BUSINESS
恋はハートで。仕事はマジで!

第3回
日本企業の社内慣習には、必ず意味がある。
それを強制することがダメなだけ。

  • 制服

    なぜ女性社員にのみ制服があるのか?
    それはおそらく、女性の仕事のほうが
    よりオペレーショナルであるという思い込みと、
    なおかつ会社に都合よくコントロールできるように
    しておこうという意志からで あろう。

    これは明らかに男尊女卑の考え方の現れであり、
    雇用機会均等の考え方にも反した
    旧態依然とした仕組みである。

    あるクライアント先でのできごと。
    ある日をもって女性社員の制服が廃止された。
    正確にいうと「制服でなくてもよく」なった。
    で、どうなったかというと、
    初めはみんな競って「これみよがし」に着飾ったが、
    1〜2カ月たつと、制服に戻す社員も出はじめたのだ。

    彼女達にしてみれば、
    「やっぱり制服のほうが仕事しやすい」
    「よく考えたら、社内で誰に見せるわけでもないし、
    通勤途中さえ私服だったらそれでいい」という意見。
    しかし、その一方で「仕事中も着飾りたい」
    「服が好きだから」という私服賛成派もいた。

    「仕事の効率を上げる」ことを目的として定義した場合、
    その答えは「一律対応」ではなく、
    「個人ごとの最適化」なのだろう。
    制服はよくない、という一律の反応もまた問題なのである 。

  • ラジオ体操

    いまだに午後3時のラジオ体操を
    強要している会社が存在している。
    こう書くと「うちの会社はまだそうなんだけど……」と
    心配になる読者の方も多いかと思う。
    しかし、ご心配なく。あなたの会社だけではない。
    正確に調査をしたわけではないが、
    私の印象では、日本企業の3社に1社は
    やっているという感じだろうか。

    一見ムダそうに見えるラジオ体操。
    起源は定かではないが、まったく立派なアイデアだと思う。
    デスクワークで固まりきった身体をほぐし、
    仕事の効率を上げ、残業をなくす。
    アフター5の自分の時間を確実に射止めるためには、
    ラジオ体操しかない、と言っても過言ではないのである。

    はたしてなぜにラジオ体操は評判がわるいのか。
    それは「格好悪さ」と「強要への嫌悪感」ではないか。
    3時になると同時に、刑務所のようにみんな一斉にやる。
    しかも、嫌いなオヤジと一緒にやるという
    格好悪さは何とかしたい。
    また、体調や気分で「やりたくない」日もあるわけで、
    そのflexibilityのなさが、嫌悪感になるのだ。

    こうしたボトルネックさえ除去できれば、
    ラジオ体操、これほどよい仕組みはないのでは、と思う。
    (次回につづく)
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    >にゃーるほどねぇ。
    ぼくは会社に入れてもらえなかった人間なので
    知らなかった世界なのですが、
    そういう立場の人からみると、
    「制服」とか「ラジオ体操」とかが、
    なんつーかエキゾチック?に見えて、
    すこし憧れちゃうんです。
    「茶道部例会」の貼り紙とか、「なし狩り旅行会」とか、
    会社が大きいってことのひとつの表れですよね。
    ぼくの知り合いが、某家電メーカーにいたときの話。
    「マドンナのCMが当たっちゃってね。
    『ライカヴァージン』にあわせて、
    庭で踊るんですよ、みんなで。
    部長とかも、“処女みたいに”って
    歌にあわせてヒューですよ」
    ( darling )
  • 1998-06-21-SUN

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