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生活ベンチマーキング

一体自分は日本国民の中で
どういう位置付けで生活しているのか、
などということを考えたりはしまいか。
簡単な指標は、収入だとか、家族の人数とか、
学生のときなら模擬試験の順位とか、
そんなものがあるのだろう。
しかし、私が興味あるのは、そんなものではない。

「一体自分の日常生活における時間の使い方は、
 日本国民のうちどういう部類に属しているのか」

について著しく興味がある。
一見みな同じような
生活様式をとっているように見えるのが日本国民だ。
しかし、果たしてそうだろうか。
昼飯を食う場所とか、一ヶ月に洋服に費やす金額とか、
休日の過ごし方とか、そんなことが気になってならない。
要は、自分の人生は人間として損しているのではないか
(=足りないところがあるのではないか)と考えるのだ。
こういうと、必ず
「損得勘定で生きるのなんてせせこましい」
などと言う人がいるが、
もし本当に心の底からそう思うのであれば、
汗水たらして稼いだ給料を、
自分が食うためのものを除いて交通事故遺児基金などに
即全額寄付すべきである。スーパーマーケットでは、
買うものを選んだ挙句、
必ず最も価格対価値が低いものを買うべきである。
そうすれば、それを生産し販売している企業に得をさせ、
自分が損をすることが容易に可能である。
企業戦略を策定するときによく行う分析で
「競合ベンチマーキング」というのがある。
自分の会社はこういうやり方がよいと思ってやっているが、
それは果たして世の中の平均と比べると
どういう位置付けなのか、
ということを他社と比較するのである。
丁度こんな感じだろうか。
自分があとどれくらい生きるのかわからないが、
死のその瞬間までに少しでも価値を叩きだしておきたい、
と思うのが人間であるはずだ。
もしそう思わないならもうそれは生きる屍としか
言いようがない。
生き物として「失格」である。
単に興味本位でもよい。「自分の位置」を確かめるべきだ。
それが全ての生活に潤いを与えることになる。
但し、人間の生活は決して「ゼロサムゲーム」ではない。
一定のパイを競って、
他者を叩き、引きずりおろすゲームではないのだ。
「椅子取りゲーム」でははい、
と言ったほうがピンとくるかもしれない。
椅子がなければ自分で作ればいい。
そんな営みが「生活」だ。
自分の現在位置に応じて、
自分が居たい「位置」を勝ち取るために努力し苦労し、
そして喜ぶのであろう。
恐らく
「人生はゼロサムゲームであり、
 限られた幸せを皆で取り合うのだ」と
思っている人には、
こういう考え方は絶対にできないだろう。
できたとしたら、
それこそ
「人の事を気にして生きる、せせこましい人間」だ。
他人と比較する目的は、他人を蹴落とし自分が上にいく、
ことではなく、
他人と比べて自分に足りないところを発見し、
それを自分の努力で埋めていくことなのである。
生活ベンチマーキングが、
皆の人生に与えるプラスのインパクトは甚い。

2001-03-31-SAT

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