ボーズ |
あと、Tシャツって、すごく種類があるから、
人とダブらないっていうおもしろさが
あるかもしれないですね。 |
谷川 |
あ、でも、まえに一度、
へんなダブりかたしたんですよ、ぼく。
猪熊弦一郎美術館っていうのが
四国の丸亀にあってさ。
そこのミュージアムショップで、
Tシャツを買ったんですよ。
それは人の顔がいっぱい描いてあってさ、
すごくかわいいのね。
で、ある日それを着てたら、
まったくおんなじのを、
地下鉄の前の席の女の人が着てて(笑)。 |
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ボーズ |
それはちょっと困りますね。 |
谷川 |
ねえ。だからね、あの、
「猪熊弦一郎さん、お好きですか?」ぐらい、
こう、言やぁいいんだけど、
言いにくいんだよね(笑)。 |
ボーズ |
そうですよね。 |
谷川 |
むしろ席を立って、
戸口のほうへ歩いていっちゃう、
みたいなさ。 |
ボーズ |
でも、それはかなり稀な状況ですよね。 |
谷川 |
すごい稀だと思うんだよ。
みんながそんなに着てない
Tシャツのはずなんですよね。 |
ボーズ |
ねぇ。お互いに、
選びに選んで着てるっていう状況ですからね。
流行ってるブランドとかならまだしも。
向こうも絶対、「ん?」って思っただろうし。
っていうか、やっぱり、
それは話しかけたほうが
よかったんじゃないですか(笑)? |
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谷川 |
そう、ほんとはね。
「丸亀行ったの?」とかね。 |
ボーズ |
「ぼくも行ったんですよ」って。 |
谷川 |
でも、そんなことで、
怪しまれるのも嫌だしねえ(笑)。 |
ボーズ |
あははははは。
Tシャツならではの
おもしろい体験ですよね。 |
谷川 |
と思うなぁ。 |
ボーズ |
ぼくなんかは、
友だちがつくったTシャツを着てると、
そのブランドが流行ってたりするから、
こう、街ですれ違う中学生なんかも
同じのを買って着てたりして、
それはちょっと恥ずかしかったりしますけど。 |
谷川 |
ああ、なるほどね。 |
ボーズ |
最近、オトナと子どもが、
同じような格好してたりしますからね。
ぼくなんか、子どもと同じ格好してる
いちばん上の世代だったりして、
やばいんだよなー(笑)。
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