たびたび通る道に
鏡のかけらが落ちていました。
車のミラーの破片なのか、
粉々の銀色のなかに
一片だけ大きめのひとつがあって、
そこを通るたびに、いつも覗いていました。
角度によって桜の木の枝が映っていたり、
曇り空が映っていたり、
季節が変わって新緑を映したり、
雨に打たれて水滴まみれだったり。
わたしは鏡のかけらに愛着がわいて、
それがまだ落ちていると
安心するようになりました。
冬になり鏡の上に雪が降ると、
存在がわからなくなってしまいました。
雪かきのときに
どこかへ行ってしまうかもと思っていたけれど、
春になったらちゃんと
地面に鎮座していてくれました。
季節が一巡するまではたしかに落ちていて、
一年半くらい経ったある日、
鏡はなくなりました。
いつもその場所で下を向いて
空を覗き込んでいたので、
以来とても寂しいです。
(粒子)
鏡のかけらが落ちていました。
車のミラーの破片なのか、
粉々の銀色のなかに
一片だけ大きめのひとつがあって、
そこを通るたびに、いつも覗いていました。
角度によって桜の木の枝が映っていたり、
曇り空が映っていたり、
季節が変わって新緑を映したり、
雨に打たれて水滴まみれだったり。
わたしは鏡のかけらに愛着がわいて、
それがまだ落ちていると
安心するようになりました。
冬になり鏡の上に雪が降ると、
存在がわからなくなってしまいました。
雪かきのときに
どこかへ行ってしまうかもと思っていたけれど、
春になったらちゃんと
地面に鎮座していてくれました。
季節が一巡するまではたしかに落ちていて、
一年半くらい経ったある日、
鏡はなくなりました。
いつもその場所で下を向いて
空を覗き込んでいたので、
以来とても寂しいです。
(粒子)
2026-08-29-SAT