恋はハートで。仕事はマジで! |
若人の淡い夢 別にとてもネガティブな人間に なってしまった訳ではないが、 最近、何を見ても成功しそうには思えない。 一連の報復活動もそうだし、 ヤクルトの日本一もそう、何でもダメになる理由のほうが 先に思い浮かぶ。 「慎重な人なんですね」といわれると腹がたつ。 「うまくいかない」と思うだけで、 だからといって「やらない」訳ではない。 大抵の人は「うまくいく」と思っても「やらない」が。 2,3年前からちょっと前まで、 E-ビジネスに若人が燃えた。 E-ビジネス自体は、世の中を変えたし、 今も今後も変えつづけていくことは間違いない。 しかし、若人の夢の殆どは打ち砕かれた。 「ビジネスモデルがよくなかったんだね」とか 「儲ける仕組みがなってないよ」なんて、 ぐだぐだ言ってるやつら、よう聞けよ。 私はコンサルタントをやっているから、 事業に成功した人によく出会うし、話をきくことも多い。 殆どの人は、 「これで18個目の事業です」とか 「いや、適当にやってたらここまで来ました」である。 「事業とは、1%の戦略と、99%の勘と経験である」、 というのが私の結論だ。 経営戦略コンサルタントとして念のため言っておくと、 戦略は1%であっても非常に重要であり、 0%だと間違いなく失敗する。 しかし、経験は戦略では補えない。 今日中に下さなくてはならない意思決定に、 2、3ヶ月かけて練る戦略は何の意味ももたない。 過去の経験則のみが物を言う世界だ。 私が属するコンサルティング会社は、 「輩出する人材に優れた経営者が多い」とか、 「経営者養成所のようだ」といって、 マスコミ・メディアに取り上げられることが多い。 しかし、前者は事実であるが、 後者は、先ほどの私の結論からすると、甚だ疑わしい。 これはそのコンサルティング会社が悪いのではない。 コンサルタントと経営者は別ものであるし、 必要な能力は、重なる部分はあるものの、 決定的なところでかなり食い違う。 私の会社の出身者に優れた経営者が多いのは、 コンサルタント時代に能力を磨いたからではなく、 「もともと事業の勘のある優秀な人」 が多く入社されるからに他ならない。 そういう意味で優れたコンサルティング会社だとは思う。 若人の夢はもろくも砕け散ったわけであるが、 何度も何度もトライするべきであろう。 能力のある若人なら、経験を積めば積むほど、 事業の成功確率はどんどん高くなっていくはずだ。 そして、やはり「失敗は成功のもと」である。 これは不朽の真実だ。 できるかぎり「うまくいかないのではないか」という ネガティブマインドで、 しかし大胆に「やってみる」ことが大切だろう。 「うまくいくと信ずれば必ずうまくいく。 成功をイメージすることが大事だ」という人がいる。 これも実はまた真実。 しかしながら、「事業」にはあてはまらない。 事業は失敗しないと話にならないからだ。 毎回失敗して、その中から消去法的に失敗する箇所を 減らしていくタイプのゲームである。 成功のイメージを持ちつづけることで 成功を実現する人も確かに沢山いて、 色んな分野でよく知っているが、 彼らは明らかに「勝ち」続けている人たちである。 しかし、これは、山のような失敗のために モチベーションが殺がれながらも、 徐々に成功に近づいていくことが必要である 「事業の世界」ではありえない。 ちなみに、私は事業というものに全く興味がない。 ゲームのルールがあまりにも単純だからだ。 何しろ格好が悪い。 |
2001-10-12-FRI
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