いつものメンバー、と、
そしてシステム部のを誘いました。
たえは甘いものが好きで、
「人とケーキを食べるときは
遠慮して1個にしてるんだけど、
ひとりだと3個、いや1ホールもいけます」
とのこと。今回の企画にぴったりです。 |
▲すでに嬉しそうなたえ。
関係ないですが、趣味はバードウォッチング。
顔に斜めに影がはいっていてすみません。
私フジタの写真の腕の問題です。
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前橋駅に着くと、駅までお迎えが‥‥。 |
一同 |
こんにちは〜!
今日はよろしくおねがいします。 |
もぎ |
今年もまた来てしまいました! |
▲迎えに来てくださったのは、
お店で働いている「紀子さん」。 |
紀子さんの車で、お店まで向かいます。
前橋駅から約15分で到着。 ここが
「ミーちゃんちのお隣のケーキ屋」、
『Schwestern Haus(シュヴェステルンハウス)』です。 |
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金井さん |
ようこそ。お昼まだでしょう?
よかったら召し上がってください。 |
▲店主の金井初美さん。 |
▲あれあれあれ、
ザッハトルテの話を聞きにきたのに、
こんな立派なごちそうが!
このお店では料理教室も開いていて、
その教室で作ったメニューなのだそう。 |
一同 |
いただきます〜! |
金井さん |
そしてこれも料理教室で作ったものです。
バタークリームのケーキ。 |
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一同 |
うわぁ! |
もぎ |
(断面図を見て)
もしかしてこれ、
ロールケーキをふたつ並べて作ってます? |
金井さん |
正解。ロールケーキを並べて、
ちょっと上から押して形を作って、
その上からクリームを塗ってます。
なので、見た目より簡単なの。 |
ふじた |
すごい! こんな作り方ができるんですね。 |
紀子さん |
ふふふ。
目からうろこの料理教室でしょう? |
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もぎ |
ものすごくおいしいです。
そして、いろんなおやつが出てくる。 |
▲取材時期が12月だったので、
ドイツの伝統菓子シュトーレンも
出してくださいました。
「薄く切ったほうがおいしいです」と金井さん。 |
もぎ |
たまらん。
伝統菓子のおいしさ。 |
たえ |
‥‥幸せ。
ちょっとずつ食べられるのっていいですね。 |
ふじた |
季節感があって最高です。
まだ取材がはじまってもいないのに、
クライマックス感があります。
毎年ザッハトルテのみ取り上げてきましたが、
このお店では、季節ごとに
いろいろなケーキがあるんですよね。 |
もぎ |
そうです。完全予約制ですが、
実はいろいろな伝統菓子を楽しめます。 |
(そんな話をしていると、
ちょうど業者さんから
ザッハトルテ用の箱が届きました) |
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▲あっというまに積み上がる箱。圧巻です。 |
ふじた |
一年前もこんなふうに
お話をうかがっている最中に
箱が届いたんですよね。
いよいよ、という感じがします。 |
金井さん |
さて、じゃあ、いつものを出しましょうか。 |
もぎ |
「いつもの」あれですね。 |
ふじた |
まってました! |
(奥からザッハトルテが出てくる) |
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たえ |
うわーーーーっ。 |
ふじた |
わ、たえさんが子どもみたいな顔してます。 |
たえ |
こーーーーれは美しい! |
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もぎ |
つやっつや。 |
▲お湯であたためたナイフを使います。 |
▲すーーーっと切れます。 |
▲美しい断面。 |
ふじた |
たえさん、先にどうぞ。 |
たえ |
え、いいの?
じゃあ、お先に、いただきまーす。 |
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たえ |
‥‥おいしい!!! |
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紀子さん |
どんどん食べて。おかわり自由。 |
たえ |
豪華なランチをいただいて、
バターケーキも
シュトーレンもいただいて、
なのに、まだ入ります。不思議。 |
ふじた |
私が勝手に説明してしまうと、
どんどん食べつづけられるのは、
甘すぎないように、
酸味のあるチョコレートと
甘いチョコレートを
両方混ぜているからです。
去年教えてもらった知識ですが。 |
金井さん |
そうそう。今年はまだ暖かいから
酸味が強いチョコレートを
多めに入れています。
そうだ、味見してみる? |
たえ |
いいんですか? |
金井さん |
まずは青い袋に入っている、
色の濃いほうを食べてみてください。
おいしいとは思わないでしょう? |
たえ |
あ、たしかに酸っぱい!
甘くないです。 |
金井さん |
青い袋は酸味の強い
クーベルチョコレート、
で、こっちの黄色い袋は、
甘いミルク系の
クーベルチュールチョコレート。
ミルク系だけを食べると甘すぎるから、
両方を口にいれてみて。 |
▲袋の中身はこんな感じ。濃いほうが青い袋に、
薄いほうが黄色い袋に入っています。 |
たえ |
(食べる)
あ、おいしいっ! |
金井さん |
一緒に食べると
酸っぱさがわかりにくくなるし、
おいしいでしょう。それがポイント。 |
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金井さん |
この2種類の配分は、
その時々の気温によって変えています。
酸味の強いほうも、いろいろ試した結果、
カカオ66%に落ち着きました。
70%のものだと、少し粉っぽくなっちゃう。 |
たえ |
たった4%で違うんですか。 |
金井さん |
全然違う。まあ、別に正解はなくて、
ただの私の考えですけど、
このケーキには
66%のものが合ってるなと思います。 |
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ふじた |
(ケーキを食べながら)
それに加えて、
スポンジとチョコの間にある
杏ジャムの甘酸っぱさが最高です。 |
金井さん |
杏もなかなか手に入りにくくなっててねえ。
業務用のものを使っているんですけど、
苦戦してます。 |
もぎ |
大量に材料が必要なとき、
安定した品質のものを
きっちり仕入れるのって、
なかなか大変ですよね。 |
紀子さん |
そう。
そして、最後にひと手間を
加えるかどうかでも
だいぶ違う。 |
金井さん |
杏ジャムも酸味がしっかり出せるように
加えるレモン汁をいろいろ試してます。
‥‥あ、それも見る? |
もぎ |
いいんですか? |
ふじた |
わあ、これははじめて聞く話です。 |
(レモン汁の箱を取りに行く) |
金井さん |
いろいろ試して、これに行き着きました。
シチリア産の、
余計なものが入っていない
レモンジュース。
ほかのメーカーのものを
使ってみたけど、
火にかけると、
湯気からちょっと変なにおいがして。 |
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紀子さん |
生のレモンでも試してみたのよね。 |
金井さん |
そう。
生のレモンには生の良さがあるけど、
火にかけて煮直すと酸っぱさが薄まって、
使えなかったんです。
シュトーレンを作るときに
生のレモンが余るし、
これは使えるんじゃないか、
ってやってみたけど、
だめでした。 |
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ふじた |
実験なさったんですね。 |
金井さん |
うん、何年も何年も試しました。
もしかしたら、
他にもいいものが
出てくるかもしれないけど、
今の時点では、これがいいと思ってます。 |
▲話しながらも、さっさっと
ザッハトルテを包みはじめる金井さん。 |
▲見事な手さばきでしゅっとくるんで、 |
▲一瞬で包み終えて、完成。 |
たえ |
すごくきれい。本当においしかったです。
ホールまるごとでも食べられる。 |
ふじた |
うん。あまいものが苦手な人でも
これならいける、って声が多いです。 |
もぎ |
たとえば一人暮らしで、
ザッハトルテを一人で食べるという方も、
ホールで買うことを
おそれないでほしいです。
日持ちするし、
ちょっとずつ食べればいいので。 |
たえ |
日持ちするんですね。 |
もぎ |
1週間はおいしく食べられます。
ただ、冷蔵庫は厳禁です。
しっとり感がなくなっちゃう。 |
たえ |
え! そうなんですか。
チョコが溶けちゃうんじゃないかって
心配で‥‥。 |
もぎ |
暖房のない涼しいところに置いておけば
大丈夫。
あ、ここ、改めて言っておいたほうが
いいかも。 |
ふじた |
たしかに。
こんな身近な人が知らないってことは、
意外と知られていないかもしれません。 |
金井さん |
冷蔵庫に入れると、
チョコレートがかたくなって
おいしくなくなっちゃうんです。
ザッハトルテの販売をはじめた
初期のころ、
宅配業者の車の中の暖房が心配で、
きっと冬場でも車内は
あったかくなっちゃうだろうな、と思い、
自分の車にザッハトルテを乗せて、
極端に寒いところに入れたり、
暖房を入れたり、
日当たりのいい暖かい場所に置いて
1日過ごしたりして、
それでも大丈夫かどうか実験をしたんですよ。 |
一同 |
へえーーーー! |
金井さん |
で、大丈夫でした。
でも一昨年かな、
冬なのにすごく暑い日があって、
チョコレートにあぶらが浮いて、
そのときはさすがにあせりました。 |
もぎ |
冬限定のケーキなのに、
地球の温暖化が進んでしまうと、
ザッハトルテの販売も
厳しくなりますね(笑)。 |
紀子さん |
(笑)
大丈夫。金井のことだから、きっと、
そうなったら
チョコレートの配合を考えるとかして、
どうにかすると思う。 |
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金井さん |
うん。今も、どんな気候のときでも
舌触りや味わいが変わらないよう
調整はしてます。
30年ずーっと
同じものを作っているようでいて、
そうじゃないんですよね。
だからこそたのしいし、
続けられるんだと思う。 |
もぎ |
私は毎年このケーキを
見続けてきましたけど、
味と見た目をキープするために、
実はいろいろ変えてるんですね。
ということで、ほぼ日での注文は18年目、
お互いに体力の限界、気力が衰えるまで
続けるということで(笑)、
どうぞよろしくおねがいします。 |
金井さん |
がんばります(笑) |
一同 |
ごちそうさまでした。
今回もどうもありがとうございました! |
ということで、ことしもザッハトルテ、はじまります。
冬ならではのおいしさをぜひ。
注文受付は2019年1月9日(木)ですよ。
700個限定ですので、お早めにどうぞ。 |