女芸人No.1決定戦 THE W優勝コンビ、
にぼしいわしのいわしさんが
話したい人と話していくシリーズが始まります。
初回のゲストは、M-1グランプリ決勝常連、
真空ジェシカの川北茂澄さんです。
川北さんからお笑いの話を引き出すべく、
いわしさんが奮闘した約1時間半。
怒涛のボケによる濃い霧の向こうに、
だんだんとうっすらと、川北さんのおおもとの
人間性が見えてきた気がしました。
たぶん気のせいではありますが、
なんとか感じ取っていただけたら幸いです。

この対談の動画は 「ほぼ日の學校」でご覧いただけます。

>川北さんプロフィール

川北茂澄(かわきた・しげと)

1989年埼玉県出身。
お笑いコンビ「真空ジェシカ」
(プロダクション人力舎所属)のボケ担当。
相方はガク。
慶応義塾大学在学中、お笑いサークル
「お笑い道場O-keis」に所属していた。
2022年から2025年まで、5年連続で
「M-1グランプリ」決勝にコンビで進出。

>いわしさんプロフィール

伽説いわし(ときどき・いわし)

1992年大阪府出身。
お笑いコンビ「にぼしいわし」の
ツッコミ・ネタづくり担当。
相方は香空(きょうから)にぼし。
2024年、「女芸人No.1決定戦 THE W」にて
コンビで優勝。
2025年、個人事務所、株式会社A-Dashiを設立。
エッセイ『しょぼくれおかたづけ』発刊。

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第6回 スベるのはおもしろい

いわし
収録前に、けっこう準備はしていく
タイプなんですか。
川北
あ、準備はめっちゃ好きです。
いらない小道具を持って行くのが大好き。
誰にも求められてないのに、家で小道具をつくって、
収録で出して、スベって、抱えて帰る。
一同
(笑)

いわし
どんな気持ちなんですか(笑)。
川北
もう、楽しすぎてしょうがない。
人がスベってるの見ると、
めっちゃテンション上がるじゃないですか。
いわし
スベっているとき特有のおもしろさはありますね。
川北
スベって、ガックリしながら、
準備してきた小道具をたたんでるわけ。
あれが好きで好きでしょうがない。
まず、「お笑いを真剣にやってる」って
意味わかんないもんな。
いわし
なるほど。
川北
だから、ネタ見せとかオーディションも、
楽しくてしょうがなかったです。
大人がいっぱい並んで怖い顔してる前に
「すいません」って出ていって、ふざけて、
「おもしろくない」って怒られるって、
意味わかんないでしょ。

一同
(笑)
いわし
たしかに、意味わかんない。
でも、M-1のような大会には、みんなけっこう
真剣にいくじゃないですか。
川北
モチロン.
いわし
「M-1に真剣にいく」こと自体、
ちょっとおもしろくなっちゃってるんですか。
川北
そうかもしれない。
というか、M-1が芸人をイジってるのかもしれない。
ムカついてきたな。
いわし
あははは。
川北
アナザーストーリーがなんだ。
どうせ俺の映ってるとこ、使わねえのによ。
いわし
M-1の密着で、真剣にしゃべってる芸人も
いるじゃないですか。
ほかの芸人が真剣にしゃべってるところを見ると、
どう思うんですか。
笑っちゃうんですか。
川北
いや、それはないかな。
「おおっ、どんな話するんだ?!」って
身を乗り出してる。
いわし
いい人だ(笑)。
泣いてる人を見たらどうですか? 
川北
それは笑っちゃうかも。申し訳ない。
いわし
学生時代だと、あまり勉強しない人たちが、
真剣にやってる人を
「なにを真面目にやってんだ」って
笑っていたイメージがありますけど、
川北さんは勉強は得意じゃないですか。
川北
勉強はできたね。
いわし
自分がめっちゃ勉強頑張ってたのは、
おもしろかったですか。
川北
いや、勉強は頑張ってなくて。
いわし
えっ? 
川北
頭がただよかった。
いわし
ははははは。そうか。ああ、
ただただ頭がいいんですね。
川北
でも、浪人のときは勉強めっちゃしたな。
めちゃくちゃした。
いわし
ふざけず? 
川北
「めっちゃ勉強する」っていうボケをしていた。
一同
(笑)

川北
でも、東大とか京大に行くほどの
ボケはできなかった。
いわし
ボケとして受験を。
川北さんは生まれて、いつからボケだしたんですか。
川北
いつだろうなあ。生まれる前からボケてたかもなあ。
なんか、こうやってたもん。
(変な泳ぎ方のジェスチャー)
いわし
ボケてたんですか、それは。
川北
最初にレースがあったわけじゃん。
そのときから、こうやってたから。
みんながまっすぐ行ってるところをこうやって。

いわし
ふざけてるなぁ。
でも勝ったんですね、最後は。
川北
そう、最後は勝った。
落ちたら悔しかっただろうなあ。
いわし
お笑いはそういうものですもんね。
ふざけたほうが勝つ。
川北
モチロン.
いわし
でも、にぼしいわしはけっこう、
真剣になってしまいがちなんです。
川北
だけど、営業のときも、にぼしいわしのふたり、
全然揉めてなかったじゃない。
いわし
揉めたんですよ。

川北
ナニッ!
いわし
営業のネタ終わったあとも、
ちゃんとふたりで反省会しちゃって。
川北
すごいよな。それがおもしろいよな。
だっていないじゃん、そんなやつ。
そんなやついないっておもしろいよな。
いわし
私もそのとき「あ、いないんだ」って思いました。
「私たちだけじゃん、
打ち合わせと反省会してるの」って。
川北
それだけ打ち合せしといて
「なんやそのネタは」っていうネタやり出すし。
いわし
あはははは。
どうしても真剣になっちゃうんです。
川北さんはならないですか。
川北
ならないかもしれない。
いわし
剣道ぐらいですか、ガーッと真剣になったのは。
川北
剣道はなったね。「もっとできた‥‥」と思うし。
いわし
剣道のことを、いま思い出して
悔しくならないでください。
川北
いや、ほんとに思うよ。もっとできたよ。
いわし
これ、お笑いのこと言ってる感じにすり替えて
編集できないですかね。
すごいいい顔してるんだけど。
一同
(笑)
川北
稽古がめちゃくちゃきつい学校だったのよ。
だから、稽古を乗り越えることだけを
考えていたけど、もっと自分で+αを考えていたら
強くなれたよなあって思う。
いわし
お笑いも、勝つためだけみたいな感じじゃなくて、
お客さんを笑かせるように+αで考えるみたいな。
川北
剣道とお笑いは関係ない。
いわし
川北さんのお笑いには剣道が出てるんですってば。
剣道のこう、魂みたいな。
川北
いわし、剣道やったことある? 
いわし
ないですけど。
川北
しょうがないやつだな。
一同
(笑)

(この調子で、明日は最終回です)

2026-04-27-MON

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