Wiiでボウリングがうまい人は、実際のボウリングもうまいのか?!
いや、もうね、ほんと、
きっかけは些細なことなんですよ。
なんだってそうじゃないですか。
ご存じかもしれませんけどね、
昨年末にね、Wiiをね、入手しましてね、
それを糸井事務所のど真ん中にある
いちばん大きなテレビに設置しましてね、
こう、なんていうんでしょう、
弊社、いろんな意味で自由な社風が売りですから、
「誰でもやったらいいさ」みたいな感じで
オープンな状態にしておいたんですね。
いや、いまでもそうなんですけど。
そしたらね、みんな、やるわけです。
おもに仕事の終わったあと、
終電までの数時間とかに、
けっこう、いろんな人がやるわけです。
おもにね、『Wii Sports』ですね。
テニスとか。ボウリングとか。
そんでね、やってたらね、
こういう声が聞こえてくるわけですよ。
「ほんとにやってるみたい!」とかね。
「実際はオレはもっとうまい!」とかね。
あげくの果てには、
「実際にはやったことないけど、
やったらきっと私はうまい!」とかね。
じゃあさ。やってみたらどう? 実際に?
なんていうことを言いましたらね、
「やる! いつやる?!」
ってなことになってしまったわけですよ。
しかもね、弊社のトップであるところの糸井重里も、
「ボウリングなら、ゲームもリアルも自信あるぞ」
なんて言うじゃないですか。
はい、じゃあやりましょう! と、
あっさり決まったこの企画を
本日はゆるゆるお伝えしていきます。
申し遅れました、担当は私、「ほぼ日」の永田です。
どうぞ、よろしくお願いします!
さて、このようなゆるやかな企画は、
みんなで会議室でうんうんうなりながら
練り上げていくようなものではございません!
ルールはあっという間にぼくが決めました!
1:まず、会社でWiiのボウリング! 一発勝負!
2:その足でボウリング場へ移動して一発勝負!
以上となっております!
それではさっそく4人の出場選手をご紹介いたしましょう!
実際のボウリング歴、かなり。
Wiiのボウリング歴、けっこう。
出場者中、キャリア的には一日の長がありますが、
問題はずばり、年齢的なもの。肉体的なもの。
ほら、ボウリングって、けっこう疲れますからね。
実際のボウリング歴、ふつう。
Wiiのボウリング歴、ふつう。
ゲームにせよ、ボウリングにせよ、仕事にせよ、
マジメにガツガツとこなすタイプです。
ハードルがあれば超えるタイプです。
本番前に化粧を直していたことは秘密です。
実際のボウリング歴、酔ったときにやる程度。
Wiiのボウリング歴、かなり。
とにかくフォームやポーズが特異。奇異。ユニーク。
冬は必ずスノボに出かけるアウトドアな面も。
しかし、フォームやポーズが特異。奇異。異常。
実際のボウリング歴、なし。初心者。
Wiiのボウリング歴、かなり。
ある意味、今回の主役はこの人です。
なんと、実際のボウリング歴が皆無。
Wiiのボウリングはけっこううまいし、
日ごろ、ジムに通って筋力も人一倍ある。
そういう人って、実際のボウリングはどうなの?
と、いうわけで、はじめましょう!
まずはWiiのボウリングからです!
「え? いまから?」「練習は?」「ルールは?」
ああ、やかましいぞ、参加者たち!
いままさに一発勝負のボウリングがはじまるのだ!
なんなの、どうなの、といいつつエントリー!
むろん、Miiは準備済み!
自慢じゃありませんが、弊社のWiiには、
社員全員のMiiがすでに存在するのです!
どうでもいいことですが、モギコが自分のMiiに
こっそりチョビヒゲをつけていたことが発覚。
その独自のセンスに、一同やや驚愕。
まずは、糸井が第一投! いきなりスプリット!
優勝候補、糸井、思わぬ出遅れ!
続くナカバヤシがあっさりストライク!
さすが、素振りを欠かさぬ女!
そしてモギコ‥‥なんですけど、どうですか、これ。
いや、ほんとにこの人、フォームがおかしいんです。
力を入れる場所をまつがっているんです。
フォームも頭もおかし‥‥いえいえ、個性です、個性です。
実際のボウリングは初心者の武井も、
Wiiのボウリングは慣れたもの!
フォームも、さまになっています!
どうぞみなさま、立てた小指にご注目ください!
さぁ、ここで、週刊ベースボール、
略して「週ベ」でお馴染みのフォーム解析です。
分割写真でご覧いただきましょう!
なんと24分割! は、ムリなので3分割くらいで。
ぐっと腰を落としまして‥‥。
シュパァっとね。意外にふつうですね。
まあ、こんなもんですよ。
ふつうじゃないのはモギのフォームですね。
どうしてこうなっちゃうんですかね。
ちなみに「むぉっ」とか声も発します。
一方、実直なナカバヤシは、こうです。
「こうすると、曲がる‥‥」とか
ブツブツつぶやいているのです。
「ぼくはテニスもボウリングもうまいはず!」
と豪語する武井。どっちも経験はありません。
ちなみに、たまたま今回は広めの場所で
みんなしてゆったりと遊んでますが、
テレビの前のちょっとしたスペースでも
十分に楽しく遊ぶことができます。
ストライク! ダブル!
調子が出てきた! 糸井が追い上げる!
ナカバヤシが悩む!
ナカバヤシのボウルはゆっくりだが、
ぱたぱた倒れる! 不思議とばたばた倒れる!
モギコがコケる!
え? ヘソ見せで意外にセクシーショット?
そんなこと言ってる人はつぎの写真をご覧ください。
この人のどこがセクシーなんですか。
ヘソ見せかつ、ガニマタで、
なんだか無理矢理お金かけて作ったけど
市民に大不評な公園の彫像みたいになってますよ。
これ以上、身内の恥をさらすのもなんですので、
結果発表ぉーーーーーーーーー!!!!
勝者、糸井重里! 192! 10フレはターキーでした!
けど、ナカバヤシが186、モギコが178、
不調だった武井も156! レベル高い!
「やれやれ、終わった」「楽しかった」
「けっこう疲れた」「真剣にやるとけっこう疲れるね」
などとなごんでる場合じゃない! ボウリング場に行くぞ!
「え! いますぐ?」いますぐだともーーーー!!
というわけで、ぶつくさ言う連中を
表に追い出しまして‥‥。
その足で、渋谷のボウリング場へ!
しかも、現在ウォーキング熱の高い社長が
「どうせなら徒歩だ! 歩くぞ!」と言いだしまして、
カメラ片手にぼくまで歩く羽目に‥‥とほほ‥‥。
やぁ、渋谷だ。歩くとけっこう近いね。
それにしても、いい天気だなー。
はて? オレはいま、何をしてるんだっけな?
そうだ、ボウリングだ!
キミたち、着いたらすぐに靴を履き替えて
ボウルを選びたまえ! ムーブ、ムーブ!
はいはい、名前のエントリーは済ませておきましたよ。
さあ、どうなのか! Wiiの結果どおりになるのか?!
まずはひとり目、糸井が‥‥。
投げるーーー! なんといきなりストライク!
ナカバヤシも行く!
ぱたぱたぱたぱた‥‥ぱたん、ぱたん。
おおっ、Wiiと同じ、ぱたぱたボウリング!
そして‥‥モギコ‥‥あんた、すごいよ。
ユニークだよ。個性的だよ。一貫してるよ。
このぶんなら大丈夫、いつかきっと、
白馬に乗ったユニークな王子様が現れるさ。
さあ、そして、注目はなんといってもこの人!
今日が人生初ボウリングとなる武井!
はたして、Wiiの経験と基礎体力だけで
どれだけボウリングができるものなのか!
え? こう持って? 腕をまっすぐ?
うーん、できるかなあ‥‥。
ふっと息を止め、まっすぐ踏み出す!
おお、いい感じじゃないですか!
そうそう、そのまま、まっすぐ!
そこからフィニッシュ! 視線は前! 行けっ!
‥‥ゴンッ!
「‥‥‥‥ありゃ?」
「ガーーーーターーーーーー!!!」
いや、そりゃ、しょうがないよ。
ぼちぼちやりましょうよ。
そうこうしながら、ゲームは進む。
いやあ、ふつうに、楽しいなあ。
糸井がスペアを狙う!
ナカバヤシが念を送る!
モギコがふてくされる!
悩める武井に糸井がアドバイス。
ここをな、こうしてな、こんなしてな‥‥。
こういうにぎりでな、しゅぱっとな‥‥。
わかりました、やってみますね。
謙虚な姿勢でアドバンスを反芻し‥‥。
集中して!
おおおっ、いい感じです!
ぐもんぐもんぐもん‥‥‥‥
ぱきゃらっからぁん!!!
やったーーーーーーー!!
その調子、その調子! ありがとう!
なんだか、ふつうに楽しいんですけど、
これでいいんでしたっけ? ま、いっか!
ナカバヤシが連続スペア!
ふむふむ、ガッツポーズはWiiのときと同じだな。
はい、ボウリング場でお馴染みのハイタッチ!
スパーーーンとね。
どりゃさっ!
真剣っ!
またわかんなくなってきちゃった。
などなど、いろいろ、ありつつ‥‥。
盛り上がったり‥‥。
くつろいだりしつつ‥‥。
このような、たいへん低レベルな結果となりました!
ええと見づらいでしょうから、
スコアをきちんと書き起こしますと‥‥。
トップ糸井、115! 2位ナカバヤシ、90!
3位モギコ、51! 武井は1ピン差の50!
順位はWiiと変わらず! でも点数は段違い!!
ええと、比較してみると、以下のようになります。
つまり、Wiiのボウリングがうまい人は、
実際のボウリングもうまいということに‥‥
ていうか、まあ、これだけで結論は出ませんね。
なにしろ実際のボウリングの結果がひどすぎます。
どうですか、参加者のみなさん?
おやおや、スコアの低さを誰も気にしてませんね。
なんだかニコニコ笑うばかりです。
けっきょくどっちも楽しかったという
身も蓋もない結論になりそうです。
いちおう、4人の感想を聞いておきましょうかね。
ナカバヤシ
「どっちも楽しかったです、という
バカみたいな結論ですいません。
でも、ほんとにどっちも楽しかったです。
比較すると、これも当たり前ですが、Wiiのほうがラク!
実際のボウリングは、どんどん腕が疲れて、
ボウルが曲がっていくんですよねー。
あと、床も滑るし。忘れてましたよ、そういう感覚。
それから、実際にボウリングをやると、
2ゲームくらいが限界だと思うですが、
Wiiは延々できますよね。それって、じつはすごい!」
シェフ武井
「やっぱり、大勢でやると、
Wiiも実際のボウリングも楽しいですよね。
あと、両方を同じメンバーで同じ日にやるという
この遊び方は、意外におすすめです。
一日がかりでこうやって遊ぶと楽しいと思います。
自分の成績としては、まだまだこんなもんじゃないです。
本来の力を出し切れませんでした。
ここだけの話ですが、二日酔いでした」
モギコ
「Wiiって、じつは人に優しい設定になってるのね。
ガーターは出にくいし、ストライクはよく出るし。
まぁ、どっちもおもしろいのは間違いないんですけど、
今回、久しぶりに実際のボウリングをやって、
自分の腕が落ちていることに愕然とした私としては、
『ストライクが出ないボウリングはつまらない!』
ということを自分なりの発見として報告しておきます。
あと、最後に白状いたしますが、昨晩、
今日のボウリングが楽しみでよく眠れませんでした」
糸井重里
「やっぱりほんとうのボウリングはむつかしいですね。
なにしろ、重さがありますから。引力がありますから。
自分の足腰も思った以上に弱ってましたしね。
じつはぼく、探せば自分のボウルがあるはずなんですよ。
それでやればもっといけたはずなんですが‥‥。
Wiiのボウリングは、爽快感としては
現実のボウリングとかなり近いですね。
『海よりもプールがいい』っていう人がいるように、
実際のボウリングよりWiiのほうがいい、
っていう人がいても不思議じゃないと思います。
あと、Wiiも実際のボウリングも、人柄が出ますね!
ナカバヤシはなんでもまっすぐ覚える。
シェフは自分の先入観や手癖をなくせばうまくなる。
モギは‥‥めちゃくちゃやってるように見えて、
センスはいいんですね、じつはね。
運動神経もあいつがいちばんいいでしょう、きっと。
それはそうと、あの、ぼく、優勝ですよ?
もうちょっとなんかないんですか?
なんか、ないがしろじゃないですか?」
ふむふむふむ、なるほどなるほど。
そりゃそうだろ、という
至極もっともな意見をありがとうございました。
まったくもって無意味と知りつつ、
今回の比較結果を表にまとめてみましたよ。
というわけで、
ゆるゆるとお伝えして参りましたが、
「Wiiでボウリングがうまい人は、
実際のボウリングもうまいのか?!」
たいして気の利いた結論も出ぬまま、
たいへん楽しかったということでお茶を濁しながら、
このあたりで失礼いたします!
つぎはぼくも参加したい気持ちでいっぱいです!
それでは、また!
(おしまい)
2007-03-06-TUE