ほぼ日刊イトイ新聞

あの土鍋の。

あの土鍋のつくられているろくろ。
あの土鍋をつくる人が
いつも座っている座布団。
ものが産まれる場所というのは、
なまなましくて率直で美しい。
‥‥見せたかったんだ。
2009/04/17 00:53
darling

先生はだらくした?

あれほど芸術に厳しかった
ブイヨン先生が、このていたらくです。
これはもう作品とは呼べません。
梱包のこの字もありませんし、
包の意思も感じられません。
まとっているとすら言い難い。
先生、目をさましてください‥‥。
<『ブイ先生と共に(未刊)』より>
2009/04/16 10:57
darling

なに見てるの。

おとうさん、なに見てるの。
東京?
そうですか。
東京を見てるんですか。
おとうさんは、機嫌のいい夜は、
よく東京を見ているようです。
<『ブイヨンの気持ち(蜜柑)』より>
2009/04/15 22:35
postman

先生、それは?

梱包芸術作家ブイヨン先生は、
助手のわたくしに、わるーい目をして、
「これでどうだ、ふふふ」と、
新しい作品を見せてくれたのです。
しかし、先生、それは、それは?
梱包作品とは言いにくいのでは‥‥。
<『ブイ先生と共に(未刊)』より>
2009/04/15 00:42
darling

ためいきつく梱包。

わたくし梱包芸術作家ブイヨン先生の
助手であります。
ただいま、先生のひさしぶりの梱包が
完成いたしましたので報告いたします。
今回の作品は、完成したのちに
もぞもぞっと動き、ふ〜〜〜と
ためいきをつくのが特徴でありました。
<『ブイ先生と共に(未刊)』より>
2009/04/14 12:09
postman

おでかけまえに。

「おでかけするから、
 ちっこしてくださーい」と、
人間のおかあさんに言われて、
しているところです。
いつのまにか、そういう習慣です。
家族にはたいそうよろこばれてます。
<『ブイヨンの気持ち(蜜柑)』より>
2009/04/14 11:05
darling

あっ、おとうさんだ。

人間のおかあさんに、ボール投げを
してもらっていたら、そこに、
おとうさんがやってきたのでした。
え、もう来ちゃったのー。
いっしょにボール投げする?
暗くなるから、早くしないとね。
<『ブイヨンの気持ち(蜜柑)』より>
2009/04/13 18:24
postman

佳き日、佳き哉。

人よりも先に起きた日には、
ひっそりと窓辺でたたずみます。
朝のお日さまに挨拶し、
街のあちこちを歩く人々を
無言のうちに励まし‥‥
というようなこともなく、
あったまってうとうとしてます。
<『ブイヨンの気持ち(蜜柑)』より>
2009/04/13 10:49
darling

やぁやぁやぁ。

やぁやぁやぁ、夢。
やぁやぁやぁ、うつつ。
やぁやぁやぁ、むかし。
やぁやぁやぁ、いま。
やぁやぁやぁ、にんげん。
やぁやぁやぁ、ゆうれい。
やぁやぁやぁ、すべては消える。
やぁやぁやぁ、すべては残る。
2009/04/12 12:57
darling

ピント。

おとうさんの新しいカメラは、
ピントを合わせる必要があるので、
犬が走ってる写真で、練習してます。
「だんだんじょうずになってきたよ」
と、にんまりしています。
犬は練習につきあっています。
<『ブイヨンの気持ち(蜜柑)』より>
2009/04/12 11:30
darling

Hobonichi Time Macine あの日の「気まぐれカメら」「ドコノコカメら」

YEAR / 年
2
0
0
x
MONTH / 月
0
2
DAY / 日
0
8
HOURS / 時
0
2
MINUTES / 分
0
2