2018-12-14
広い池を囲む、森のような公園があります。
わたしはじぶん一人でそこを
「リトル尾瀬」と呼んでいるのですが、
野生の水鳥の種類が多く、
運が良ければ手のひらほどの大きさの
メタリックな青いカワセミが、
池に差し伸べられた枝の上で
すましている姿も見られます。
休日はこれらの鳥を撮影に訪れる人々で
池を囲む細い木道がいっぱいになることもありますが、
平日は程よく静か。
池の端のメタセコイヤの下にイーゼルを並べ、
対岸の弁天堂を描く人々に混じり、
わたしもベンチに腰をかけて編みものをします。
持参した魔法瓶のコーヒーをカップに移し、
西荻窪の焼き菓子屋さんで買った
レモングレーズケーキを少しずつかじるのも楽しみです。
今日は「アランのケーブルキャップ」のような
ニット小物に使えそうなパターンを、
古い編みもの本から拾い出して
スワッチを編みましたよ。
こんな日に着るのは、
のびのびと動けて仕事がしやすく、
たくさんのケーブル柄が暖かい空気の層を作ってくれる、
Miknitsのropes。
ボトムはAKANE UTSUNOMIYAの、
黄色と黒の対比が目を引く
ガンクラブチェックの
ウールスカートにしました。
このスカートは
ポケットの生地がヘリンボーン柄に
切り替わっているのが楽しく、
すっきりとした形もきれい。
はいているとよく誉められる、
びじんさんです。
今日のアクセサリーは、少し風変わりな蝶のペンダント。
購入した骨董屋さんによると、
ヴィエナ・ブロンズ(ウイーン発祥の
ブロンズ細工の工芸品)というもので、
現し身(うつしみ)では儚いモンシロチョウも、
ほぼ、100年以上昔に作られたという
当時のままの姿をとどめています。
そもそもは職人が「リアルさ」を
追求してこの姿になったのでしょうが、
そこに経年によって寂びた落ち着きが加わり、
今はおそらく、新品の時より身につけやすい。
ただこの蝶々、背中のみならず、
お腹の方もばっちりとリアルに作られていて、
虫が苦手な方には「おっとっと」、
という感じかもしれません。
モンシロチョウはさなぎの姿で越冬するとか。
「リトル尾瀬」の周りには、地区特産の大根畑も広がっているので、
今頃きっとたくさんの蝶が、深い眠りの中にいることでしょう。
彼らはどんな夢を見るのでしょうね。