ほぼ日&りょくけん
台風スペシャル!
トマトジュース

販売は終了いたしました。
ありがとうございました!



『ほぼ日&りょくけん
 台風スペシャル!トマトジュース』

500セット、すべて完売いたしました。
どうもありがとうございました!
「台風」という事情で
イレギュラーにできたジュースですので、
限られた数しか準備が出来ませんでしたが、
「りょくけん」ならびに「ほぼ日」が
予想していた以上の好評をいただき、
完売いたしましたこと、
たいへんありがたく思っています。



りょくけんのページでは、ひきつづき
「ほぼ日&りょくけん
 台風スペシャル!トマトジュース」以外の
トマトジュースや永田農法で育てられたお野菜のセットを
買うことが出来ます。
こちらも、在庫に限りがありますが
この機会にお試しいただけましたら、さいわいです。
ほんとうに、ありがとうございました。

(2004/12/13 15:40)

トマトがバラバラ落ちる光景を
ただ呆然と見るしかできなかった。



北海道ニセコ町 堀 亘(ほり・わたる)さん 60歳
トマトとのコミュニケーションを大切にする、
「トマトをおいしくするぞ」という熱意では負けない、
お客さんからおいしいと言われるのがなによりうれしい、
トマト歴6年の農家さんです。


前回、このページで、北海道を襲った台風と、
それがきっかけとなってうまれたトマトジュースについて
お伝えしました。
今日は実際に、台風による被害がどんなものだったかを
りょくけんのトマト農家の堀さんにうかがいます。
堀さんは、もともとは酪農家でしたが、
酪農を息子さんたちに任せ、
6年前からトマトの栽培をはじめました。
それまで堀さんは、酪農のかたわら、
自分たちが食べる分のトマトやピーマンを
育てていましたが、永田農法と出会うことにより、
「トマトはつくり方次第で
 すごく味の変わる野菜であることがわかった」
とおっしゃいます。

トマトは年に2回収穫します。
今年前半のトマトは7月中に収穫して、
「これはおいしいね!!」と、
みんなに言われました。子どもたちも
「なんぼでも食べたい、食べ終わったらまた食べたい」
と、それはそれはおいしそうに食べましてね。
だから、この調子で後半もいけるな、と思っていました。
7月中に苗を植えて、9月から収穫をはじめ、
10月いっぱいで終えるスケジュールでした。
そこに、あの9月8日の台風がやってきたんです。

トマトは熟すと実が重くなります。
熟れておいしい証拠となるはずの重みがあだとなって、
あの強風で、半分以上が地面に落ちてしまいました。
それはもう、ショックでしたね。
8棟のハウスのビニールが吹き飛んで、
1棟が完全に倒壊。そのほかのハウスも
部分的に壊れてしまいました。
ビニールの屋根が吹き飛んだせいで、
水分量の管理ができなくなって
病気になってしまい
廃棄した実もたくさんありました。
── ちょっとしたバランスが崩れただけで
病気や虫がつきやすいんですね。
それから、トマトがあちこちにぶつかって
打ち身ができたり傷ができたりしました。
そのなかでも損傷のごく少ないものを選び、
がんばって枝にくっついて落ちなかったトマトと
あわせて、収穫しました。
それが、今回のジュースになるんですよ。
結局、ジュースにできたのは、
全体の2割くらいだったかな。
── 台風が来たときは、どんな心境でしたか?
風に揺られてバラバラ実が落ちるようすを
ただ呆然と見てるしかできませんでした。
これっきりで、トマトづくりも農家も
やめようかと思いました。
そのくらい、見るも無残な姿でしたよ。
夫婦そろって腰抜かす一歩手前でした。

ほんとうに、こんなにひどい目に遭うとは
思っていなかったです。
農家をはじめて以来の被害でした。
ようやくハウスの資材も届いて、
これから来年のトマトに向けて
修復作業を進めよう、というところです。
── 永田農法は、安全で味のよい野菜をつくるために
植物本来の力を最大限に出す栽培法ですね。
なかでもいちばん気をつけておられることは、何ですか?
水をあげる量には、とくに気をつけています。
トマトを見ながら、ね。
たいへんだけどね(笑)。

トマトの状態がいちばんよくわかるのが、夜明けの畑。
つまり、トマトが「寝起き」の、活動前の状態です。
これを、毎日欠かさず見るんです。
葉の色、のびぐあい、トマトの色なんかをね。

生きものは、腹が減れば泣くけど
植物はこっちから近寄って、
見てやんなきゃいけないんですよ。
それは、とても骨の折れることなんです。

けれども、私はシロウトだけど、
いいものをつくろう、おいしいものをつくろう
という気持ちは、ほんとうにあります。
おいしいっていってくれる人がいてくれると
「やんなきゃな!」という気持ちになるんです。

それが、私のトマトづくりの
とても大きな支えになっているんですよ。

最初の1〜2年は、
トマトがどういう野菜なのかがわからなくて、
指導をしてくれる方の言うとおりにやってきました。
でもね、最近はやっと、トマトと会話をして
トマトの考えていることがわかるようになってきたんです。
そんなことのくりかえしの、6年でした。
── この「台風スペシャル!トマトジュース」になる
生き残ったトマトを、
堀さんは味見なさいましたか?
もちろん、食べましたよ。
人間の心理的なものかもしれないけどね、
数が少なくなって、食べるものもなくなると
おいしく感じるのかもしれないけど(笑)、
でも、あんな目に遭ったトマトがね、
あまくてすごくおいしかった。
ジュースにできた量は少ないけれども、
飲みたい、とおっしゃってくださる方に
ぜひ味わっていただきたいですね。
── きっと、ジュースにするには
ぜいたくすぎるトマトなのかもしれませんね。
「あの台風が生んだ味なんだ」というふうに逆手にとって
ジュースのおいしさをたのしみたいと思います。
堀さん、ありがとうございました。

 

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2004-12-13-MON


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