2025年１月９日から、はじめての
真冬の生活のたのしみ展がはじまります。
これまでほとんど毎回、
「お客さん」としてたのしんでいた石田ゆり子さんが、
はじめて店をかまえ、
出展者として参加することになりました。
さてさて、どんな店になるのでしょう。
＊
生活のたのしみ展
「石田ゆり子さんがいっしょに暮らすものたち」
くわしくはこちらをごらんください。
石田ゆり子（いしだ ゆりこ）
俳優。1969年10月3日生まれ。
東京出身。
1988年ドラマ『海の群星』(NHK)でデビュー。
以降、ドラマや映画の出演、執筆や音楽活動など、
幅広く活躍。
2024年連続テレビ小説『虎に翼』に
主人公の母親役で出演。
国立西洋美術館で2025年2月11日まで開催の展覧会
『モネ 睡蓮のとき』のアンバサダーをつとめる。
- ──
- 今回、ゆり子さんのお気に入りだった
ブランドや作家さんが、生活のたのしみ展に
やってくることになりますよね。
そもそも貴重な作品ばかりだと思うのですが‥‥
- 石田
- そうなんです。
買える機会が少ないものもあります。
生活のたのしみ展でいちどにお伝えすることにより、
もっと買えなくなるなんてことがあったら
どうしよう、と考えました。
- ──
- ゆり子さんのInstagramを見て、
すてきだなぁと思っていたものが
「こういう方の作品だったんだ」
と判明しますから。
- 石田
- 自分の好きなものを表明したら、
自分が買えなくなるかもしれない。
そしてもともとお好きだったみなさんも
買いづらくなるかもしれない。
それはあります。 - 私は、ものを作る人たちが好きです。
みなさんの作品、芸術にふれると、
幸せな気持ちになります。
才能ある人たちがこれだけたくさんいるという
その事実を純粋に、
もっとお知らせしたいという欲求が
自分のなかにあります。
- ──
- もともとゆり子さんのなかに、
キュレーションがお好きなところが
あったのではと思います。
- 石田
- とにかく好きだから応援したい、
みなさんの才能を世の中に知らせたい、
という感じなんです。
- ──
- 作品は、もちろん見るだけでもいいのですが、
やっぱり「買って、持ち帰る」と、
ひとしおですよね。
家で毎日いっしょにすごす魅力って、
鑑賞することとはまたちがうものが
あると思います。 - ゆり子さんは、こういった
「すてきなものたち」と、
どんなふうに暮らしていらっしゃるのでしょうか。
- 石田
- 実は、よく人から
「どうしたらこんなふうに飾れるんですか」とか、
「並べるコツを教えてください」
と訊ねられることが多いです。
みなさん、私の部屋を見て、
無秩序の中の秩序のようなルールが
あるように思うらしいのですが、
自分ではそんなふうには思っていません。 - 私としてはただ、
「もの」が「そこにいたい」と言うところに
置いているだけなんです。
- ──
- 「そこにいたい」と言う‥‥？
- 石田
- そうなんです。
買ってくるときにも感じます。
それが「うちに来たい」と言う。
- ──
- 「来たい」と。
売り場で。
- 石田
- そんな感じがするんです。
そのインスピレーションだけは
研ぎ澄ましてきました。 - 誰かが持っててステキだったとか、
写真に載っていたとか、
そういうきっかけももちろんありましたけれども、
それは決め手ではありません。
実際に売り場で出会って、
うちに来たいと言うから、連れてくるんです。
- ──
- 連れてくる、という感覚なんですね。
- 石田
- たとえばいま、目の前にグラスがあります。
お店でこれに出会ったとすると、
「この人がどこにいたらいちばんかわいいかな？」
と考えます。 - 私は、ものをあまりしまいこみません。
せっかく連れて帰っても、
しまっちゃったら見えないから。
- ──
- なるほど。
- 石田
- ものを、なるべく見せていたい。
だから、Instagramなどを見てもわかるとおり、
うちはものがいっぱい出ています。
ですから、えーっと、わかりますでしょうか、
私にとって「もの」はそういう存在なんです。
- ──
- はい、わかります。
- 石田
- 誰かに見せるために
買っているわけじゃないんです。
けれども、自分がこれと毎日いて、使って、
幸せだ、そしてこの子も幸せなんだ、という
相思相愛の関係じゃないといけません。
ものに対する愛情の表現方法って、
まぁ、おそらくみなさんも
そういうところ、あると思うけど。
- ──
- いや、あの‥‥人によってわりと違うと思います。
- 石田
- そうですか？ そうなの？
じゃ、みんなどういう感じで？
必需品だから買うとか？
- ──
- 私（インタビュアーはほぼ日の菅野です）の
個人的なことで言いますと、
必需品だし役に立ちそうだから買う、
ということがほとんどで、あとは
おしゃれっぽいから買うとか、
これによってちょっと自分が
ハイセンスになれるかな、みたいな
「憧れ」で買っちゃいます。
つまり、ゆり子さんのように
「この子の幸せ」とかは思わないで買います。
- 石田
- そうなんですか（笑）。
あー、そうですか。
- ──
- ごめんなさい、そうです（笑）。
- 石田
- でも、いや、待ってください。
私だって、最初から
そうだったわけじゃないかも。
いや、どうだったかな‥‥
- ──
- 子どもの頃のゆり子さんは‥‥。
- 石田
- えーっと思い出しますね。
（明日につづきます）
2024-12-14-SAT
