#03 はじめてカメラを買うんですの巻 その3

今回の部員

「よし、GR買うぞって気になってきました!
 それもファインダーつきで!
 でも、わたしの写真、曲がるんですよねー」
「カメラを選ぶときの考え方、
 まったくわかってなかったですー」
「あのう、やっぱりわたしは
 一眼レフなんでしょうか」

講師

「人がちがえばカメラもかわりますよ」

司会

「GRよさそうだなあ。
 人がいいっていうと
 すぐほしくなっちゃうんだよなあ」
アロハ 調べてみたらGRはいま「II」になってるんですね。
みんなが使ってる初代とはちがうのかしら。
シェフ なにかよくなってるのかなあ。
菅原 じつはぼくは「II」を買ったんだけれど、
初代にもどしちゃいました。
これはね、好みの問題で、
ぼくは初代の色の感じが
好きなのですが、
冨田さんが買うなら「II」のほうが
いいと思いますよ。
 
アロハ 菅原さんは「II」は
いやなんですか。
菅原 いえ、一般的には「II」のほうが、
液晶画面が圧倒的にきれいだし、
解像感が上がっているんです。
ただ、ぼくには、少しばかり
絵柄が今どきふうになっているように思えて。
シェフ 絵柄?
菅原 絵が。絵作りっていうのかな。
シェフ 今どきふうっていうのは、
流行があるっていうことですか。
菅原 何となくありますね。
シェフ それは具体的に、
どういう感じなんですか。
菅原 具体的にいうと、解像感が高くて、
雰囲気よりも、くっきりすっきりで、
発色もどちらかっていうと派手やかに、
艶やかになっています。
ぼくはそれがちょっと好みではなくて、
初代GRのほうがいいなって。
シェフ そうか、それは好みですね。
菅原 僕が一番いいなと思うのは、
普通に写ってくれるカメラ。
それが一番好きなんですよ。
アロハ ウーン‥‥!
シェフ 冨ちゃんが、初代を中古で探して買うか
「II」を買うかで迷い始めましたよ。
菅原 中古でも出ているけど、
「II」の方がいいと思いますよ。
アロハ ハイ、わかりました。
あのう、菅原さん、
もうひとついいでしょうか。
菅原 どうぞ、どうぞ。
アロハ わたし、写真がゆがむんです。
 
シェフ そのことを、みんなから言われて
ゆがまないように撮るんだけど
やっぱりゆがむんだよね。
アロハ それをどうしたらいいかと思っていて。
あんまりみんなが言うんだもの。
菅原 あ、あのね、ゆがんでもいいです。
シェフ ええ〜?
アロハ ほんとに?(笑)
菅原 ゆがんでもいいんです。
仕事として問題がある場合は別ですけど、
デジタル写真なんだから、
あとで直せばいいじゃないですか。
シェフ ‥‥たぶん、仕事的に
ゆがんじゃダメってことはないよね。
菅原 じゃあ、曲がってもいいじゃない。
曲がってもいいです、それ。
冨田さん、それはまったく
気にすることじゃないんだよ。
アロハ あらっ!
シェフ 菅原さん、答え明快だよね。
アロハ じつは、あまり、
気にしてなかったんですけどね(笑)。
菅原 そうでしょう?
そうだと思いますよ。
シェフ 気にしてなかったの?! なかったんだ。
アロハ 気にしていないから
進歩してないんだと思うんですけど。
菅原 ただ、曲がってもいいんですけど、
さっき言ったような「目から、撮る対象まで
まっすぐの線を引く」っていうイメージを
ちょっと強く持ったら、
撮り方も変わると思いますよ。
アロハ ‥‥思ったこともなかったですー。
菅原 そうしたら曲がんなくなるかもしれないですよ。
シェフ 「曲げないようにしよう」じゃなくて、
「まっすぐ」って思うってことですね。
菅原 そう。僕なんか嫌なぐらい曲がんないんです。
嫌な性格だなと思いますよ。
そんな自分が嫌なんです。
一同 (笑)
菅原 しかもこの手のカメラ(コンパクトカメラ)って、
普通曲がるんですよ。ある程度。
シェフ 僕、ぜんぶ曲がりますよ。
とみちゃんほどじゃないけど、
微妙に、水平がとれてないです。
絶対、ちょっと「あれ?」って。
菅原 曲がりますよね。
シェフ 曲がる。
でも、曲がらないように撮ろうと思うと、
そればっかり考えててね、
楽しくもなんともないんです。
菅原 プロで有名なカメラマンのなかには
表現として曲げている人もいますけれどね。
シェフ へえ〜、技術でもう一回曲げているんだ!
でも、ぼくらはそんなことは
気にしなくてよさそうですね。
菅原 気にしなくていいですよ、それ。
シェフ 糸井さんの「気まぐれカメら」がGRで、
菅原さんのアドバイスで
ちょっと暗くしている(-0.3EV)んですよね。
GRって、そういう露出補正が
簡単にできるんですよね。
菅原 そうそう、簡単にできる。
僕もそうですけど、普段は常に-0.3EV。
単行本の書き下ろしのなかで、
携帯電話のカメラ機能のことを書いたんですけど、
それと同じように、人の顔を撮るときは
ちょっと明るめにしてあげたほうが、喜ばれる。
風景は逆に暗めにしたほうがいいですね。
シェフ 雰囲気が出る?
菅原 うん、きれいに見える。
アロハ へえ〜。
シェフ 冨ちゃんへのアドバイスは
これで大丈夫でしょうか。
貯金箱がね、まだたまってないんじゃ‥‥。
菅原 それが貯金箱なの?!
一同 (笑)
シェフ で、ずっとそこに、
カミラと呼ばれている
紙のカメラの模型を前に、目標をたてて
貯金に励んでいるんです。
菅原 あ、ほんとだ。GR貯金。
アロハ よ〜し!
 
(次回は小川編です!)
その2へ 最新のページへ その4へ
2008-04-14-MON