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マイノリティ・アドバンテッジ


「マイノリティであると得をする」


これは私の生活の根底を流れる考え方であり、
マーケティングを語る上でも
私が最も大切にするコンセプトである。


何につけてもマイナー路線である。
音楽は「マイナーなら何でもいい」的に思い、
古レコード屋では見たことないLPばかりを
漁っていた時期もあった。


所有している車には1台として普通のものはない。
恐らくは誰も欲しくはないような車ばかりだ。


とにかく人と違う状態でないと落ち着かない。
そうでないと、
ただただ「損」をしているような気がして
ならないのだ。


ロジックは非常に単純である。
「マイノリティであれば、
人数が少ない分取り分が多いはず」
ということに他ならない。


マジョリティである限り、
いくら努力してどんなにうまくいったところで、
一人あたりが享受できる報いは限定的である。


しかしながらマイノリティでいるためには
相応の努力と苦しみが伴うということも
承知しなくてはならない。


別の言い方をすれば、頑張りたくないのであれば
マジョリティでいたほうがいいが、
もし一生懸命やるつもりなら
マイノリティでいた方が見返りが大きい
ということかもしれない。


この話をビジネスマンの働き方に照らして考えてみると面白い。


大企業で働くことは決して悪いことではない。
組織は大きければ大きいほど人材の数も多く、
優秀な人間と出会える可能性が高い。


自分が成長したければ、
優秀な人材と一緒に仕事をする以外に方法はない。
人間の成長というものは
教科書に書いてある通りにすれば
実現できるものではないし、
またその方法を再現性のある形に
コーディングすることは不可能に近い。


自分が目指す人物像(ロールモデル)に
合う人のそばにいて
実際に一緒に仕事をしてみなければ、
どうやったらその目指すべき姿になれるかは
わからないものである。
目指す姿が同じでも、そこに到達する方法、
道筋は人によって大きく異なる。


こうして見ると、やはり、
大企業に属して目指すべき人物を組織内で探して
何とかその人の側にい続ける、ということは
間違いではないように思える。


しかし、だ。


大組織の中では、自分がどれほど成長しようが
偉くなろうが分け前は少ない。
以前話題になっていた青色ダイオードの一件も
この類の話だ。
また、大組織の中ではマイノリティに徹することも
簡単ではなかろう。


大企業に腰を据えていては
マイノリティ・アドバンテッジの享受は叶わない
ということだろうか。


ではどうやったら享受できるのだろうか。


簡単な方法はないが、最低限、
物の考え方を全面的に変えることが必要である。


まず、自分という人間の、社会における役割、
居場所を真剣に考える。
その上で、人とダブる、かぶると思ったことは
極力避ける。


同じ人は必要ない。自分と同じような人が
1人でもいると思ったら、
何万人と同じような人がいると思ったほうがいい。
それではもはやマジョリティだ。


自分と他人の違いをよく分析し、少しでも自分らしい、
自分にしかできないと思うことを見つけ出し、
そこに全精力を集中しチャージすることべきであろう。


究極的には、よく言われる
「自分のアイデンティティを明確にしろ」
ということかもしれない。


こうすることで、自然と「マイノリティ」になれる。
少数派という言葉はいただけない。
何かしらネガティブな感じがするのが嫌だ。


皆がマイノリティを目指し出すと、
マイノリティ「アドバンテッジ」の分け前が減る。
皆が始める前に今すぐ動き出すべきだ。

菅原 章さんへの激励や感想などは、
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2004-06-29-TUE

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