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丸山さんは
「創業者としてならできる。
会社が小さいうちは、やっていける」
とおっしゃいましたけど、
実際には、丸山さんがいた会社は
大きくなってますよね。
ソニーなんて、それこそ、
食うか食われるかをやり続けてきた
肉食獣みたいな会社で、
丸山さんも嫌だ嫌だと言いながらも
「戦乱の中」にいましたよね。
その時はどうだったんですか。
ストレスとかはあるんですか。
それとも、それはそれで
違うゲームを考えるんですか? |
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うーん‥‥難しいんですけどね。
会社がデカくなると、
まあ、つまらなくはなりますよね。 |
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まず、まわりは全部、
「背広の人たち」になりますよね。
それで財務とかの話をするわけですよね。 |
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「あれをこう転がして」とか、
「これをああ使って」とか、
「行け!」とか、「切れ!」とか、
そういう言葉が、きっと何度も
丸山さんの口から出たわけですね(笑)。 |
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そう、その通り(笑)。
だけど、そういうことって、
ぼくが不器用だから
代わりにやってくれるやつが必ずいるんですよ。 |
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そうか。丸山さんには、
そのつど、誰かがいるんだ。 |
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うん。それは必ずいる。
あまりにもオレに欠落している部分があるから、
「この人をこのままにしておいちゃマズイよな」
と、おれのそばにいてくれる人とか、
おれを取り巻くチームががんばって、
つじつまを合わせてくれるんですよ。
そうじゃなきゃ、ここまで来れないよね。 |
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はっはぁー。
実業界の白洲正子みたいなものですね。 |
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白洲正子って、白洲次郎の奥さんでしょ。
エッセイ書いたり、
骨董を観たりという人でしょ。 |
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そう。あんな人生を送れるというのは、
まわりがよっぽど
しっかりしているんだろうと思うんですよ。
お金が天から降ってきているわけではないし、
他人だって騙しに来るでしょうし。
いるんですよ。そういう、
「お姫様であるがゆえに、セーフ」
というタイプの人って。
だから、おそらく、まわりの人は、
丸山さんを盛り立てることで
何かが活気づくんですよ。 |
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盛り上げるのはうまいのよ、たぶん。
だから、自分でいうのもなんだけど、
オレは神輿の乗り方が
うまい人ではあるよね。 |
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「神輿の乗り方がうまい人」ね(笑)。
うん、うん、なるほど。
で、一方で、より具体的な部分にいくと、
これはいま丸山さんが
まさに直面していることかもしれないけど、
丸山さんからいくら話を聞かされても、
「これは絶対にうまく行く!」と
ほんとうに思えている人って、
きっとなかなかいないと思うんですよ。 |
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なんでムッとするかっていうと、
図星だからなんだよね。 |
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つまり、「これで大儲けしてやろう」という人が
簡単にわらわらと寄ってくるような
サイズの仕事じゃないと思うんですよ。
でも、「おもしろいから、俺にも覗かせて」
という人はものすごく多いですよね。 |
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そう。多いと思う。
「mF247」をはじめるときもね、
まず、金を集めなきゃならないから、
いろんな会社に行っては
経営戦略について説明するんだけど、
みんな、うなずくというよりは
吹きだしちゃうんですよ。 |
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で、たいてい、
話を聞いたトップが自分の部下に、
「俺はおもしろいと思うから
丸山さんの話を聞いてみて」
みたいな感じで話を下ろしていく。
で、その部下と話すじゃない?
するとその部下は話を聞いて、唖然とする。 |
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それを部下がトップにまた報告すると、
まあ、そこできっと話は
いったんストップするんですよ。
でも、こっちは返事がほしいから
「どうなっています?」
というのをずーっとくり返すんですね。
すると、くり返してるうちに、
「まあ、いいや、乗るわ!」
と言ってくれる人が出てきて。 |
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でも、上がそう言うもんで、
下の連中はムッとした顔をしている。
「うちの親分は、
なんというものに金を出そうとするんだ」
という顔をしてますよね。
ところが、ぼくは
「なに言ってるの!
これはうまく行くんだから」と思ってる。
そのすれ違いは大変なものですよね(笑)。 |
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だから、ルーレットでいうと、
「この数字が出るんだよ」
というのが丸山さんにはわかるんですよね。 |
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だけど、
「なんで出るんだよ?」という説明は‥‥。 |
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できないよね。
「つぎは『24』が来るよ!」って(笑)。 |
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「だって、お前、
『24』が来るに決まってるだろ!」 |
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「決まってるじゃない!」って(笑)。
でも、企業というのは、
「『赤』が来て、『黒』が来て、
『黒』が来て、『赤』が来て、
『赤』が3回続いているということは‥‥」
みたいなことが好きですよね。 |
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「絶対につぎが『赤』だというんなら、
俺は100億でも出す。
1.2倍でもいいんだから」と。
でも、
「『24』には10万円も出したくない」 |
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2006-07-21-FRI |
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