付け加えたいなと思ってるんです。
多くの人が、
新型コロナウイルスの影響を受けています。
いろんなところが困った状況になっていて、
レストラン業界とか、芸能の世界とか、
ぼくらもいろんなイベントが中止になってますけど、
メディアが気づきにくいところに、
それどころじゃない人たちがいます。
たまたまぼくは、
近くに小さい子どもがいるので、
子どもたちの情報がたくさん入ってくるんですね。
預けられる場所がないこととか、
外に自由に出られないこととか、
そういう状態で働きにいかなきゃいけない人とか。
子どもたちをつらい目に遭わせないように、
おとなたちが助け合って、
なんとかしているケースも多いとは思うんです。
それは、たいへんだけど幸せなケースでさ、
せいいっぱい親や大人たちが、ていねいに接して、
「かえって幸せだったね」なんて状況を
つくっているかもしれない。
じぶんちの子どもが、なんとかうまくいってるほど、
そういうネットからこぼれちゃう人たちのことが、
気になってもくるわけですね。
たとえば、いろんな事情で、子どもが
食事を満足に摂れないということも事実としてある。
ぼくは、自分が年寄りなんで(笑)、
申し訳ないんですけど、
「年寄を大事にしましょう!」とは
なかなか言いづらいんですよ。
だけど、子どもたちがいて、
その子たちにしあわせになってほしいという思いは、
やっぱり、強くあるんですね。
健全な環境からこぼれてしまった子どもたちの
お手伝いをする施設や団体があって、
そこに信用がおけるのであれば、
なにかのかたちで応援したいという気持ちがあります。
つらい思いをしちゃったよね、
これからもきついよね、っていう状況にある人、
そういう子どもたちのいるお母さん、お父さん。
そういう人を助けるために、
今回のセールの売上の一部を使うという
キャンペーンはどうだろうかと考えたんです。
これは、東日本大震災があったとき、
どこになにを手助けできるのかわからない
という時期がけっこう長くあって、
ぜんぶに平均にというのをやめて、
偶然かもしれないけど「気仙沼という場に、
ぼくらは縁を結ぶことにします」、と決めたでしょう。
そういうのと似ていると思うんです。
「医療従事者へマスクを」みたいなことだとか、
「ライブハウスをなんとかしよう」とか、
個人的にお手伝いしている人も、
いると思うんですけれど、
ほぼ日としては、子どものことをしようと。
社内にもたくさんお父さんお母さんがいるので、
こんなことを考えついたような気がします。
あ、おじいさんもいます(笑)。
困っている子どもや、その家のことを考えて
いま動いてくれている人に、力を添えるというか。
そのくらいのことで、
自分たちはいいことしてるぞと
大声で言うつもりはないんですけど、
たのしくお買いものしたお金の一部が
コロナでつらい思いをした子どもの
ところにいくというのは、
やってもいいんじゃないかなと思うんです。
今回の新型コロナウイルスのことで、
そんなに悪い影響を受けてない人も、
やっぱり、それなりにいると思うんですよ。
そういう人が、困ってる子どもたちを
助ける活動の一助になるというのは
むしろ望まれることなんじゃないかと思うんです。
ほぼ日だって、ある中小企業のひとつとして、
余裕で過ごせるという台所じゃないですけど(笑)、
バランスをとりながら、困っているところに、
助けになれるようなことをしたいじゃないですか。
これまでも、たとえば、
ほぼ日手帳のあるカバーを買ったときに、
その売上の一部が動物愛護の団体や
子どもたちを救う基金に寄付されますということは、
何度かやってきました。
これは、とてもうまくいったというか、
よろこばれてきました。
これをもっと大きな傘みたいに広げて、
今回のセール全体に対して、
やってみたいなと、いま思っています。
ほぼ日の乗組員にも、子どものいる
お父さん、お母さんが多いですけど、
うちの子がかわいいと思えば思うほど、
うちの子をかわいがることができなかった人、
あるいは、かわいがってくれる人に
はぐれてしまった子が、
どこかで苦労しているということに思いを馳せて、
大きなチームプレイをやっていけたらなと。
それを、いま、少しずつ、
コロナの出口に向かっていくぼくらの、
最初の大きな山場として準備をしていきたいなと、
そんなふうに思ってます。
まずはどこに寄付をするかということですね。
そこからじっくり決めていきましょう。
というわけで、ちょっと急ですけど、
ぼくからの宣言とさせていただきました。
がんばっていきましょう。
(以上、5月13日(水)
ほぼ日水曜ミーティングにおける
糸井重里の話の抜粋でした。)
寄付先を、決めました。
NPO法人 全国こども食堂支援センター
むすびえ
次回は、むすびえさんの活動を紹介します。
(つづきます)
2020-05-30-SAT