10年ほど前の昼下がり、
わたしはとある駅のホームのまんなかで
踊っていた。
わたしが踊るホームの正面には
母の乗った電車が出発を待っており、
わたしの背後には、2分後に発車予定の
わたしが乗るべき電車が停まっていた。
この日は、
母が住む県とわたしが住む東京の
ちょうどまんなかの地方都市でお茶をして、
お互いに
反対方向の電車で家に帰るところだった。
電車に乗った母に手を振ろうと、
ホームで駅のメロディにノリながら踊っていると
母が電車のなかで爆笑しているので嬉しくなって、
もうちょっと激しめにダンスした。
母の電車が発車して見えなくなると、
わたしは真顔になってふり返り、
自分も逆方向の電車に乗ろうと、扉に近づいた。
その瞬間にドアが閉まって、
何かの夢のように
電車は話も聞かず発車して行ってしまった。
同じホームにいて、
まさかの踊っていての乗り遅れに、
次の電車を待つあいだ
「まだ駅のホームにいます」と
母にメールをしたのだった。
(粒子)
わたしはとある駅のホームのまんなかで
踊っていた。
わたしが踊るホームの正面には
母の乗った電車が出発を待っており、
わたしの背後には、2分後に発車予定の
わたしが乗るべき電車が停まっていた。
この日は、
母が住む県とわたしが住む東京の
ちょうどまんなかの地方都市でお茶をして、
お互いに
反対方向の電車で家に帰るところだった。
電車に乗った母に手を振ろうと、
ホームで駅のメロディにノリながら踊っていると
母が電車のなかで爆笑しているので嬉しくなって、
もうちょっと激しめにダンスした。
母の電車が発車して見えなくなると、
わたしは真顔になってふり返り、
自分も逆方向の電車に乗ろうと、扉に近づいた。
その瞬間にドアが閉まって、
何かの夢のように
電車は話も聞かず発車して行ってしまった。
同じホームにいて、
まさかの踊っていての乗り遅れに、
次の電車を待つあいだ
「まだ駅のホームにいます」と
母にメールをしたのだった。
(粒子)
2026-08-06-THU