オトナな会話(仮)
さくらももこ×糸井重里の対談です。

その2
どうしてインドに行くのかな。


糸井 ももちゃんって、
もともとものぐさで、
しかも働き者って、
すごい矛盾した人ですよね。
意外に、こつこつやることは
ぜんぶやってるんですよね。
さくら やってるんですよ。
でも、なんか面倒臭いんですよね、
いろいろ(笑)。
糸井 面倒臭いっていうことについては
もう、ずっと一貫してますよね。
できることならなんにもしたくないのに、
そのわりには海外に
出かけていったりもしてるし。
さくら 海外も、出かけた中で8割くらいは、
そんなにべつに行く気が
してなかったんですよ(笑)。
糸井 そのわりには、
本になったら面白かったりして。
さくら また、出版社の人も、
私がズッコケたりすればいいと
思ってるんですよ(笑)。
なるたけそういうとこに、
行ったほうがいいと
思ってるんですよね。
糸井 犬も歩けば棒に当たるで、
犬は外に出せっていうことですよね。
必ず棒が待ってますからね。
さくら 待ってるんですよ、ほんとに。
糸井 棒だらけですからね(笑)。
さくら で、すぐつまづくんですよね。
糸井 とくにそういう場所を選んで
行ってるところもあるしね。
インドとかね。
さくら インド、行きたくなかったんですよ、私。
糸井 棒だらけですからね。
さくら うん。ほんっとに。もうね、
なんだってこんな目に?(笑)。
糸井 そんなさ、外に行けば
野良牛がいるようなところにだよ、
ももちゃんを置いたら、もう変だよ。
インド人のほとんどがB型だっていう
素敵な話は知ってる?
さくら え、ほんとに?
すごい納得する。
あんな人数でそうなんだ。
糸井 うちの奥さんB型なんだけど、
すっごい喜んでたよ(笑)。
さくら インド行かれたことあります?
糸井 あります。で、いる間に、
文句ばっかり言ってたはずなのに、
妙に懐かしいです。
さくら 私、2度も行ったんですよ。
1回目もぜんぜん行きたくなくて、
ほんとはポルトガルとかスペインに
行きたいなと思ってたのが、
インドに行くことになって(笑)。
そんで、もう行きたくないなと
思っていたのに、
もう1回自分の意志と、
すごい強い力で行くことになって。
あんまり行きたくないんだけど
しょうがないっていう感じで行って、
やっぱりものすごい疲れて、
なんだ、やっぱりそうだったのか、
と思って(笑)。
糸井 立ち直れないくらい疲れて?
さくら すっごい疲れたんですよ。
インドのマハラジャの家にも
行かなきゃならなくって。
だって嫌じゃないですか、
マハラジャに会うなんてね。
すごいね、面倒臭いじゃないですか。
糸井 行ってみれば大したこと
ないはずだって?
つまり、ルーブル博物館とかより
立派な家とかに住んでる、
‥‥わけじゃないんだよね。
さくら 広さだけは広いの。
「今から会いに行く人はね、
 あんたたちの国のいちばん偉い人と
 同じくらいの人だ」っていうの。
糸井 偉いんだ!
さくら 「インドでもいちばん偉い
 マハラジャだから、
 ほんとに気をつけてください」
とか言われてね。
そそうのないように、みたいな。
そしたらゾウとか、いるんですよ、急に!
糸井 パオォ〜ン!
さくら そう、でも、なんか2匹‥‥、
数はちょっと少ないかな?
糸井 8匹以上いないとね。
さくら 両方に4匹ずつくらいは
いてもらわないとね。
宮殿もね、薄暗くって、階段が細いの。
ロココ調みたいな
大きな階段じゃないのよ。
糸井 中世のお城も狭いよ、階段が。
かがんで上る感じだよ。
お城ってほら、戦争に使われたから。
さくら あ、それでか。
糸井 でも、マハラジャの家は
階段が広いとうれしいね。
大金持ちなはずなのに、
なんかびんぼうな感じがしちゃうものね。
さくら そうだよ。大金持ちな感じを味わいたいのに。
それで、中庭のテラスで歓迎パーティーを
してくれるっていうんで待ってたんです。
インド人の女性が果物を持ってきて。
糸井 楽器とか演奏してるわけ?
さくら 楽器、タブラとかもね、
隅のほうでちょっと演奏、
楽団も2、3人‥‥。
糸井 2、3人‥‥。
さくら あとは、火を吹く男とか!
糸井 火を吹くやつはいるんだ!
じゃあ、剣をチャカチャカは?
首を横にクックッてする女の人がさ、
おヘソを出して近寄ってくるの?
さくら あ、それはね、ありましたよ。
3人くらい、なんかね、ヘソを。
糸井 少ないね、全体的に(笑)。
さくら 少ない。全体的にね‥‥。
糸井 大盛りじゃないね。

マハラジャの宮殿での体験は
あすにつづきまーす!
2005-05-10-TUE
  ホームへ
もどる
 
©さくらプロダクション
©2005 HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN All rights reserved.