日々のできごとを記してみたり、
これからのことに思いをめぐらせてみたり。
手帳をひらくだけで、
じぶんとじっくり向き合う時間がうまれます。
そこに、おいしいお菓子と心地いい空間があれば、
さらに「いうことなし」だと思いませんか?
気まぐれに更新する「東京甘味手帳」は、
手帳タイムを過ごすのにぴったりな
東京のおいしいもの&お店案内です。
写真:川原崎 宣喜
- アリストテレスは言う、
「人間は、目標を追い求める生き物だ」。 - 空は曇り模様でスカッとしないけれど、
夜のデザートを買うという目標を追い求め、
僕の足取りは軽い。
- 自宅からひと駅ほど歩いた場所に、
おいしいとうわさのパティスリーが
あることを知ったのは、ここ最近。
- ショーケースの中を覗きながら、
何を買おうか、ひとり脳内会議がはじまる。
- 「全部ください」。
ハリーポッターならそう言うだろう。
だが、そんな訳にはいかない。
ここは魔法の世界ではない、江東区。
- ここはひとつ、
シェフのおすすめを買って帰ることにしよう。
その名は「トロピコ」。
南国で採れるフルーツを使った、
初夏にぴったりのケーキ。
- はからずも、視線が斜め45度に向く。
その子は「私も連れて帰って」と言う。
- そんな気がする、気がするだけだ。
なんだったら目線を向けたのも故意だ。
でも良いではないか、そんな気がするのだから。
- さて、どっちから食べようか。
考えるよりも先に手が動いた。
- シュークリーム。
なんて素敵な響きだろう。 - はやる気持ちをおさえて、
まずは断面を確認せねばならない。
これは全国シュークリーム協会の掟。
- 口に入れた瞬間、
キャラメリゼされたナッツの食感と
上品なバニラの香りが押し寄せる。 - シュークリームよ、ありがとう。
この日本に伝来してくれて。
- 夜に取っておこう。
そう心に決めたはずだが、完全に忘れた。
これは夏の暑さのせいだ、きっと。
- 今日の“愛しい二人”を手帳に収めておく。
もう、あとかたもないシュークリームは、
記憶をたよりに描けばいいか。
- ‥‥しまった。
すっかり自分の画力の無さを忘れていた。 - でも、焦らない。
ショップカードで隠しちゃおう。
- アリストテレスは言う、
「人間は、目標を追い求める生き物だ」。 - 夜のデザートという目標がなくなったいま、
僕はちょっとだけ途方に暮れる。
Eclat des jours
(エクラデジュール)
オーナーシェフの中山洋平さんが、
2014年に、地元である東陽町にオープン。
店内には、ケーキやマカロンなどの生菓子のほか、
さまざまな味のクッキー、マドレーヌなどの焼き菓子、
チョコレート、コンフィチュール、
そして焼き立てのバゲットやクロワッサンが
きらきらと輝くように並んでいます。
本場フランスや都内の名店で
研鑽を積んだ中山さんが作るのは、
しっかりとした濃さと甘さがありながらも、
口の中でフルーツなどのみずみずしさを感じる、
味わい深く個性的なお菓子たち。
下町にある本格パティスリーとして、
地元の人はもちろん、遠方からも
お客さんが訪れる人気店に。
2020年6月には、豊洲にも2店目が
オープンするそうです。
エクラデジュールという店名は、
「きらめく日々」を意味する造語なのだそう。
おいしいお菓子といっしょに、
きらめく時間を味わえる、素敵な空間です。
◎トロピコ 520円
マンゴーやパッションフルーツなど
夏らしいフルーツをたっぷりと使った、
みずみずしさいっぱいのタルト。
まわりをぐるりと囲んだココナッツが、
南国感をさらに引き立てます。
◎シュークリーム 250円
キャラメリゼされたナッツがのり、
カリッと焼き上げられた香ばしいシュー生地。
中には、こくのあるカスタードクリームが
たっぷりとつまっていて、
満足感を存分に味わえる一品です。
Eclat des jours
(東陽町・本店)
東京都江東区東陽4-8-21 TSK第2ビル
営業:10:00~18:00
電話:03-6666-6151
休み:火・水曜(不定休あり)
(さて、次回のスイーツは‥‥? どうぞおたのしみに。)
2020-06-20-SAT