「今回からまたテーマごとに いろいろお話しさせていただきます。 『ほぼ日』のみなさんの写真を参考に させていただこうと思います」 |
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「同じ機械なのに 持つ人がかわると写真も変わる。 おもしろいですねー」 |
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「じぶんのカメラをひとがもって いい写真を撮っていたりすると ちょっとクヤシイ気もします」 |
弊社に、あややという、 カメラをダンナさんに買ってもらったのに すぐ飽きて2回しか使わないもんだから、 取り上げられて、 ダンナの会社の備品になってしまった、 という、カメラに興味がないのがいるんですよ。 それがですね、弊社の山下が買った キヤノンのEOS KISS(一眼レフカメラ)に、 50mmの単焦点をつけた状態で渡したら、 いきなりノリノリで撮り始めて。 しかも、ものすごい距離まで近づいて、 バシャバシャ撮るんですよ。 その作例をいくつかごらんください。 ▲撮影:あやや |
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すごい(笑) | |
近づきすぎです。 よわります。 |
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この近づきすぎというのが この人の個性なのかなあ。 いっぽう。 |
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どうも、相手によっては 被写体に寄っていけない モギというのがおりまして。 |
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ほどほど近づくときもあれば。 ▲撮影:モギ |
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相手によっては、 とくに糸井さんには、いつも遠巻き。 ▲撮影:モギ |
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なるほど。 | |
この違いって、 なんなんだろうなー。と。 |
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ちなみにモギが使っているカメラは GRデジタルです。 |
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そうだね、これは、 一眼レフと、広角単焦点カメラの 違いが、まず、よく出ていますよね。 一目瞭然なのは、背景。 GRは、すみずみまで、 全部ピントが合ってますね。 ▲撮影:モギ(GRデジタル) |
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背景、ピント合ってます。 | |
こっち、合ってませんよね。 ▲撮影:あやや(EOS KISS) |
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合ってないですね。 | |
背景がぼんやりしているぶん、 人の顔が引き立つっていうのもありますよね。 |
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ああ〜。 | |
けれど、逆に言うとね、 その分空気が、気配が写ってない。 そういうふうにも言えるわけです。 けど、もぎさんのほうは気配が写っている。 会社の感じであるとか。 |
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なるほど〜。 | |
そんな風に解釈したら、 どっちがいい写真かっていうことでは なくなりますよね。 どちらも個性がある。 |
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そして、モギが、 「どうしても近づけない」って 思いこんでるだけということですかね。 |
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たしかに近づけてないのも あるのかもしれないですけど、 まずカメラの違いがすごく大きいと思います。 一眼レフとGRのようなカメラの 一番の違いっていうのは、 一眼レフはこう見るんですよ。 |
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ええと今、指をさして突き刺す形をしました。 | |
で、GRは、 こう見るんですよ。 |
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集音機のように、気配を自分に引き寄せる感じに 表現なさいました。 |
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はい(笑)。 その違いですよ。 |
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そっか。モギは、 自分はそのものを撮ろうと思って、 「えいや!」って行ってるんだけど、 カメラが捕らえるものは、 広い範囲からまんべんなく受け取っているので、 自分が思った感じが そこに入ってないような気がしちゃうんじゃない? |
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うん、うん、うん。 | |
そのかわり、周りの、 モギさんがたぶん撮ったときには 気がついていなかった、 周辺の感じっていうのが 写っているわけですよ。 |
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人がこう、ワイワイって感じだとか。 ▲撮影:モギ |
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そうですね。この周辺の人なんか、 たぶん見えてないはずなんですよ。 撮っているときには。 |
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ああ、見えてないでしょうね。 | |
撮っているときは糸井さんだけ見ていて、 | |
だけど、見えていないはずのものも、 入ってくるんです。 それでいいんです。 |
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これでいいんだ。 | |
いいんだ! | |
うん、いいんです。 それはそれでいいんですよ。 写真の偶然じゃないですか。 |
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あの、今思ったんですけど、 モギの撮った写真を載せると、 読者から、そのものへの反応とともに、 「ここに写っているあれはなんですか?」って 意図とちがう質問をよくいただくんですよ。 |
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そうでしょうね。 それと比べて、 あややさんの写真はね、 主題がはっきりしているわけですよ。 |
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この人が撮ると、 みんな困りつつ嬉しそうみたいな、 なんかね、この人だけなんですよ、 こういう写真撮るのは。 |
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ほお〜。そういう人いますよね。 ぼくから見ても、羨ましいですね。 |
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弊社内で「無遠慮カメラマン」と呼ばれてます。 | |
羨ましいです、そういう人。 | |
ちょっと面白いのは、 そんなあややにも 「この人は少し怖い」 という気持ちがあるらしくて(笑)、 たとえばほら、永田を撮った写真は。 ▲撮影:あやや |
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ああ、なるほど。 | |
棚の手前から撮ったりして。 でも遠慮のない人には、 こうなんです。 ▲撮影:あやや |
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負けてるよ。 | |
もうぶつかりそうな距離にくるんで、 怖いんですね、ちょっと。 で、闘おうとするんですよ。 でも最後、負けます。 |
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(笑) | |
でもね、はたから見ると、 あやちゃんと山下さんの関係が出てるし、 心の距離が写っているのかな、 ぼくは好きですよ。 |
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そうでしょうね。 なんかそれも才能なんだよね。 ぼくはそれがあんまり得意じゃないんですけど、 わりとこう、スルスルスルって、 気がついたときには目の前にいて、 「あっ!」みたいな人、いるじゃないですか。 そういう人なんでしょうね。 |
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だからあややには、 「一眼レフ、買いなよ」って勧めてるんだけど、 ダンナに「どうせすぐ飽きるんだから、 もう、買っちゃだめ」って釘を刺されてるらしいです。 |
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いや、大丈夫ですよ。 ぜひ挑戦してください。 人にマネのできないことだしね。 |
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(次回、#12 向こうから近寄ってくる写真とは? に、つづきます!) |