気仙沼のほぼ日便り

先日、今年これから、
気仙沼で行われるイベントにそなえ、
下見をかねて市内をうろついてきました。
ちょっと普段はあまり行かないような場所にも
足を伸ばしてみたので、
「気仙沼のいま」ということで、
お伝えできればと思います。

気仙沼の市街地から
南下する街道沿いを
少しすすんでいくと、
旧気仙沼線松岩駅のあった場所に、
復興商店街ができているのに気づきました。
「まついわ福来マート ココサカエル」
という名前です。
「ここさ、帰る」とか
「ここ、栄える」という
意味が込められているのでしょうか。
キャラクターは「カエル」のようです。
ともあれ、
おなかもすいてきたので、
おにぎりを買おうと「キッチンハウス楓」さんに
寄りましたがあいにく売り切れ……。

でも、これまでこのあたりには、
あまりお店がなかったので、
(震災前はたくさんあったのだと思いますが)
こうしてちょっと立ち寄れる場所が
あるのは嬉しいです。
ほかにも、この商店街にはラーメン屋さんや
工務店も入っているようでした。

ここには津波で流された気仙沼線の
代替運転として、
BRTというバスが走っているので、
停留所のようなスタイルの駅もあります。

それから、ホヤぼーやもいました。
ちょっといつもと雰囲気の違うホヤぼーやだけど、
これは優しそうな表情がかわいいと思いました。

ここの周りは、
今は何もなくなっているのですが、
震災後は、一面に無数の家々や船、
木材、コンクリートがつみかさなるような、
信じられない景色がひろがっていました。

毎日少しずつ、復旧工事がおこなわれ、
いまは、ほとんどの地面が見えます。
これからここが、
どんな景色になるのかは分かりませんが、
ちょくちょく見に来ようと思いました。

さて、さらに車を南に走らせて、
階上地区のほうにやってきました。
階上は「はしかみ」と読みます。
階=はしご、をイメージすると覚えやすいです。

ここまできたら、名所のひとつである、
岩井崎に行きます。
私は、ここに来たときには、
気仙沼向洋高校の近く、
海の殉難者慰霊塔にも寄ることにしています。
字が抜け落ちている部分は、
たぶん「殉難者」だと思います。
もともと、海の事故で
亡くなったかたの慰霊塔です。
震災で亡くなった方は、
どの場所にもいらっしゃいますが、
私はここで、手を合わせています。

ここで写真を撮らせていただいてよいものか、
いつも迷ってしまうのですが、
それもまた、他の場所でも同じことです。
いちど気持ちを整理しないと、
写真を撮る事は難しいです。
また、この近くには、一度流された墓石が、
あつめられて並べてありました。

岩井崎では、
三つの観光ポイントがあります。
左から「秀ノ山雷五郎像」と、
まんなか「潮吹き岩」、
右が「龍の松」です。

真ん中の潮吹き岩は、
海水が岩にぶつかり、
ぶわーっと勢い良く
吹き出しているところが見られます。
でも……残念ながら、今日はあんまり
ぶわーっとなってませんでした。
見ているとおもしろくて、
ずーっと眺めていたりします。

そうこうしているうちに、
雪が降ってきました。
この日は風も強くめちゃくちゃ寒かったです。
夏に来た時は、
すごくさわやかで、
手で触れた海水の冷たさも、
気持ちよかったなぁと思いましたが、
今日はそそくさと退散しました。

帰り道、ふと思いましたが、
まわりの建物はなくなっているのに、
松林だけが残っています。
自然の力ってすごいな…と改めて思いました。
ただ、陸前高田の松林は、
大部分がなぎ倒されていたりと、
場所による津波の力の違いも大きいので、
一概には言えません。

本格的に雪が降ってきたところで、
あまりに寒いので、室内へ行こうと思い立ち、
リアス・アーク美術館に向かいましたが、
休館日!ガーン!!
くりかえします。リアス・アーク美術館は、
昨年9月から再開していますが、
月曜日火曜日は休館日です!

といったところで、レポートおひらき。
おにぎり売り切れ、吹き出す潮はみられず、
天候悪化、さらに美術館は休館日という
かなりリアルなレポートになってしまってすみません…。
とはいえ、このようなレポートは
また続けていきたいと思います。
そして、今回行けなかった
リアス・アーク美術館も含めて、
またぜひご紹介したいと思います。