これぞ正真正銘のライフワーク、 グラビアンに恩返し。



当初の予定ですと、47回(つまり今日)で
恩返しは終わりのはずですが、
先日お伝えしましたように、
少しだけ延長をいたします。
記念すべきみうらさんの現在の年齢をきざむ
「恩返しその47」は、グラビアンです。
本日は敬老の日でございまして、
一家団欒をたのしんでいらっしゃるみなさまに、
みうらさんのエロスクラップの話をお届けします。
時代時代、一瞬一瞬を刻むグラビアは、
せつないですね。









そうです。グラビアのよさは、
せつなさなんですよ。
男が憧れてきた女体は、
最後には朽ち果てるわけです。
日本の神話にも、
「黄泉の国に妻を迎えに行ったが
 腐乱していて逃げ帰った話」
も、ありますでしょう。
そういうもんだぞ、
ということを、
いまの時代はグラビアが教えているんですよ。




色即是空を教えてくれるのもグラビア、
そして、自由、自立を教えてくれるのも
グラビアですね。





親からの自立、という言葉の響きは
きれいですよ。
でも、みなさん、ちがいますね?
おわかりですね?
まず最初に男が描く自由は、
ありったけのグラビアの前で
ありったけの‥‥ね?
わかるでしょう?
誰の気兼ねもせず、したい。
それがフリーダムなんです。
見ますか! グラビア満載の
エロスクラップ第178巻。






うっ‥‥ちょっと見慣れていないので
一瞬インパクトが強いですが、
ひゃー、きれいな人ばっかり。
さすがはみうらさん、すごいレイアウト力です!




デザイナーも自分だし、編集長も自分ですからね。
ほら、そのページなんか、
水着の色を合わせてあるし。




ページごとに、
顔が似ている人が集めてありますね。
このエロスクラップは、
つくりはじめてから今年で26年。
一昨日でついに178冊めに到達なさったそうです。







これ、僕が死んだら
どこにいくんですかね?





‥‥黙っていたら、
遺族は捨てると思います。





でしょ?




博物館に寄贈されてはいかがでしょうか。





以前、荒俣宏さんがいらっしゃったときに
このスクラップを見せたら、
「博物史だ!!」
とおっしゃったので
「ほんとうにそうですね?」と念を押して



「じゃあ、僕が死んだら荒俣さんに寄贈しますよ」
と言ったんだけど、よく考えたら
荒俣さんのほうが10以上も年上なんだよ。
ダメじゃん!




はははは。
この情熱は、衰えることはないんですか?





それが、衰えないんですよ。
エッチなことは衰えているんですが、
きっとぜんぶがこっち(スクラップ)に
いっちゃったんでしょうね。



エッチなことはあまりしたくないんだけど、
これがしたくて
しょうがないんですよ。

いまが178巻ということは、
完全に、年内に200巻は、いきます。





100巻のときには
記念イベントをなさいましたので、
200巻でも、やりましょうか。





いや、次に何かをするのなら500巻だな。




ご、500。





500は、死ぬまでには必ずいくと思います。
つまり、僕は、ライフワークを見つけたんですよ。
僕はいろんなことをしてきたけれども、
これがいちばんの偉業だと思う。
これがいちばん、がんばってると思う。



26年間って、長いですよ?
タダでやることで、こんなに長く続けていて、
しかも、確実にもてないじゃん?
DTパワーがまた、再燃してきたんですよ、最近。
よく見てみてくださいよ、
かなりの奇行ぶりだよ。




(おそるおそるパラパラパラ)
‥‥現代の奇書ですね。
でもたしかに、26年間の、
水着の移り変わりもわかりますし、
どんなものがエッチな写真として成立していたのか、
むかしといまとではちがうこともわかります。





あと200年後くらいの人が
このスクラップを、ゴッソリ500冊、
発掘してくれるかもしれないね。
「こいつはアホだ××××だ。ここに○○○○がいる!」
きっと、未来人はびっくりすると思う。




200年後、みうらさんのエロスクラップが
どこかに残っていてほしい。
このページをお読みのみなさん、
わたしたちの心はいま、ひとつになりました。
選挙も終わった日本でございますが、
みうらさんの30秒制限のお願いメッセージ
どうぞごらんになってください。
そして、一館お持ちの方、メールをお待ちしています。
自分の集めたネタでわかした風呂に入った
せつない思い出にはじまり
(くわしくは動画をごらんください)
ライフワークを授けてくれたグラビアンに、
みうらさんの47個めの恩返しでした。





タレントで女優の乙葉(おとは)さんは、
グラビア界のアイドル。
2005年5月、タレントの藤井隆さんと婚約。
みうらさんは乙葉さんのデビュー間もないころからのファン。


グラビアン
雑誌のグラビアを飾る人たちのこと。
グラビアとは、もともと印刷手法のひとつを指す言葉。
美術的なポスターやカタログに利用されることから、
雑誌のピンナップの類いをそう呼ぶようになったと思われる。

荒俣宏(あらまた・ひろし)
1947年生まれの作家、翻訳家。
博物学、神秘学などジャンルを越えた執筆活動を展開。
「帝都物語」で第8回日本SF大賞を受賞。
テレビ番組にも多数出演している。

ラストに近づいてきましたので
おたよりコーナー
ぼにちわ。
みうらさんのコーナー、いつも楽しみにしています。
色々なものを収集しているみうらさんのものを
収集している私は一体何だ?と
ときどき感じますが‥‥。
そろそろこのコーナー、DVDとかになりませんか?
楽しみにしています。
(福岡県 けい) (ゆうこ)
みうらじゅん記念館の
館長になってください。(みうら)

はみうらじゅんさんが好きな25歳女子です。
どのコンテンツよりも先に
この「じゅんの恩返し」の更新があるか、
確認しています。
動画は仕事場では見ることができないので
更新日にはピューっとお家に帰って見ています。
「恩返し」ぜひDVD化してほしいです。
(やすこ)
ピューと帰れる距離に家があることは
いいですね。(みうら)

まりました。最高です。
ぜひ、「収録の模様完全版DVD」の販売を
検討していただきたいです。
(誠司)
DVD化をご希望くださるみなさんの声‥‥
みうらさん、どうしましょう?(ほぼ日)
すればいいじゃないですか、
何だって。(みうら)


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2005-09-19 MON
(c) Hobo Nikkan Itoi Shinbun 2005