（さきほどのつづき）


「あとは、お気に入りのマンガの
　買い忘れていた巻を
　あれこれ買い足しまして」

おっくん、いったい
家に何冊マンガを持っていますか？

「わからないですねー。
　『ゴルゴ13』だけでも
　160くらいありますから」

ひ‥‥じゃあ、1000くらい？

「1300くらいでしょうか」

奥さんはなんと‥‥？

「うちの和室の押入れの上の段が
　マンガの山積みで占領されてて、
　ついにヨメがキレまして、
　いいかげんに整理して、と言いながら
　マンガ全冊を押入れから運び出し、
　ぼくの部屋に持ってきました。
　
　そう言われて整理しだしたら、
　全巻そろってないマンガがあることが
　判明して、
　ああ、これはサボってたな、
　と思い、今日こうして買い足した、
　というわけです」

‥‥‥‥。

「はい、おっしゃりたいことはわかります」

今日この箱を持って帰ったら、
家に入れてもらえないと思います。

「いや、今日ヨメは実家にいます。
　インターネットのない、実家に」

そういって自席に去る
おっくんの背中は、
ルン♪ルン♪、といっておりました。

（完）