こんにちは、ほぼ日の奥野です。月に１回、約２年半にわたって「加賀美さんの、ヘンな買いもの」を紹介し続けてきた本連載ですが、次回「第29回」（7月16日更新）で最終回を迎えます。長らくのご愛読、本当にありがとうございました。ここまで続けてこれたのは、このような連載を決して無視せず、怖がらず、最初は適度なディスタンスをとりつつも、すぐ中学生みたいにおもしろがってくださった読者のみなさまのおかげです。加賀美さんと一緒に、いつも感謝していました。読者とは、本当にありがたいものだねって。重ねましてみなさま、ありがとうございました。

そして、すでに見出しで言ってしまってますが、このおかしな連載が本になります。類書がないため売れ行き調査の不可能な本、世間にどう受け取られるか一切の予測が不可能な本を「出す」と言ってくれた勇気ある版元は、PARCO出版さん。かつてPARCOさんは、加賀美さんのすっとばした個展を開催したこともあったので、この連載を本にするならここ以外にあり得ないと勝手に決めつけ、連載開始直後からモーションをかけていました。当初は「はい」でも「いいえ」でもなく「連載のゆくえを見守ります」というスタンスのPARCO出版さんでしたが（企業としては真っ当な反応で逆に安心しました）、第５回「サッチーの写真集」を更新したころに、書籍化へ向けた打ち合わせをはじめましょうとなりました。意外に早かったです。あの写真集の何かが「決め手」になったのですね。

その後は、毎月16日に淡々と更新しつつ書籍の準備もぬかりなく進めてきたため、このたび、連載終了直後の８月に出版できるはこびとなりました。つまり、今の時点でほとんどできています。書籍のみのボーナストラックとして、ウェブ連載には載せない「第30回」と「加賀美健にとって、買いものとは何か？」を深堀りしたテキストを収録。さらには「リモコン100個」から「う◯このハンコ」まで、すべての「買ったもの」を、プロのフォトグラファーがモデルカットのように撮り下ろした美しいグラビアページも。

出版記念イベントも堂々開催してしまいます。場所は、渋谷PARCO地下のGallery X BY PARCOというスペース。会期は、2024年7月25日（木）から8月4日（日）までの11日間。渋谷のド真ん中で、11日間。インバウンドの外国人観光客のみなさん、ここがいまいちばん新しいTOKYOです。スクランブル交差点のあとにでも、ぜひいらしてください。そこでは、連載に登場したすべての「最近、買ったもの」の実物が、うやうやしく展示されることでしょう。あのヤバいかぶりものも、あのデカい靴もです。会場全体がフォトスポット。他では撮れないバエ写真を、みんなで撮りに来てください。そして、すみやかにSNSにアップしてください。もちろん入場無料です。会場では、どこよりも早く本書の先行販売をいたします。また、加賀美さんオリジナルグッズの販売なども計画中です。書籍へのサイン会やトークショウも予定されています。詳しいことは、これからPARCOさんの公式サイトにアップされていくと思いますので、ときどきチェックしてみてください。このページでも確定情報を得しだい素早くフォローしていきます。

加賀美さんは「まだ誰もやったことのない、それどころか、むしろ人を不安に感じさせるような行いにこそ本当の価値がある」（ウッディ・アレン）という言葉が好きなんだそうです。まさにそういう連載だったし、そういう本になるのではないでしょうか。このちいさな一冊が、誰かにとっての「おかしな買いもの」になったらいいなあなんて、加賀美さんと話しています。ぜひ本書を手に取り、会場に足をお運びください。お待ちしています。