ほぼ日&りょくけん
台風スペシャル!
トマトジュース

販売は終了いたしました。
ありがとうございました!



『ほぼ日&りょくけん
 台風スペシャル!トマトジュース』

500セット、すべて完売いたしました。
どうもありがとうございました!
「台風」という事情で
イレギュラーにできたジュースですので、
限られた数しか準備が出来ませんでしたが、
「りょくけん」ならびに「ほぼ日」が
予想していた以上の好評をいただき、
完売いたしましたこと、
たいへんありがたく思っています。



りょくけんのページでは、ひきつづき
「ほぼ日&りょくけん
 台風スペシャル!トマトジュース」以外の
トマトジュースや永田農法で育てられたお野菜のセットを
買うことが出来ます。
こちらも、在庫に限りがありますが
この機会にお試しいただけましたら、さいわいです。
ほんとうに、ありがとうございました。

(2004/12/13 15:40)

ハウスのビニールを泣く泣く
カッターで切りました。



北海道朝日町 岡田正悟(おかだ・せいご)さん 54歳
気候、気温、風、水、農薬のこと、
トマトをとりまくさまざまな環境に
いつも心を砕いている、
理論派でやさしい、農業歴13年の農家さんです。


前回につづき、りょくけんの
北海道のトマト農家の方にお話をうかがいます。
今日は、台風の被害が比較的が少なかったという
朝日町の岡田さんです。
前回の、堀さんの農園がある地域にくらべて
北に位置するこの地方では、
大半のトマトの収穫は、すでに終わっていたそうです。
でも、最後の最後に収穫するトマトは、
寒い時期に熟すため、あまみが増すのだとか。
台風の被害に遭ったのは、
その「最後のおいしいトマト」でした。

── 風がすこしでも吹くと?
岡田 おもに、風通しと気温のコントロールをするために
ハウスのビニールをの開け具合を調節します。
「風、どこかへ行ってくれないかなあ」
って、祈りながらね。
これは、とても神経を使う作業なんですよ。
作物に直接風をあてるとしおれるし、
かといってビニールをしめると
ハウス内の温度が上がって
病気が発生したりしてしまうんです。
── 台風が来るぞ、ということを知ったとき
まずはどんなことを思われましたか?
岡田 この地方(道北)のトマトは8月いっぱいで
ほぼ収穫が終わります。
9月に収穫するものは少ないんです。
ただ、最後に育つトマトは
じっくり寒いところで育つから、
あまいトマトができます。
その、最後のおいしいところを収穫しようかな、
と思っていたところに、あの台風が来ました。

台風の知らせを聞いて、
ハウスにヒモを張ったり、
不備のあったところの手入れをしたり、
鉄骨を直したりして、万全の体勢をとりました。
それでも1棟、ビニールが飛ばされてしまいましたが。

じつは、正確に言うと、
ビニールが飛ばされそうになっている
ハウスを発見して、
飛んだり鉄骨が曲がったりする前に、
自分でそのビニールを切ったんです。
もしも風がビニールを引っ張る力で
ハウスの鉄骨部分が倒壊したり、ゆがんだりしたら
隣のハウスに倒れ込むかもしれない、
被害が重なって発生するかもしれない。

もちろん、ビニールを切ってしまうと
中のトマトはダメになってしまいます。
「いいのかな。ぼくはこのままビニールを
 やぶってしまうのかな」
「いいんだ、もう8割がた、収穫は
 終わっているんだ。
 このまま放置すると、ほかにもっと甚大な
 被害を与えてしまう」
と自分に注意深く言い聞かせながら、
断腸の思いでビニールを切りました。
── すごい決断ですね。
でも、そのおかげで残ったトマトを
ジュースにすることができました。
今年のトマトについて、
台風以外で、苦労された点はありますか?
岡田 夏がものすごく暑かったでしょう?
あの高温は予想していなかったから、
設備も調えていなくて、
辛かったですね。

永田農法は、水をなるべく与えないで
トマトの力で育てるのが特徴です。
あんなに暑い日がつづくと、
水を好きなだけ与えたくなるんですが、
そういうわけにはいかないので、難しかったです。
地面に熱がこもらないように
枝や葉で影をつくってやったり、
あとは、トマトのようすを見て、
ビニールハウスを
あけたりしめたりしました。
ほんとうに、目がはなせない。
赤ちゃんひとり、育ててると
思ってやっています。
── 毎年毎年、生まれたての赤ちゃんを
何年もくりかえし育てるようなものですね。
岡田さんのところでは、農薬については
どんなものをお使いでしょうか。
岡田 今年に関して言えば、
虫を駆除するための農薬は、いっさい使っていません。
葉カビと灰色カビを防ぐ薬を、
なるべく少量で、4回使用しました。
── 虫も手で駆除したり、雑草を自分たちで抜いたり。
岡田 そうですね。
病気を防ぐには、やはり温度や湿度に
こまめに気を配ることが大切です。
ハウスに入って眼鏡が曇らないようにする、
というのが基本ですけれど、
それ以上に、いろんなことに
気をつけてやっていました。
── 岡田さんがトマトを栽培されたきっかけは?
岡田 もともと僕は、ピーマンを育てていたんです。
ここらあたりは、土質がトマトに向いていないと
言われていたのでね。
でも、ピーマンはふつう、
お料理といっしょに食べることが多いから、
おいしいピーマンをがんばってつくっても、
「ほら、そのまんまでおいしいピーマンでしょ?」
と、なかなかいえないんです。
ちょっと、これはくやしい。
── なるほど(笑)。
でも、トマトなら。
岡田 そう。生で「これがトマト」って意識して
食べるでしょう?
うらやましい野菜だな、
いずれは僕も、と思っていたんです。
6年前にミニトマトの栽培をはじめてから3年で
ふつうのトマトづくりに入り、
いまはトマト一本に専念しています。
── 念願のトマト農家になられたわけですね。
ご自分のトマトはやはり‥‥おいしいですか?
岡田 そりゃあ、おいしいよ。
もう、糖度が9度や10度ある
トマトができるからね!
近所の人が
「やっぱり岡田さんのトマトだよね」
って言ってくれる。
これがとてもうれしい。
── 今回は、
「最後に収穫しようとしていた
 いちばんおいしいトマト」が
台風のためにジュースになるわけですね。
岡田 とてもドロっとしたジュースですよ。
できたら、ほかのトマトジュースと
飲みくらべてみてください。
おいしいなあ、と感じていただけると思います。

スッキリしたものがお好みの方は、
ちょっと違和感を感じるかもしれないけどね。
でもね、くらべると、
うちらのトマトジュースは、飽きないよ。
「ほんとの」トマトを使ってジュースにしているんだから。
これは、胸を張って、言える。

岡田さんや堀さんをはじめ、
トマト農家のみなさんの、
トマトをみつめるまなざしが
赤いドロっとしたジュースにつまっています。



「ほぼ日&りょくけん
 台風スペシャル!トマトジュース」の
販売は終了いたしました。
ありがとうございました!
りょくけんのページでは、ひきつづきトマトジュースや
永田農法で育てられたお野菜のセットを
買うことが出来ますので、ご興味のある方は
のぞいてみてくださいね。

 

感想メールはこちらへ! 件名を「トマトジュース」にして、
postman@1101.comまで、
ぜひ感想をくださいね!
ディア・フレンド このページを
友だちに知らせる。

2004-12-14-TUE


戻る