「きょうはぼくが生徒。シェフが先生」 | |
「えへん、お教えしましょう‥‥って、 そんなわけないでしょう!」 |
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「前回、せがれの写真で反省しましたので きょうはおとなしく聞く側でおります」 |
ということでほんじつは おいしそうな写真を撮る シェフさんを講師にお迎えしています。 |
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菅原さん、司会はぼくです! | |||
シェフはたしかに 料理をおいしそうに撮りますよねえ。 なにかコツがあるにちがいないと ぼくも感じているのです。 |
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そんなこと言われても コツってわかんないんですよ。 こまったなあ。 |
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じつは読者部員のみなさまからも 料理写真については いくつか質問をいただいておりまして。 たとえばこちら。 |
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それから、こちら。 | |||
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さらにはこちらも。 |
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整理しますと、 ◎料理や接写に向いたカメラは? ◎フラッシュを使わずに 料理をとるときのポイントは? ということになりますね。 |
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じゃあぼくからシェフに質問です。 料理を撮るとき使ってるカメラは? |
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いちばん使ってるのは 「CONTAX SL300RT*」っていう 京セラのもう4年以上前の ちっちゃなデジタルカメラです。 あと最近買った携帯電話の 「SO905iCS」も このごろ使うようになりました。 |
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サンプルを、見てみましょう。 ▲撮影:シェフ「おいしい家のとりもも」(CONTAX SL300RT*) ▲撮影:シェフ「おいしい店のとりもも」(SO905iCS) |
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うわははは、おいしそうだね(笑)。 ともに、自然光のもとで、 フラッシュは使わずに撮ってるよね。 |
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はい、そうです。 近寄るので「マクロモード」には しているかと思います。 |
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おいしそうです。 しかも、なんですか、 1枚目は、自炊ですか。 |
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自炊歴もかれこれ24年です。 そんなことはいいじゃないですか。 |
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シェフが食べものを撮るときに 気をつけていることがあるはずなんだよ。 それはなんだろうね。 |
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菅原さん、ぜんぶ答えがわかってて 訊いてるでしょう。 |
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もちろんわかってます(笑)。 まず、これ、一眼レフじゃないよね。 1枚目はコンパクトタイプの デジタルカメラで、 それも画素数300万という、 ひとむかし前のものです。 2枚目は最新機種だけど でも携帯電話のカメラ機能だよね。 ということは‥‥。 |
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カメラが問題ではない。 一眼レフである必要は ないってことですね。 |
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ただ、このカメラがおいしそうに撮るのに いいなあと思って選んではいるんですよ。 仕上がりの色あいもいいですし、 レストランに持って行っても目立たない カメラの大きさというのもありますし。 ぼくも、ほんとうは一眼レフに 明るいレンズをつけて撮るのが いちばんいいと思ってます。 でもそれって仕事でもないかぎり、 不自然だからなあと思ってて。 |
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一眼レフで撮ったこともあるんですか。 | |||
ありますー。 これとか、そうです。 ▲撮影:シェフ「おいしいカニ」 ▲撮影:シェフ「おいしいハム」 |
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これはデジタルではなく、 CONTAXという、いまはもうない フイルムの一眼レフカメラに 50mm単焦点のレンズをつけて、撮りました。 カニは、およばれで、 中華料理店の個室に行くことになったので 遠慮なく一眼レフを持っていきました。 ほかのお客さんの迷惑にならないから。 ほねつきハムは、ともだちの家です。 |
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こりゃあまたいちだんと‥‥。 | |||
じぶんでいうのもなんだけど、 うまそうだよねえ。 |
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答えというか、ほんとだったら、 料理を撮るなら 一眼レフの方が撮りやすいですね。 雑誌などの「おいしそう」な料理写真も ほとんど一眼レフで撮られているように思います。 ただその場合は、 料理も撮影のために最高の状態で、 しかも照明によって、 それを際立たせるわけです。 |
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「ほぼ日」のおいしそうなページといえば 「LIFE」ですが これもカメラマンの大江弘之さんが ニコンのでっかい一眼レフで がっしゃんがっしゃん撮影なさっておられます。 で、いいなー、ああいう写真が撮れたらなあ、 って思うんですが、 あの大きいカメラをふだん用にするのは むずかしいなあと思うんですよ。 |
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一眼レフはお仕事でもないかぎり レストランでは使いづらいですよね。 見た目もおおげさだし、音だって大きいし。 だからコンパクトデジタルカメラで そっと撮りたいところだけど、 さあそのときはどうしましょう、 という話だよね。 |
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ちなみに、弊社スガノが使っているのと 同じ、EPSONの「RD-1」という レンジファインダーのデジタルカメラを ひとに借りて、使ったこともあります。 ▲撮影:シェフ「おいしいスパゲッティ」 |
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おいしそうです。 しかし、なんというか、そのう、 「これ一人で食べてるんですか」とか、 「そもそもここ、どこだろう」とか、 食べものそのものではないことを 考えたくなってしまうのですが。 |
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山下さん、いいことをおっしゃいました。 | |||
はっ?! | |||
レンジファインダーのカメラって 風景や人のすがた、その雰囲気を うつすのに向いているカメラなんですよ。 そもそも、カメラとレンズの構造上、 近くに寄れないんですね。 だから、この写真も、 料理がどうとかいうことより これを撮影したときは どんな感じだったんだろうとか どんな場所なんだろう、 どんな気持ちなんだろう、ということを 考えたくなってしまうのかもしれないですね。 |
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これは年末年始にパリにひとり旅をしたさい、 キッチンつきの宿に泊まりまして、 スーパーで買ってきた食材でつくった 旅の最初の朝ごはんです。 どうです、おしゃれでしょう。 |
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‥‥おしゃれかもしれないですが、 ぼくはそれより 「さびしさ」みたいなものを ひしひしとかんじています。 |
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‥‥そりゃさびしいよ。 ひとりだもん。 でもそのさびしさがいいんだよ。 |
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そういうのが写っちゃってるんですよ。 おもしろいよね。 |
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話がひろがってまいりました。 そろそろ明解な答えを みちびきだしたいのですが! |
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それは長くなりましたので次回に。 | |||
答えはもう出てますよ(笑)。 | |||
はぁーっ! | |||
(次回につづきます!) |