読者からの質問の巻 その4

講師

「あけましておめでとうございます。
 2009年もどうぞよろしくおねがいします。
 いい年にしましょうね」

司会

「はい、よろしくおねがいいたしますー」
もう松の内も過ぎましたが、
あけましておめでとうございます。
おめでとうございます。
ことしもよろしくお願いします。
時々思い出したように更新している
このコンテンツですけれど、
ことしもゆるゆるとすすめてまいります。
年末年始は、写真は撮りましたか。
は‥‥、初詣のときにちょこっと。
あとは、「どうぶつの森」でですね。
???
写真が撮れるんですよ。
ええと、それはゲームですよね。
ゲームの中のキャラクターが写真を撮る?
いえ、正確にはキャプチャーですね。
ゲーム全体の画面を保存して
SDカードに残せるんです。
このゲームは実時間どおりに
ゲームのなかの時間が過ぎていくんで、
そのキャプチャーの感覚は
じっさいに写真を撮るときの気持ちに
すごく近いんですよ。
なるほどね。
村には、どうぶつのともだちがいて、
あと、たまに訪れてくれる仲間がいて、
いろんなイベントが起こるんです。
それを、いちおう撮っとくか、
という気持ちで撮るものと
これは撮っておきたい!
残しておきたい!
と思って撮るものとでは、
やっぱり、ちょっと違いがある気がして。
それがすごく、カメラを持った気持ちに
近いんです。
それをあとから見るのも、
また楽しくて。
「こころ」の部分というのかな。
‥‥じつは、読者のかたからも
そんな質問をいただいています。
どうぶつの森で?
いえ、実・カメラ人生で。
読みますね。
しつもん

菅原さんの連載を読んで、
写真を撮り始めました。
歩いていて「うわぁ〜、きれいだな〜」
と思って写真を撮るのですが、
撮り終えてから直ぐに確認してみると、
今イチなんです。
アングルや距離を変えて
また同じ風景を撮るのですが、
自分の目で見ている景色の方が
写真の中より断然美しいのです。
ファンダーから覗いているものは美しく見え、
「これはいい写真になるぞ」
と思って挑むのですが、結果にがっがりします。
かと思うと、何気なく撮ったものが
意外に写真としてよく撮れていたりします。
何故なんでしょう。
(いちこ

ということです。
すごく簡単、これ。
すぐ直ります、これ。
え。何ですか。
何がいけないんですか。
「撮ってすぐ見てる」のが
一番よくないです、いちこさん。
へぇ〜!
撮ってすぐ見てるのが一番悪い。
だから、失敗の仕方が小さいんですよ。
はぁ〜‥‥
撮ってすぐ見ると、
ちょっと失敗するごとに
気が付くじゃないですか。
直すじゃないですか。
直してるつもりになる。
でも、どんどん悪くなってってるはずですよ。
だって、最初、
「あっ」って思って撮ってるのが、
「違う」と思って撮り直したら、
もう次は最初に感じた「あっ」じゃない。
「あっ」に近づこうとしてるわけだから、
もう「あっ」そのものじゃないんですよ。
どんどん離れて行っちゃう。
なるほどー。
だから、撮ってすぐ見ないことです。
ぼくのまわりにいるプロの若い子たちにも
同じことを言うんです。
デジタルカメラって液晶モニタがついているから
撮りながら見るじゃない?
「やめろ、プロだろ」って。
「そんなんでいい写真が
 撮れるわけがないだろう」って。
へぇ〜。
菅原さん、プロの若い子に厳しい。
それはそうだよ(笑)。
でもね、みんな同じです。
だから、失敗が小さいんですよ。
ところが撮りながら見ないでおいて、
家に帰ってから見て失敗に気づきますよね。
その失敗は取り返しが付かない。
大きい失敗になるじゃないですか。
「うわぁ‥‥!」って。
そういう失敗が大事なんですね。
大事なんですよ。
で、「この間、ああやってやった時には、
こんなんなっちゃったんだよな」って思うのは、
ちゃんと残るじゃないですか。
それに尽きると思うんですよ。
なるほど。
その系統の質問がもうひとつあるんです。
しつもん

いつも楽しく拝見させていただいております。
写真の「枚数」についての質問なのですが、
やはり、良い写真を撮るためには、
枚数を沢山撮ることは必要でしょうか?
僕自身、一時に撮る写真の枚数は
あまり多くありません。
そこで、意識して短時間に
沢山撮るようにした時もあるのですが、
逆に気に入った写真は
少なくなってしまったりして、
ガッカリ‥‥ということもあります。
ざっくばらんな質問で、すいません。
よろしくお願いいたします。
(わくふみ

ということです。
少ない枚数を決め打ちするか、
たくさん撮るか、ということですね。
たくさん撮ったほうがいいです。
もう、やたらめったら撮っていいですか?
いや、闇雲にたくさん撮るのは
意味がないと思うんですよね。
何て言うんですかね、
ただパッパッパッパ、
枚数を撮るっていうことと、
たくさん写真を撮るっていうことは
全然違うことですよ。
ふむふむ‥‥。その心は。
写真を撮るっていうのは、
見て「あっ」っと思って撮るじゃないですか。
「あっ」っと思う回数は
いっぱいあったほうがいいと思うんですよ。
じゃあ、1回の「あっ」に対して、
「撮る、撮る、撮る、撮る」はだめ?
そういうことです。
「あっ」パシャ、「あっ」パシャ、
「あっ」パシャ、みたいなのはOK。
「あっ」があればいいんですね。
そうです。だから、
上から撮ったり横から撮ったり何したりって、
それはいっぱい撮ることではありませんよ。
バババババって撮ったりするのは、
デジタルカメラになってからすごく多いですけど、
わりとどんなカメラでも連写機能があるから。
Cモード。コンティニュアスモードですね。
それでただいっぱい撮るっていうのは、
あんまり意味がないですよ。
でも、アングル変えるのは、
いいんじゃないですか。
例えばお茶のうつわを撮るんでも、
「これじゃ中のお茶が見えないから
 もうちょっとこうしよう」
とかっていうのはいいんですよね?
そうですね。そこに、
見ながら発見があればいいですよ。
わくふみさんが、ちょっともしかしたら
間違ってるのかもしれないなと思うのは、
「いい写真」を撮ろうとしてるような
気がするんですよ。
でもね、「いい写真」を
まず撮ろうとしないことですよね。
「いい写真」を撮ろうとしてると、
どんどんいい写真じゃなくなってっちゃうと思う。
それよりも、「あっ」っていう写真を
いっぱい撮っていくほうがいいと思います。
自分が何か思った時にシャッターを切る、
っていう瞬間を増やしていくと、
結果的に、いい写真が生まれる
確率が高くなりますよ。
そうですね。そして、最初の質問との
組み合わせで言うと、
液晶画面をすぐ見ない、と。
そうです。
ちょっと反省しちゃいます。
液晶画面があると見ちゃいますからねえ。
それにデジタルカメラになってから、
「とりあえず撮っとこう」って
撮る枚数は増えました。
フイルムのときは、1シャッター100円だぞ、
なんて思ってたから、
そうそうシャッターは押せなかったのに。

ということで今回はここまでに。
次回も、ちょっと「心」よりの
質問をつづけさせていただきますねー。
はい、よろしくおねがいします。
(その5に続きます!)
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2009-01-09-FRI