毎週土曜日はレビューの日!
・・・ということで、「ほぼ日」に登場した
あんな言葉やこんな言葉を、ご紹介します。
興味があったら、モトのページも読んでね。
今週は、3人の専門家の「ユーレイカ!」。
「うわぁ!」と驚いた瞬間を、紹介します
【人間らしさの源は、「媒介」】
「人間には、
言葉をしゃべる能力はあります。
法律に従う能力も、
貨幣を使う能力もある。
ところが、
言葉そのものはどこにあると言うと、
生まれてくる時の遺伝の中には、
入っていないわけです。
では、言葉がどこにあるのかと言えば、
人間と人間のあいだにあるわけですよね。
言語は、自然に存在しているわけでもない。
誰かがどこかで作ったものであって、
使っている人間たちは
どんどん死んでいくなかで、
人間から人間へと
伝えられてきたものですよね。
法律もそうだし、貨幣もそういうものです。
言葉、法律、貨幣も、
人間と人間をつなぐ「媒介」です。
それがなければ、人間は人間ではない。
まさに
人間のアイデンティティに関わるものが、
遺伝や物理的な存在ではない……。
こういう不思議なものが、
世の中にいくつかある、
というおもしろさに、
ある時、気がついたんです。
言葉や法律や貨幣を媒介にするから
ケンカをして強いかどうか、
おなじ顔の色をしているかどうか、
に関係なく
人間は人間と関係を結べることができます。
「人間が作りだしちゃったもので、
その媒介によってはじめて
人間が人間になるような存在」
を扱うのが、
社会科学なんだとわかったんです。
そう気づくと、
ほんとに、道、変わります。
わたしも変わりました。」
(※「続・会社はこれからどうなるのか」にて、
岩井克人さんが、「発見した」と思った瞬間の話)
【ボーズさんが感じた「うらやましさ」】
「ボクらも、
レコーディングするのとか遅いから、
『MOTHER』は心の支えでしたよ。
「いいんだよ遅れても。いいもん作りゃあ」
みたいな言い訳とか、ガンガンしてた。
「『MOTHER2』なんて
5年かけてんだから」
「いいもの作って、残りゃいいんだよ!」
やっぱり、いいものは残るんだよ。
こういうノベルティグッズにしても、
糸井さんの好みみたいなものが
全部入ってるじゃないですか。
いま、そういう個人の力で
残ってるゲームって、そんなにないでしょ?
文章にしても、遊びにしても、
糸井さん個人のものが、ドンって出てる。
そうだなあ、たぶん、
「アメリカだったら映画作ってる」
みたいな人が、
日本だとゲームで残してるっていうような、
そういう感じなのかもしれないですね。
そういうものとして、ポンと残ってる。
だから、『MOTHER』はうらやましい。
総合的にこういうものも含めて
残るじゃないですか。
いいよ、ほんとに。うらやましい。いいな。」
(※「あの人の『MOTHER』の気持ち」で、
スチャダラパーのボーズさんならではの感慨)
【成功は計算できないもので……】
「『プロジェクトX』第1回目のゲストの
見城徹さんから、聞いた話なんですけど、
最近の人は、
「その企画はうまくいかない」
という理由を見つけるのは得意だと。
「やめといたほうがいい」
という分析は、ばんばん出てくる。
みんな、アタマいいから。
だけど、
「これは当たる!やりましょう」
という奴はなかなかいない。
真剣にリスクを分析したら、
大抵の場合は「やめよう」となります。
リスクは計算できるけど、
成功は計算できないから。
でも、「やる!」と言いきってしまうことの
大切さってあると思います。
昔のプロジェクトから、学びました。
成功する理由って、煎じつめると、
「やらないと見つからないもの」
のような気がします。
「これはこうしたから、成功した」
というのはたいてい後から
考えたことですよ。
結局は、
「やったものだけが、成功できる」。
当たり前なことですが、
『プロジェクトX』のどの回を見ても、
いつもそう思います。」
(※「技術と運のドキュメンタリー」における、
『プロジェクトX』元デスクの有吉さんの話)
担当編集者からのこぼれ話や
裏話をお伝えいたしまーす。
●【タイトルまつがい】
ずらーーっと並んだ、
読者のみなさんからの
回答リストを読んでいくうちに、
絶妙の「書きまつがい」に気づいて
深夜に笑いが止まらず、
思わず一気に書き上げてしまいました。
しかし、それをアップする直前、
ちょっと心配になり始めました。
せっかくアンケートに答えていただいたのに
それに突っ込んで笑いものにするのは、
読者に対して失礼なのではないだろうか?
そんなふうに感じたのです。
そこで相談のメールを打ったところ
糸井さん(新入りなもので
まだdarlingと書けません)から、
こんな返事が返ってきました。
「だいじょうぶだと思います。
心配ないです。」
背中を押されるように翌日更新したところ、
届くメールには「笑った!」という感想、
「ありがとうございました」というお礼まで。
ほぼ日には、書き手と読み手の
特別な信頼関係があるのだなと
あらためて感じました。
少しずつ、距離感をつかみながら、
のびのびやらせていただこうと思っています。
若さのかけらもない新入りですが
これからもよろしくお願いします。
愉快なものに好んで巻き込まれるうち、
いつの間にかこの席に座っています。
(担当者 永田ソフト)
●【怒濤のテープ起しの合間に……】
(※「ほぼ日」は最近とても対談や
インタビューが多いと思いませんか?
即ページアップのための頼れる刺客、
現場の音声を録音したものを、正確に
「テープ起し」する「あさ」さんに、
今週は、しゃべってもらいましょう)
宮部みゆきさんが、もともとテープ起しや
速記者をされていたという情報を得て、
一気に自己評価を高めてしまった
テープ起し担当です。
「ほぼ日は対談や座談会が多いので、
テープ起しをしている人は
さぞや大変だろう」
というような、
驚異的洞察力を持つ読者の方から
メールを頂戴することもあり、
そのさり気ない一言が、
インドメタシン0.1%配合よりも
腱鞘炎によく効きます。
誰よりも早く対談を聞くことになるので、
誰に対してだかわからないけど、
申し訳ないと思うくらい
楽しませていただいています。
この楽しさをなるべく正確に、
鮮度の良いうちに伝えたい、
と、いっつも焦って進めているので、
作業が速いと喜ばれているようです。
正直言うと早く
先が聴きたいだけだったりもするので、
お礼を言われると、
いつもちょっと困ります。
今週は、これとこれとあれを起しました。
もうあれなんか、
ものすごいです、掛け値なしです。
みなさん、度肝を抜かれますよ、
覚悟して下さい。
泣いちゃうかも知れません。
もうどんなにあれが凄かったか
言いたくて口が張り裂けそうだけど、
しばらく我慢します。もうぎゃふんです。
(あさ) |
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