#07 はじめてカメラを買うんですの巻 その7

今回の部員

コウノ 「いよいよわたしの番です!
 しょうじきなところ、
 一眼レフは大きいし、
 かわいくない気がしてて、
 勧めていただいたけど
 どうしよう‥‥」
「わたしは、もう、スッキリです。
 週末に買いに行こうかな!」
「わたしも週末にカメラやに行きたーい。
 けど、貯金が、なーい!」

講師

「甲野さんが一眼レフを
 好きになってくれたらうれしいなあ。
 彼女、ぜったいその素質があると、
 僕はにらんでいるんです」

司会

「一眼レフのデジタルカメラ、いいなあ。
 ぼくはフイルムの一眼レフを持ってて、
 大好きなんだけど、いろいろたいへんで」
シェフ ええっと、菅原さんが甲野に勧めるのは
ちっちゃい一眼レフに
パンケーキをそえて。
まぁ、かわいい。
なんだか、おいしそう。
コウノ

あのう‥‥

シェフ すみません、ふざけました。
菅原さんはパンケーキレンズ、
とおっしゃったのでした。
菅原 (笑)パンケーキのように薄い
レンズのことを指すんです。
ちょうど新製品にね、
そういうのがあって。
 
シェフ オリンパスのサイトにありました。
50mm相当のZUIKO DIGITAL 25mm F2.8、
というレンズが「パンケーキ」だそうです。
コウノ

ごじゅうみりそうとう。

ずいこー。
えふにいてんはち。
さんにん わかりません!
シェフ すみません。
菅原 デジタルの一眼レフカメラのレンズは、
ボディとは別売りなので、
比較的自由に選ぶことができるんです。
ぼくは基本的には
単焦点のレンズを勧めたいのだけれど、
そのなかでも、50mmという画角は、
むかしから「標準レンズ」と呼ばれていてね。
シェフ 菅原さん、そのおはなしは、
連載のなかで書かれておられます。
第34回で。
菅原 そうだった、そうだった。
で、F値というのはレンズの明るさで。
シェフ そのあたりのことは
この回に。
菅原 そう(笑)、でね、
つまり、このレンズは
「ごくごくふつうのレンズ」で、
しかも、とっても薄いレンズだと
思ったらいいです。
コウノ はぁ‥‥
シェフ 菅原さん、いま調べたら、
オリンパスのそれのほかに
ペンタックスにも
21mmF3.2で、32mm相当のレンズがあります。
菅原 ちょっと広角気味で、
それもすごく使いやすいと思うよ。
単焦点だし。
単焦点ってことは、
わたしが買おうとしているGRと
同じようなことですよね。
菅原 そう! レンズの焦点距離が、固定されている、
ズームレンズじゃないレンズのこと。
小型の一眼レフカメラに、
単焦点の薄いパンケーキレンズは、
機能としても僕のお勧めですし、
かたちとしてもとてもきれいです。
コウノ

広角っていうのは
広い範囲を撮れるレンズってことですよね。

シェフ そう。
連載の35回にもあるよ。
コウノ

その、21mmが32mmになるとか、
25mmが50mmになるとかっていうのは
どういうことなんでしょう。

菅原 みんながよく知っているフイルムは
「35mmフイルム」といって、
ライカがつくった規格なんだけれど、
いままでの小型カメラは、それを基本に、
レンズも設計されていたわけです。
ところがデジタルになったとき、
フイルムのかわりに
CCDという、光をとらえて、
デジタル信号に変換する半導体が
つくられたんだけど、
これがいろんなサイズがあるわけ。
このあたりのことは詳しく話すと
ややこしくなっていくんだけど、
高級な一眼レフのなかには
大きなCCDをつかった
「フルサイズ」、つまり、
フイルムカメラと同じ画角で
撮れるデジタルカメラもあれば、
「1.5倍」「2倍」になってしまうカメラもある。
ということで、共通言語として
「フイルムカメラに換算すると」っていうことで
「何mm相当」っていうふうに表現するんです。
コウノ

わたしにおすすめしてくださっているカメラは
その「1.5倍」「2倍」みたいな感じなんですね。
わかりました。
それで、いま、(メモをみて)
オリンパスとペンタックスという
2つのメーカーの名前がでましたが、
この、ちがいはどう考えたらいいでしょう。

菅原 僕は甲野さんにはオリンパスがおすすめです。
コウノ

オリンパス。

菅原 オリンパスはね、顕微鏡をつくっている会社。
ペンタックスは、天体望遠鏡なんだよ。
シェフ おお! すごい違い!
菅原 オリンパスにはむかし、
OM1とかOM2っていうカメラがあって、
昆虫写真家の人たちとかみんな使っていたんです。
もともと近くを撮るのが得意。
コウノ

じゃあ、ペンタックスは、
遠くを撮るのが得意。

菅原 そういうことです。
でね、甲野さんには、
近くか遠くかということじゃなくて、
オリンパスの色調が合っていると思うんです。
フイルムカメラは、フイルムを変えれば
色調が変わったんだけれど、
デジタルカメラには画像エンジンというものが
組み込まれていて、そこが色を決めるので、
カメラを買うとそれが決まってしまう。
で、オリンパスはちょっとくせがあるけれど、
そのくせが、悪くないんですよ。
どんどん変わっているから
一概には言えないんだけれど、少し前の段階では、
オリンパスの色調は、
フイルムでいうとアグフアぽいというか。
コウノ

あぐふあ?

シェフ 菅原さん、それはわからないです。
菅原 あ、ごめんごめん(笑)。
アグフアという、もともとは19世紀からある
ヨーロッパの化学薬品メーカーが、
数年前まで、写真用のフイルムも
つくっていたんです。
それが、ちょっと濁りがあるんだけど、
独特のあたたかい色調なんです。
空がきれいに描ける。
それがオリンパスに近いなって。
もちろんペンタックスも
すばらしい描写だと思うけれど、
甲野さんにはオリンパスのほうが似合うと思うんだ。
そう、「似合う」「似合わない」
っていうことがあるから。カメラは。
まあ、絵づくりが、
ペンタックスは男性的、
オリンパスは女性的って
言い換えちゃってもいいかもしれないですね。
イメージですよ。
コウノ

ああ、ありがとうございますー。
なんだかうれしいです。

 
菅原 ですよね。
コウノ 照れちゃいました
で、一眼レフを買うとしますよね。
撮るの、たいへんじゃないでしょうか。
菅原 いや、いまは、オートフォーカスですし、
露出やシャッタースピードを
被写体や環境に応じて適正に設定する
プログラム(P)オートがありますから、
それにしておけば大丈夫ですよ。
そうすればフラッシュも光らないし。
コウノ ハイ、わかりました!
シェフ ということでみなさん、よろしいでしょうか。
さんにん ハーイ!
シェフ じゃあ、3人がカメラを買ったら、
また報告会をして、
菅原さんをおさそいして
半日撮影教室をひらきませんか。
このへんのお散歩でいいんで。
コウノ

ぜひ、行きたいです!

参加します!
たのしみにしてます!
菅原 お役にたてたかなあ。
またぜひ、ご一緒しましょう。
一同 ありがとうございました!
(これで「はじめてカメラを買うんですの巻」は
 終了です。次回のテーマをおたのしみに!)
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2008-04-18-FRI