── |
ふだん、ゲームはプレイされるんですか? |
須賀 |
たまにやるくらいですね。
そんなにやるほうではないと思うんです。
でも、『ビューティフル ジョー』は
すごくおもしろかったですね。
たぶん、ふだんゲームをやらない人でも
ハマれる要素がすごくあるんだと思います。 |
── |
須賀さんは俳優として
アクションシーンなんかも
演じられるわけですけど、
そういう部分でも共感できたとか? |
須賀 |
う~ん、そこまでダブらせては
考えないですけどね(笑)。
純粋にゲームとしておもしろいです。 |
── |
須賀さんが感じたゲームの魅力を
具体的に教えてください。 |
須賀 |
たくさんあるんですけどね。
アメコミ風の独特の絵とか、
キャラクターのかわいさとか、
ストーリーもおもしろいですよね。
いちばんっていうと、
やっぱりアクションを自分で
演出できるところでしょうか。
モーションのディテールが
すごくしっかりつくられているので
技を出すことがすごく楽しいんですよね。
|
── |
『仮面ライダー龍騎』の撮影のときも、
アクションにはこだわったのでは? |
須賀 |
ええと、ほんとうのことを言うと、
あまりアクションの場面はなかったんですよ。
というのは、
僕ら、変身するまえなんで(笑)。 |
── |
あ、そうか。変身後は、
スーツのなかにいる方が演じるから……。 |
須賀 |
そうなんですよ(笑)。
あと、僕が演じていたキャラクターは、
どちらかというと弱いキャラクターだったので
すぐやられてしまう、という。
どっちかというと、
殴るより殴られるほうを
一生懸命、表現しようとしてたかな(笑)。 |
── |
いかに、うまく殴られるか、みたいな(笑)。 |
須賀 |
そうですね。いかに、弱々しく、
カッコ悪く殴られるかとかを
追求してました。
ただ、ヒーローものの楽しさっていうのは
ゲームのなかでうまく表現されてますよね。
その、ヒーローとはどうあるべきか、
みたいなことが、よく研究されているというか。
ピンチのときに現れるとか、
変身が解除されて弱くなってしまうとか、
そういうノリがゲームのなかにありますよね。 |
── |
昔からヒーローって融通が利かないというか、
さっさと変身しろよ、
みたいなところがありますもんね(笑)。 |
須賀 |
でも、そのほうが人間味があっていいですよね。
ゲームのなかのキャラクターも、
完全に二枚目というわけじゃなくて、
どこか抜けたところがあるし。
|
── |
バランスも、あたまでっかちだし。 |
須賀 |
愛着沸きますよね。そういえば、
同じ「赤」だったんですよ、ぼくも。
赤い色のキャラクターを演じていて、
『ビューティフル ジョー』も赤だったから
近いものを感じてしまったんですけど。 |
── |
また、特撮の楽しさが表現されているのが
アクションがスローになって、
そこに正確に技をコマンドできる
部分だと思うんですけど。 |
須賀 |
そうですね。あれはすごく特撮っぽい。
ただ、敵が来て、やっつけて、
やったー! じゃなくって、
どう戦うかとか、どう見せようかとか、
どういう技を次は出していこうかとか、
自分で演出までできてしまうというのが
いいんじゃないかなと思うんですけど。
|
── |
ひとりでやってて、
誰が見てるわけでもないんだけど、
「おお、いい感じ!」みたいになりますよね。 |
須賀 |
なりますよね!
自分でやってても声出したりしますもの(笑)。
うわっ、いまのすごかったぁ、みたいな。 |
── |
「見た? 見た?」っていう感じで(笑)。 |
須賀 |
そうですね。
あの、スローになる機能が
すごく効果的なんですよね。 |
── |
じつはまわりが
スローになっているだけなんだけど、
自分が高速で演じているかのような
感覚になりますよね。 |
須賀 |
なりますなります。
ゲームのなかの世界と一体感があるんですよね。
だから、入り込めるというか。
|
── |
敵のキャラクターもいいやられかたをするし。 |
須賀 |
うん、リアルですよね。
スタントマンの人と仕事することも
多かったんですけど、
やっぱり上手な人は、
やられかたもうまいんですよね。 |
── |
すごくやられかたのうまい、
達人のような人も
いらっしゃるんですか? |
須賀 |
ああ、いますいます。
うまいなあ~っていう。
ほんとにやっぱり、美しいんですよね。 |
── |
どこがちがうんですかね。 |
須賀 |
なんでしょうね。
まあ、演じてるキャラクターに
よると思うんですけどね。
キャラクターが違えば、
見せかたっていうのは
ぜんぜん変わってくるわけですし。
そのへんが実際に演じるときも
おもしろいところですよね。
なんか、アクションっていうより、
映像全般にすごく通じてくることだと
思うんですけど。舞台やるにしろ、
映画やるにしろ、ドラマやるにしろ、
動きっていうのは共通だと思うし。
俳優って「どう見せるか」っていうのを
やっぱりすごく気にすると思うので、
動きは大事なところですよね。
|
── |
突っ込んだことをうかがいますけど、
本番での動きっていうのは、
細かく演出がかかるものなんですか?
どの程度、演じる人に
任せられるものなんでしょう? |
須賀 |
ある程度は演出がありますけど、
それ以上は自分の作業ですね。
こういうことをやったらどうだろうとか、
ここまでやったらダメだったな、とか、
そのつど自分で考えながら。
そのへんが楽しい部分ですよね。 |
── |
ふ~ん、じゃあそういう過程はもう、
ものづくりの作業ですね。 |
須賀 |
あ、それはもう、そうですね。
完全にクリエイティブなものだ思います。
イメージの世界だから、
楽しいと同時に難しい。
自分のイメージと身体がシンクロしたときに、
いいものができると思うんですけどね。
自分のイマジネーションと、まわりの環境と、
気持ちと、身体と。
ぜんぶがいっしょになったとき、
すごくいい状態になるんですけど、
なかなか難しいですね。まだまだ未熟で(笑)。
|
── |
いい瞬間が訪れるのが醍醐味。 |
須賀 |
ありますね。まだね、ほんと、
年に1、2回くらいしか経験したことがなくて。 |
── |
あ、そうなんですか。 |
須賀 |
そういう状態になると、
どっかいっちゃうんですよね。
あんまり覚えてない。記憶にない。 |
── |
へええ~。 |
須賀 |
それを知っちゃうと、ヤバいですよね。
ちょっとハイな状態というか、
すっ飛んじゃうんですよね。 |
── |
それはアクションの場面にかぎらず。 |
須賀 |
ええ。気持ちの入るシーンで。
アクションの場面でもありますよ。
なんか、自然と身体が動くときがあるんですよ。
とっさの動きですべてがうまくいくことがある。
身体が反応するっていう感じです。
|
── |
スポーツのような。 |
須賀 |
そういう感覚だと思いますね。
心技体の充実というか。 |
── |
たいへんなお仕事ですね。
ゲームで徹夜とかできませんよね。
つぎの日の撮影に影響ありそうで。 |
須賀 |
そう。だから、あまりゲームを
やらないようにしてるところもあるんですよ。
ハマっちゃいそうだから(笑)。 |
── |
楽しみにしているゲームファンに
ひとことお願いします。 |
須賀 |
はい。年齢層を問わず、
楽しめるゲームだと思います。
いろんな要素があるから、
アクションゲームが好きな人にもいいし、
アメコミが好きな人も大好きだと思うし、
特撮好きの人にも絶対受けると思うし。
あと、操作自体はシンプルだから
女性でも楽しめるんじゃないかな。
盛りだくさんの内容だから、
どこか必ず自分のツボを
見つけられると思います。
そこを見つけて、
楽しんでくれればいいんじゃないかと思います。
|
── |
ありがとうございました。 |