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さー、はーじめますよー。 |
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全員おそろいですかー。 |
一同 |
はーーーい。 |
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ザッハトルテの試食会。
今回は前回の流れをくんで、
もう最初から「家族」という設定にしました。
※前回の流れをご存じない方は、
右上の「試食パーティ2011」をどうぞ。 |
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さんがお父さんで、
ちゃんがお母さん。 |
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よろしくです。 |
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よろしくお願いします。 |
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ちゃんが長女で、
ちゃんが次女。 |
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はいー(笑)。 |
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わーい。 |
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この家族がケーキを食べるレポートは、
ザッハトルテ・ページの
「たのしいオマケ」のようなものになります。 |
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オマケ! |
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すごくたいせつな情報が含まれているとか、
そういう会話にはなりませんので、ね。 |
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そうですね。
でも‥‥
すごくたいせつとは言えないけれど、
それでもやっぱり伝えたい‥‥。
ぼくらがここで表現するのは、
ケーキを待つワクワク感や、
届いたときの「うれしさ」などなど、
そうした、きもちの部分です。 |
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‥‥それってある意味、
ごっつい大事なことじゃないですか。 |
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ええ。
ですから精一杯やりましょう。
一所懸命、茶番劇をやりましょう! |
一同 |
はいっ! |
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‥‥さんはあれですね、
もうちょっと、こう、
お父さんらしく見えた方がいいですね‥‥
ぼくのメガネを貸します(渡す)。 |
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あ、すんません。
(かける)‥‥きつっ、度がきつっ。 |
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レンズをすこし下にずらすといいです。 |
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こうですか。 |
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あ、いいですね、お父さんっぽい。
新聞とかを手に持てば、
もっとそれっぽくなりますよね。 |
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「お父さんが読む新聞」
「お母さんのエプロン」
「子どもたちのマンガ」
このあたりの小道具は、ご用意しています。 |
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すばらしい‥‥。
では、もう、はじめましょう。
「お父さんと子どもたちがいる茶の間に
お母さんがやってくる‥‥」
そんな場面から、
茶番劇のはじまりはじまりぃーーー。 |
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え、練習なしで? |
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だいじょうぶ、
ほとんど去年とおなじでいいですから。
あと、いいですか、
ぼくとさんは
ここにいないものとしてやってくださいね。 |
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はじまりぃ、はじまりぃーーー! |
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‥‥‥(不安げに新聞を広げる)。 |
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‥‥‥‥‥‥。 |
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いろいろしゃべってください。
フィーリングで。 |
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‥‥‥新聞っていうのは、あれだな、
あたらしいことが書いてあって、いいな。 |
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みかんを持ってきましたよ。 |
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お、うまそうなみかんじゃないか。 |
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はい、いいみかんですよ。 |
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お前たち、マンガ本はおもしろいかい? |
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うん。 |
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おもしろい。 |
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マンガばっかり読んで!
‥‥それにしてもきょうは、
のんびりしてて、いい日だなぁ。 |
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ピンポーン。
さーーん、宅配便でーす。 |
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え? あ、はーい。 |
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ハンコお願いしまーす。 |
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はい(ハンコを押す)、ご苦労さまでした。 |
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‥‥(ひそひそ声で)
「なんやろう? この荷物なんやろう?」
と言ってください。 |
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なんやろう? この荷物は、なんやろう‥‥? |
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(ひそひそ声で)座ったときに、はたと思い出す。 |
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ああーーーっ!
はいはいはいはい、思い出した! |
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おれ、インターネットで注文したやん!
たのしみにしとったやつや!
これは、あれや‥‥ |
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ザッハトルテやーーー! |
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次女が言っちゃった。 |
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まあでも、
箱を開けるときが最初の山場ですからね。
開ける人は、お父さんでしたっけ? |
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いやいや、決まってるんじゃなくて‥‥。 |
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お前たち、わかってるよな?
これを開ける瞬間がいちばんたのしいんや。
その役をだれがやるのか‥‥。
ことしも田口家は、
恒例のじゃんけん大会で決めようと思う。 |
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あー、そうだった!
本気のじゃんけんで決めるんだった。 |
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いくぞ!
さいしょはグー! |
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じゃんけんぽい! |
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あれ?! そうなんや! |
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お父さん、まさかの一回戦敗退。 |
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ということは、
おかあさんと次女の一騎打ち‥‥。 |
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いくぞ!
さいしょはグー! |
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じゃんけんぽい! |
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勝った。 |
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お母さん! |
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お母さん! |
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えー、真剣勝負のじゃんけんの結果、
ことしはお母さんが開ける役になりました。
荷物を開けるワクワクとよろこびを
全身で表現しながら、お母さん、
どうぞ、やってください! |
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わかりました。
‥‥よいしょ。 |
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えーと、このひもを‥‥。 |
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こうして、と。 |
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包み紙を、ここからぺらっと‥‥。 |
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あの‥‥お母さん? お母さんは、
包みを開けるよろこびを感じている、よね? |
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わたしはいま最高の気分です。 |
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ならいいっ。それならいいんだ!
感情表現は人それぞれだから。 |
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‥‥よいしょっと。 |
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一同 |
おおーーー(拍手)。 |
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いよいよ、ついに、この箱を開ける瞬間が‥‥
‥‥あれ? お母さん?
なにやってるの。 |
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包み紙をたたまないと。 |
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なにかに使うかもしれないから。 |
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‥‥そんなんええから、はよ!
はよ、箱を開けて! |
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わかりました、開けます。 |
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じゃんけんに勝った者だけが味わえる、
最高の瞬間や。
‥‥お母さん、やってくれ。 |
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よいしょ。 |
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一同 |
おおおおーーーーー。 |
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くしゅくしゅの紙が−。 |
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かわいいー。 |
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‥‥ん?
なにか、説明書が入ってるな。
これ、去年はなかったぞ。 |
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なんて書いてるの? |
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お母さん、読んで。 |
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読みます。
「ザッハトルテの切り方。
まずナイフを温めてワンカット。
よごれをぬぐい、
冷めていたらまたあたためてワンカット。
ちからを入れずに切って下さい。
この方法はほかのケーキも同様です。」 |
一同 |
へええーーー。 |
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知らなかった。 |
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知らなかったですね。 |
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さあ、
おかあさんは続けて、包みを開けて。 |
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‥‥じゃーん。 |
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一同 |
わあーーーーー!(拍手) |
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きれーい、つるつるしてるー。 |
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ああー、いい匂い。
チョコの香りがすごーーい。 |
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お母さん、ご苦労さま。
これからケーキを切るからね、
そのあいだにお母さんは
紅茶を入れてください。 |
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わかりました(紅茶の準備に)。 |
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‥‥ことしは、このケーキを、
わかたろうに切ってもらおうかな。 |
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え、わたし? |
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わかたろう! 女の子なのに(笑)。 |
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男まさりだからな、
ついそんなあだ名をつけてしまったよ。 |
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わたしがケーキを切るんですか? |
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ほら、やってごらんなさい、
お湯で温めた包丁があるから。さあ。 |
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わかりました。
‥‥‥‥(切る)‥‥。
‥‥あ、切れる、スーッと切れる。 |
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ほんとだ、すごいきれいに切れてるー。 |
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勉強になったねー。
ほら、どんどん切れるよ! |
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きゃー、すごーい! |
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(ひそひそ声で)元気な子どもたちを見て、
しみじみしましょう。 |
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‥‥娘たちよ、
いつのまにかこんなに大きくなった、
娘たちよ‥‥。 |
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お父さんがおむつをかえていたのが
昨日のことのように思い出されるよ。
泣いてばっかりいたあのころ。
はじめて自転車に乗れたあの日。
お前たちは、とんとん拍子で大きくなって‥‥ |
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紅茶が入りましたー。 |
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おお、そうかい。 |
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ケーキのカットも終わりましたー。 |
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うん、いいじゃないか。 |
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それじゃあ、これも田口家の恒例、
ひとくち食べて、ひとりずつ、
「おいしくてうれしい顔」を見せてもらうぞ。 |
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お。 |
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まずは、次女、まりこから。 |
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‥‥はむ(と食べて)、
んんんんーーーーーーーーーーーー!
おーいひーーーー! |
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すごい‥‥
驚くほど去年と同じよろこびかただ。 |
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いいぞ! あかるくて、いい!
次は、わかたろう。 |
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はい。
(食べる)‥‥おいしいです。 |
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こちらも去年同様、微妙な表情の変化だ。 |
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わかたろうは、お母さんと同じで
感情が表に出ないタイプなんだな。
いいんだぞ、人それぞれだからな!
じゃあ次は、お母さん。 |
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(食べる)‥‥おいしい。 |
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お、お母さん!
すごい、すばらしい表情だよお母さん! |
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いよいよ、お父さんの番だ。 |
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田口さんの「おいしい顔」、
2012年のそれを、よろしくお願いします。 |
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お母さんがこれだけやってくれたからな‥‥。
よぉし。
お父さんも、いくぞぉーーー。 |
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一同 |
おぉ。 |
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お父さんはこれから、
うれしさとおいしさが混ざる
微妙な表情の変化をたっぷりと表現する。
よーく、見ておきなさい。
‥‥(食べる)。 |
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一同 |
‥‥‥‥。 |
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まずは静かに‥‥。 |
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微妙だ、ことしはほんとに微妙だ‥‥。 |
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メガネをはずした‥‥。 |
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ため込んでいたよろこびがぁ‥‥。 |
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ほとばしるっ! |
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うまーーい! |
一同 |
すばらしいーーーー!(拍手喝采) |
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お父さん、すてきでした。 |
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かっこよかったー! |
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ねーーー! |
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‥‥はーい、ありがとうございました!
もう十分です。
一所懸命の茶番劇は終了ー!
みなさん、ふつうにケーキを食べてください。 |
一同 |
はーーーい。 |
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もう‥‥終わりですか。 |
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まだまだいけそうですね(笑)。 |
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‥‥いけますよ。 |
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でも、終わりにしましょう。
最後の笑顔がほんとうによかったので。
ここで終わりましょう。 |
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わかりました。 |
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茶番劇にしては、まあまあできたのでは‥‥? |
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そうだといいのですが‥‥。
いずれにしましても、
ことしもお伝えしたいことは同じです。
「ひとつのケーキで、うれしくたのしく」 |
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それが伝わることを祈りつつ、
おひらきとしましょうか。 |
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ですね。
では、「ザッハトルテ家族」のみなさん、
最後のごあいさつをお願いしますよー。
はい、カメラに向かってぇ‥‥。 |
一同 |
ごちそうさまでしたー。 |
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あーあ、お母さん目つぶちゃった‥‥。 |
ザッハトルテの「試食劇場」は、これにて終了。
みなさんも、ケーキの到着で、
「うれしく」「おいしく」なりますように! |