記念すべき、東京公演初日、 たった今、取材して帰ってきたんですが、 やっぱりすっごく盛り上がってましたよ!
アートスフィアって劇場、 名前のとおり、場内も丸ーい感じで、 大きな拍手が起きたときは、まさしく 拍手に包まれるって感じだよね。(うっとり)
また、ステージに立ってる自分を 想像してるでしょ! ‥‥でもたしかに、カーテンコールの時の、 役者さんたちの顔、とってもうれしそうで、 幸せいっぱいの顔でしたよ。
シェフのように、ふだんの会話も グイード調にふしをつけるようになったり。
グィードに共感し、タイード反省〜。 背は20センチ足りないよ〜♪(音痴) 別所さんは大きいよ〜♪
16日間なんてあっと言う間だから、 機会をのがさないようにしましょうね。 思い立ったが吉日です! 早速、初日観てきました!ってかたから メールをいただいたのでご紹介しますね。
(無視して) その後は、キウチさんの熱いレポートです!
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ 第二六回 東京公演開幕/デヴィッドが話したこと(2) ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ◎「17日間の奇跡」の1日目です。 初日の開演前、 劇場入口の階段を上がったところで、 まだリラックス・ウェアでいた大浦さんと、 お話ししました。 大浦さんにとって、ここ(アートスフィア)は、 おなじみの劇場ですよねとたずねると、 「そう、でもねえ、 『ナイン』でここに帰って来られたのが なによりうれしい」 ほんとにうれしそうに、穏やかに、 「さあ、出なくっちゃ」と初日の舞台へ。 客席は、おかげさまで盛況でした。 ほんとにほんとにおかげさまです。 2階から1階を見下ろすと、 ぽつりぽつり空席は見つかるものの、 だれがなんと言おうと、「盛況」です。 「大盛況」はこれから先にとっておきましょう。 去年からのお客さま、ことし初めてのお客さま、 宣伝に協力くださったキャスト、スタッフ、 関係者のかた、興味を持ってくださったかた、 みなさんに感謝します。 まず、初日は「盛況」でした。 マリア役の宮菜穂子さんが、 「大阪の劇場に比べると、 舞台に立ってみて少し重たい感じがした、 フランボワーズみたいな形してるでしょ」 と言うように、 大阪公演のシアターBRAVA! に比べると、 ひとまわり小さい観客席。 それが去年はさみしかったけれど、 (「去年はこんな感じでした。」) でも、ことしの客席はずっしりでした。 宮さんはこんなことも教えてくれました、 「きのうの稽古でちょっとだけ、 演出が変わったんですよ、 わたしの退場するタイミングが遅れたら、 そのほうが悲劇性が増すからそれでいこうって」 たとえほんの小さなことでも、 稽古をしたら稽古をしたぶん、 そのつど発見を加えて進化していくっていうのが、 このカンパニーの素晴しいところです。 きょうのカーテンコールは、 初日からスタンディング・オベーション! 自然に立ち上がりたくなるステージ。 舞台の上のみんなも観客席も、 これはうれしいだろうなあ。 お客さまの反応に耳をダンボにしていると、 去年の公演を観たかたか、 それとも大阪公演を観たかたか、 「よくなったねえ」というお声をキャッチ。 そりゃあ、よくならなきゃ嘘ですよ。 ルイザ役の高橋桂さんは、 「大阪公演がありましたけど、 初日は初日ですね。 初日の緊張っていうのがありました」 と言っていました。 クラウディア役の純名りささんは、 「デヴィッドは、早く舞台に立ちたいって 思わせてくれる演出家だから、 きょうが待ち遠しかった」そうです。 そして、 「アートスフィアって、 お客さんが芝居に集中してるかどうかが、 よくわかる劇場なんです。 だからとってもいい緊張感があります」って。 クラウディアという役は、 1幕のあいだずっとサングラスをかけていて、 2幕冒頭からどどーんと前面に出てきます。 じつは、クラウディアの話をし始めると、 どうしても後半の展開に触れてしまうので、 話題にするのを控えていました。 でも、ぼくは個人的に、 カルラが「Simple」を歌うときの、 クラウディアの台詞が好きです。 シンプルな台詞とシンプルな歌詞が、 掛け合いながら放つ豊かなイメージ‥‥ ああ、話し始めるとレポートじゃなくなっちゃう。 そうそう、じつはデヴィッド・ルヴォーも、 お気に入りの場面のひとつにあげてました。 (そうだ、みなさんのお気に入りの場面も 聞いてみたいです!) 本番を終えた別所哲也さんは、 着替えを終えて楽屋から出てくると、 おなか空いたあと言って、バナナを食べました。 おいしそうに。そして── 「白ワイン」が待つ、劇場ロビーの乾杯へ。 そのカジュアルなパーティーで、 われらがべっかむさんはというと、 あらあらあらあら‥‥ カルラ、ネクロフォラス、リナの歓談の輪に、 突撃取材を試みたとたん、 歓声とともに撫でられ、抱きつかれ、 スキンシップの嵐(キスを含む)。 べっかむさん、モテてる場合でじゃありません、 取材です、取材しないと‥‥ ほら、デヴィッド・ルヴォーがなにごとかと思って、 振り向いてます! でも、こういう雰囲気で、 初日乾杯ができたのは、万々歳だ。 楽屋が一段落して、 ヘアメイクの鎌田さんもやってきました。 ざわざわキャッキャと盛り上がるロビーをみて、 「(渋めに)お、いい感じじゃん!」 はい、いい感じの開幕です。 幸せな乾杯をするだけの、 価値ある舞台をつくったみんなです。 初日おめでとうございました。 ◎デヴィッドが話したこと さて、きのうに引き続き、 ある日のインタヴューでデヴィッドがした話を、 ここでお伝えします。 『ナイン』の舞台空間を、 どう考えて演出したかということと、 それから、デヴィッドの演出のルーツです。 ー デヴィッド・ルヴォーのことば ー 『ナイン』の舞台空間を考えるとき、 まるでカメラで撮るときのように考えた。 たとえば、観客が特定の誰かを どうしても見てしまうようにしたり。 舞台を、いつもあるリズムを基調にして 動かしていったんだ。 すべてが止まっている時間を作らずに、 いつでも少しずつ動かしておくことで、 観客の目が見て欲しいところに行くようにした。 つまりそれは、グイドが見てるところなんだ。 そして、ときには、 彼が撮っている映画のなかじゃなくて、 現実のなにかだったりする── とても興味深い挑戦だったよ。 『Grand Cannal』というナンバーの、 長い場面のあいだじゅう、 台詞もないカルラを舞台の手前に置いた。 『Simple』というソロを歌うまでの20分間、 なにもしゃべらない── それが彼女の物語だと思ったんだ。 グイドはその場面で、 「カサノヴァ」を題材に映画を撮ってる。 彼は天才で、しかもすごく正直だから、 「グイド版カサノヴァ」の撮影中でも、 カメラは扇子を扇ぐ女性たちじゃなくて、 カルラの方を撮ってる。 グイド自身の行動のよって引き裂かれ、 失われてしまったものを。 演出は、子供のころからやりたかった。 妹たちに人形劇をやらせて、 道行く人にみてもらってたりしたよ。 16歳のときだったかな? ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーを 観に行ったことがある。 ピーター・ブルックの『真夏の夜の夢』。 そのとき、自分のなかでなにかが起きた。 こんな作品を作って舞台にのせられるって、 なんて素晴らしいんだって。 学校は寄宿制の男子校だったんだけど、 クラスで劇を創るときに、 いい先生がいて、音楽を書かせてくれたんだ。 それもシェイクスピアだったんだけど、 小さなバンドを編成して、舞台の上で演奏した。 だから、舞台全体をみることができたんだ。 当時はまだ「演出家」がなにをするものなのか、 よく知らなかったけど。 (次回は28日夜の、 ポスト・パフォーマンス・トークのようすを レポートする予定です。)
2005-05-28-SAT