YouTubeでも大人気のお掃除職人・きよきよさんに
「ほぼ日の學校」でお掃除の授業をしてもらいました。
きよきよさんによると、
汚れと洗剤の組み合わせさえ覚えておけば、
おうちの汚れはだいたい落とせるそうですよ。
目次は印象的だった、きよきよさんの5つの言葉です。

>お掃除職人きよきよさんプロフィール

お掃除職人きよきよ

10年間のビル清掃、マンション清掃を経て独立。現在は個人でハウスクリーニングを中心に請け負う、職人歴38年のお掃除のプロ。2016年にYouTubeチャンネル「お掃除職人きよきよ」を開設し、チャンネル登録者数は36万人(24年11月現在)。
YouTubeチャンネル「お掃除職人きよきよ」

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第1回 お掃除って、勉強するところがないんです。

きよきよ
出演する前に観ておこうと思って、
「ほぼ日の學校」を観てみました。
職人さんの動画がいっぱいあっていいですね。
つい観てしまいます。
ーー
それは、うれしいです。
ありがとうございます。
きよきよさんも、
お掃除の職人でいらっしゃいますもんね。
あ、本日は「きよきよさん」と
お呼びするのでよろしいですか?
きよきよ
はい、きよきよさんでどうぞ。

ーー
それでは、きよきよさん、
よろしくお願いいたします。
きよきよさんは、
お掃除職人歴38年とのことですが、
社会人1年目から、ということですか?
きよきよ
そうなんですよ。
だからね、お掃除しかできないです。
でも、長くやらせていただいたおかげで、
いろんな現場を経験しています。
ーー
たとえばどんな現場を?
きよきよ
最初の10年ぐらいは、
「ビルメン」の会社で働いていたんです。
ビルメンというのは、ビルのお掃除ですね。
窓拭きしたり、休みの日にワックスかけたり、
大きいポリッシャーを動かしたり。
あとマンションのお掃除もやりました。
最初の10年くらいはそんな感じで働いて、
そのあと、個人ではじめることにしました。
ビルみたいな大きい現場だと、
大人数と大きい機械が必要になってきますので
個人でできるものというと、
ハウスクリーニングになるんです。
それからは、家の中のお掃除が仕事の中心になってきました。
ーー
このお仕事を選んだ理由は、
もともとお掃除が好きだったからでしょうか?
きよきよ
いやー、そうでもないんです。
知り合いがいたので、そこに引っ張られて入ったっていうのが
そもそもの始まりなんですね。
ーー
38年続く仕事との出合いは、偶然だったのですね。
きよきよ
はい。
やってみたら、大変なこともありましたが、
おもしろいと思えることもありました。
たのしみを見つけられたのが、よかったんじゃないですかね。
わたしはお掃除の仕事って、
向上心がないとつまんない仕事だと思ってるんです。
ーー
向上心。
きよきよ
はい。
「今日は何時に終わるのかなー」って、
時間ばっか気にしていたら、
たぶん、つまんないのだと思います。
でも「この汚れはどうやって落ちるんだろうか」とか、
「どうしたらもっと効率的に作業できるかな」とか、
「どうしたらいいのかな」ってことを
いつも考えていると、たのしいと思います。
汚いものをきれいにするのが嫌な人は、
いないと思いますしね。
そこにたのしみを見い出せるのであれば
やっていけるんじゃないかな。
ーー
きよきよさんが長く続けてこられたのは、
その向上心があったからですね。
きよきよ
そうですね。
でも、本当にお掃除以外できないですからね。
料理しろって言われても、
全然できやしないんですから(笑)。

ーー
きよきよさんは、ご自分が現場でお掃除している姿を
YouTubeに投稿されていますが、
現在36万人という、
たくさんの登録者がいらっしゃいますね。
きよきよ
はい。
ここまでの反響はまったく予想していませんでした。
ーー
そうなんですか。
なぜYouTubeを始められたのでしょうか?
きよきよ
私自身がプロフェッショナルの仕事を
見るのが好きなんです。
工場見学とかも大好きなんです。
親が言うには、
子どもの頃からその辺の工事現場で
ショベルカーが動いているのを見ていたようです。
だから、もしかしたらお掃除のプロの掃除風景を
見るのが好きな人もいるかもしれない
ということで始めたのがきっかけなんです。
ーー
なるほど。
それが予想以上に多くの人に
見られているということなのですね。
きよきよ
でも考えてみたらお掃除って、
勉強するところがないんです。
お掃除のやり方を知る機会って、
CMぐらいかなと思います。
つまり、
「この洗剤をかければ、この通りきれいになる」と
うたっている映像ぐらいかなと。
ーー
たしかに。
きよきよ
でも、そうじゃないんですね。リアルは。
CM通りにやっても、汚れが落ちないことがある。
だから、そんな皆さんがYouTubeを見て
実際どうやってお掃除するのかって、
調べに来ているんだと思います。
たくさんの人に観ていただいていることが、
こちらとしては励みになります。
ーー
なるほど。
これから教えていただくのは、
きよきよさんがリアルに実践している
お掃除方法ということですね。
きよきよ
そうですね。
ーー
きよきよさんから事前に、
「まずは汚れについて知ることが大切」
とうかがっていますが、
家の中の汚れって、どういうものがあるんでしょうか?
きよきよ
1番多いのは、「油汚れ」です。
水に含まれるミネラル分が固まる「水垢汚れ」や
黒カビなどの「カビ汚れ」も一般的に多いですね。
ーー
ああ。
どれも家の中でよく見かけるやつですね。
きよきよ
はい。
油汚れはキッチンのイメージがあると思いますが
手を洗ったり、シャワーを浴びたりと、
体からの油分が出やすい、洗面所やお風呂場にもできます。
水垢汚れは、水を使うところによく出ます。
お手洗いとかお風呂場、洗面台、キッチンですね。
カビ汚れは、
湿気が多い場所ならどこにでも出ます。
特に黒カビは、お風呂場にも出ますし、
窓枠や壁紙、タンスやカーテンの裏に
できることもあります。
ーー
なるほど。
油汚れがお風呂場にもあるというのは、意外でした。
場所で汚れは特定できないんですね。
きよきよ
そうなんです。
だから、汚れを見極めることがお掃除の第一歩です。
お掃除は汚れを洗剤で中和させて落とすので、
化学みたいなものなんです。
「この汚れはこの洗剤で溶かす」というのを、
お掃除のプロは意識しています。

ーー
「この汚れはこの洗剤で溶かす」ということは、
汚れに合わせて洗剤を変えないと、
落とせないということでしょうか。
洗剤を選ぶ時って「お風呂場用」とか「キッチン用」とか、
自分がきれいにしたい場所が
パッケージに書かれたものを選んでいましたが、
その基準でだいじょうぶでしょうか?
きよきよ
普段のお手入れに使うなら、それで良いと思います。
でも油汚れを落とせる洗剤で、
水垢も落ちるかって言ったら、ぜんぜん落ちない。
落としたい汚れがあるときは、
パッケージにかかれている場所で選ぶのではなくて、
成分表示をよく見て選んだほうが良いです。
一度覚えてしまえば、
「この成分ならあの汚れが落とせるから、ここで使おう」
と見極められるようになりますから。

(あしたは「洗剤と汚れの組み合わせ」のお話です)

2024-12-16-MON

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