4月から放送がスタートした
NHK連続テレビ小説「おかえりモネ」の舞台は、気仙沼!
FacebookやTwitterを開くと、
気仙沼の人々がああだった、こうだったと、
ドラマへのあつ〜い思いを書き込んでいます。
その視点のマニアックさと熱心さには関心するばかりです。
もっと、オレの「モネ」論を聞かせてほしいと、
漁業・観光・Uターンなどドラマと関係する様々な立場から、
気仙沼のモネ好き5人に集まってもらいました。

>『おかえりモネ』のあらすじ

おかえりモネ

宮城県・気仙沼の島で生まれ育った永浦百音(清原果耶)。
実家は牡蠣の養殖業を営み、祖父・父・母・妹と5人で暮らしていました。
高校卒業と同時に気仙沼を離れ、登米で林業の仕事をすることに。
将来を模索する中で、やがて気象の世界に心惹かれていきます。
「天気予報は未来を予測できる世界」
気象予報士の資格を取るためにもう勉強し、
やがて気象予報士としてさまざまな人の人生に関わっていきます。

くわしくはこちら。

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第1回 8Kテレビで1日3回。

──
今日はよろしくお願いします!
みなさん気仙沼で集まっていただいて、
お仕事の関係で健自さんだけ
リモートでの参加になりました。
全員
よろしくお願いしますー!
──
連続テレビ小説『おかえりモネ』の舞台は気仙沼。
SNSで投稿される気仙沼のみなさんの視点が、
とってもマニアックでおもしろくて。
気仙沼の人たちはどんな風にドラマを見ているのか、
もっとお話を聞きたいと思い、
漁業、観光、Uターンなど
いろいろな立場の方にお声がけさせていただきました。
サユミ
毎日必ず、モネの話をしますよね。
鈴木
昨日は、市役所の受付に、
モネの話をしに来ているおじいさんがいましたよ。
千葉
想像がつく(笑)。
──
まず、自己紹介からお願いできますか。
サユミ
ほぼ日のみなさんお久しぶりです、サユミです。
私は2年前まで気仙沼のほぼ日で働いていまして、
「沼のハナヨメ」という連載をしていました。
今は、気仙沼でモネに関する観光を盛り上げています。
「おかえりモネが楽しみすぎる日記」や
モネについて語るラジオなど、
モネのことばかり考えている毎日です。

鈴木
モネ専門家と呼ばれています。
サユミ
僭越ながら、はい(笑)。
──
小松武さんもお久しぶりです!
小松
「東北の仕事論」ではお世話になりました。
あらためまして、ヤマヨ水産四代目の小松武です。
モネの実家がある亀島の舞台・大島で、
同じく牡蠣の養殖業を営んでいます。

──
わあ……
牡蠣の養殖業を営むモネの実家と、
ほぼ同じ状況じゃないですか。
小松
いやー、ドラマを見ていても
やたらと感情移入してしまって。
千葉
初めまして、千葉可奈子です。
私は2017年にUターンで気仙沼に戻ってきまして、
普段は一般社団法人まるオフィスが運営している、
気仙沼市の移住支援センターMINATOで働いています。
あとは、ほぼ日さんと気仙沼さんま寄席や
漁師カレンダーでご一緒している、
気仙沼つばき会にも入っています。

サユミ
可奈子さんは、
「私がモネです選手権」に出ています。
──
それは……?
サユミ
主人公のモネが、気仙沼出身で、
上京して、たぶんUターンしてくると思うので、
気仙沼にUターンしてきた方の中から
「真のモネっぽい人」を競ってもらった、
完全非公式のイベントです。
私は、モネ専門家として審査員で出ました。
小松
見ましたよ、相手が強かったね。
鈴木
私も見ましたよ。おもしろかった!
千葉
やだ、こんなに見られてるんだ。
武山
モネと名のつくものには、
何でも反応するからね、気仙沼の人たちは。
千葉
選手権っていっても、
二人しかエントリーしていなくて、
しかも私は落選しているので。
サユミ
ごめんね。私のせいです。
──
次は鈴木さん、お願いします。
鈴木
はい。
気仙沼市役所観光課の鈴木麻莉夏です。
私はサユミさんと一緒に、
モネに関する観光プロモーションのお仕事をしています。
あと、仕事とは別にSCKガールズという
気仙沼のご当地アイドルに所属していまして、
三代目リーダーをやらせてもらっています。

千葉
二足のわらじだなんて、すごい。
鈴木
どちらの仕事も楽しいです。
武山
武山健自と申します。
実家は気仙沼の米屋「武山米店」でして、
僕は東京で働いています。
あの、僕はドラマが楽しみすぎて、
65インチの8Kテレビを買ってしまったんですよ。

鈴木
モネのためにですか?
武山
そう、モネのために。
ドラマは4K放送だったので意味なかったんだけど(笑)、
ものすごく鮮明な画質でモネちゃんの表情を見ています。
サユミ
ドラマをコマ送りで、
一日に何回も見ているんですよね?
武山
朝に見て、昼の再放送を会社で見て、
夜に録画を見ています。
小松
一日3回も?!
武山
1回目はどこに誰が映ってたか気が散ってしまって、
物語が頭に入ってこないんですよ。
だから、2回目でやっとストーリーを追って、
3回目で落ち着いて全体を見直す感じです。
千葉
熱の入れようが半端ではないですね(笑)。
サユミ
気仙沼人で一番見てるかもしれないですよ。
あと、もう一人、
お仕事の関係でお名前は出せませんが、
ドラマに直接関わるお仕事をされている
スペシャリストのかつおくんをお呼びしています。
正しい情報や裏話を教えていただけたらと思います。
かつおくん
よろしくお願いします。
──
心強いです!
さっそくみなさんに、
モネの「ここが見どころだ」という、
個人的な感想をお伺いできますか?
*座談会は第8週目放送時期に行いました。
全員
(しばらく沈黙)
鈴木
……ありすぎません?
全員
(バラバラに)そうそう!
──
失礼しました。
そしたら一人いくつでも大丈夫なので。
小松
そうですね……
よく調べて再現してくれていることに、
とにかく関心することが多いですね。
漁業のシーンもそうだけど、
細かい家の中の作り込みとか。
サユミ
美術さんの力の入れようがすごいですよね。
細かいところだけど、
モネの家の台所に洋酒の瓶がたくさん置いてあるのが、
漁師さんの家っぽいなと話してます。
小松
あるあるなんですよね。
鈴木
私もお父さんが漁師なんですけど、
実家が映ったのかな? と思いました。
小松
あと、美術さんの遊び心を感じるシーンといえば、
地酒のラベルをちょっと変えてたじゃないですか。
地元の酒蔵・角星の「別格」が、
「別品」や「同格」になってたでしょ。
サユミ
モネちゃんが成人になって初めて飲んだお酒が、
地元の酒蔵のものとは~!ってうれしくなりましたよね。
小松
そう、ちょっとでも気仙沼の話題が出ると
うれしくなるんですよ。
武山
僕は、そういう小ネタに詳しいですよ。
サユミ
なぜなら4K大画面で3回も見ているから!
──
ぜひ、一押しの小ネタを教えてください。
武山
8週目で、久しぶりに集まった幼なじみたちが
部屋で遊んでいた人生ゲーム、覚えてます?
鈴木
え、ありましたっけ?
千葉
うーん……。
武山
一瞬なので見逃してると思うんですけど、
この人生ゲームは気仙沼ネタが満載なんですよ。
わざわざ「気仙沼ロード」っていうコースが作られていて、
「メカジキのハーモニカを食べる」とか
「美食探偵Sに出会い、グルメ巡りに付き合わされる」とか
気仙沼にちなんだことがマス目に書いてあるんです。

鈴木
気がつかなかった!
気仙沼仕様なんですね。
このボードゲーム欲しいです。
千葉
欲しいですね。
みんなでやりたい。
サユミ
よく、こんなの見つけましたね。
武山
夜中、3回目を見直しているときに
見つけたんですよ。

(つづきます。)

2021-08-05-THU

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  • 毎週金曜日、1週間分の「おかえりモネ」の感想をお届けする、
    「おかえりモネ」が楽しみすぎる日記が、
    気仙沼観光推進機構のサイトで更新されています。
    イラストと文は、沼のハナヨメ・サユミさん。
    1日1イラストで物語の内容を丁寧に振り返りながら、
    ツッコミつつ考察入れつつ笑いも取りつつ、
    そのテンポのよさは、さすがです。
    この日記のおかげで菅波先生に注目するようになりました。
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