1今日のいぬ・ねこ
わはは がんばれ
春先ごろから、夜になると
窓の向こうでかすかに
「ちりちりちり‥‥」
と、鈴の音がすることがあった。

迷い猫でも入り込んだかと
窓を開けてみても
なにしろ田舎の夜の庭の暗さで
何も見えなかった。

夏くらいまで鈴の音は
ときどき聞こえていたものの
やがて聞こえなくなって
いつか忘れた。

が。

先日、
秋の日のとっぷりと暮れてから帰宅して、
差し迫った車検のために
車に乗せていた荷物を
ぜんぶおろしていたおときに。

いちばん最後に
魔除けに積んでいた
鈴付きの破魔矢を持って玄関に向かうと、
わたしの歩みにつれて揺れる
破魔矢の鈴の音に応えるように
背後の庭を横切って
「ちりちりちり‥‥」
といって、ふっと止まった。

振り返ると、玄関から漏れる光の先に
赤い首輪の鯖猫が
ちんと座ってこっちを見ていた。

なんだ君、まるでモデルみたいな
きちんとした座り方するじゃないか‥‥。

見つめ合うこと数秒、
猫はするりと闇の中に帰っていった。

もっと子猫かと思っていたけど
しっかりした大人の細身の猫で、
毛並みもつややかだったから
だいぶ良いとこの
猫のようにお見受けしました。

夜だけ放しているのかな。

このへんの夜は
車もほとんどいないけど、
しかしどうぞご安全に。

(はと)

2026-10-11-SUN