今週は、ふだんとは別の世界に触れること、
そして、そこで感じるなにか、ということを
テーマに、3つのコンテンツを紹介します!
【おいらが、市川染五郎さんを語る】
「『阿修羅城の瞳』の話し。
今回御一緒する『市川染五郎』さん。
彼は すっごいよ。
持って生まれた才能、血筋、・・。
そして生まれ育った環境、
与えられた状況・・。
役者として恵まれたものだとしても、
それ以上に背負うものも、大きい筈だし、
一概に他人が人を
恵まれてるって言うのも嫌なんだが。
冷静に見て かなり恵まれてる。
でも、それ以上に
彼は天才的な才能を持ち、
秀才の努力もする。
おいらが思うに
『天才であり、秀才である。』
染ちゃんは、お茶目だ。
ああ見えて かなりお茶目だ。
くそ真面目で冷静に見えるクールな顔立ち。
見れば見るほど ハンサムである。
が・・
かなり面白い。
がり勉君とコメディアンが 同居している。
・・・・なんか、
ちゃんと誉めてる?おいら・・・。
一緒にお芝居してて、
鳥肌が立つ瞬間がある。
歌舞伎の世界で 揉まれ磨かれてなきゃ
できない表現を流れるように、
さも簡単に魅せる。
これは、本当に見物。
が、歌舞伎をただ簡単に
多様してる訳じゃない。
彼は新感線の舞台で、
歌舞伎の世界と新感線の世界を
行ったり来たり出来る 唯一の人物である。
歌舞伎はどうも・・。
って方は、一度
この新感線と染ちゃんの
コラボレーションを、
ご覧になるといい。
もしかして彼は、
歌舞伎の世界を それとなく
苦手な方達に も極自然に
ナビゲートできる
希有な存在かもしれないから。
何だか難しく書いたが、
ほんっと、惚れ惚れするよん」
(※「おいら」の天海祐希さんが、
公演中の舞台『阿修羅城の瞳』で共演の
市川染五郎さんを語ったところです)
【仙台の地震を経験したイタリア人】
「ほんの一晩の経験から、
僕はほんとうに多くを知りました。
日本の、自然にたいする
果てしない愛情がどこから来るのか。
ヨーロッパ、少なくとも
イタリアでは出会えない、
自然にたいする
総体的で完璧な愛情は、何なのか。
僕は理解できたと思いました。
自然が与えてくれる美しい表情、
春の日射し、庭園の花、
森の緑、空の青、海の美しさなどを、
ただ愛するというのではなく、
愛さずにはいられない、
というふうに愛する日本。
その裏には、自然が見せる
『地震』という、
もうひとつの顔があったのですね。
その残酷さを知っているがゆえに、
自然のいちばん美しい顔を
愛さずにはいられない
日本の感情というものを、
僕は理解できた気がします。
美しく恵み豊かな自然の
いちばん根っこにいすわり続ける
吉凶、美醜、その葛藤をかかえる日本。
裏に潜むいちばん醜い顔を
知っているがゆえに、
その存在の最も美しい面を愛する。
これは出来るようでいて、
なかなか出来ません。
地震国という宿命が
日本人の愛情を育んだ、
と言えるでしょう。
ジャーナリストとして僕が訪れた
ほかのどの国でも、出会ったことのない
『愛情』ですから」
(※「フランコさんのイタリア通信」から。
フランコさん、バカンスで日本に来て、
仙台の大地震を経験してしまったのです。
しかし、却っていい経験だった、と… )
【マドリードでは気温48度の猛暑!】
「8月のマドリード、非常に暑い。
路傍の温度計に、
ついにこんな数字も表れた。
・・・48度!
セビージャなど南でやや内陸の地方では
ふつうに50度台の気温が
表示されているという。
もちろん日向なので
実際の最高気温より高いけど、
でも自分が街を歩けば
直射日光を浴びるわけで、
そりゃもうまったく本当にたまらんです。
汗をかくのも、もう飽いたばい。
本日の最高気温は41度。
湿度は10%台。
日没はだいたい9時半。
室内の温度計によると
夜中1時の気温は34度。
カレーも炊き込みご飯も
一晩で腐る暑さであり、
ようやく寝付いたと思っても
苦しくてガバと目が覚めるほど
喉が渇く状況。
なんでこんなに暑いかというと、
アフリカのサハラ砂漠から
シロッコという熱風が
吹いてくるからだそうだ。
おかげで、
風が吹いてもちっとも涼しくならない。
ぶおーっと熱風が吹きつけてくるかんじは
ちょうどエアコンの
室外機の前に立ったかのようだ。
そしてスペイン中央部は、
『9ヶ月の冬と3ヶ月の地獄』
という諺があるように、
冬の厳寒と、夏の酷暑で知られている。
周囲を山脈で囲まれた中に
メセタと呼ばれる標高600メートル前後の
台地が広がっているから、だそうだ。
マドリードは標高約650メートルになる。
手元の外来語辞典で、
『メセタ』を引いてみた。
『気温差が大きく、
乾燥していて農産物も少ない。
人が住むには適さない。』
……まぁねー」
(※「カナ式ラテン生活」より抜粋です。
スペインでのものすごい暑さを、
静かに語ってくれました。すごそう!)
担当編集者からのこぼれ話や
裏話をお伝えいたしまーす。
●【キリク座談会、大盛りあがり!】
真夏の深夜に、恵比寿ガーデンシネマで
映画『キリクと魔女』と豪華トークライブを
徹夜でたのしむ会は、さっき、数時間前まで
おこなわれていたのですが、
とっても、盛りあがったんですよー!
『カンバセイション・ピース』の
保坂和志さんも、来てくださりました。
ネット生中継でもおとどけしてた
高畑勲さん、大貫妙子さん、鈴木敏夫さん、
そしてdarling糸井重里での4人の長い会話は
やっぱり、会場と一体化して大盛況でした。
「その話、聞いてみたかった」
という方のためにも、
単に、会話のおもしろさのためにも、
後日、おそらく、その日の会話の様子を、
「ほぼ日」にて文字でおとどけしますけど、
今日は、その、ごくごく一部を、
ここで、ご紹介していきますね!
『キリク』テーマソングを作った
大貫妙子さんが、アフリカについて語る
ところ、盛りあがったのですが、
ほんの最初のところだけ、おとどけします。
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大貫
「ハイエナは、声の表現の種類が
とにかく多いので、
色っぽく感じるんですよね。
それは、ライオンよりもずっとそうです。
夜に、アフリカは真っ暗じゃないですか。
その夜に、ハイエナの
『キッキッキ!』というような声が
遠くから聞えてくると、
なんか、ゾッとして、いい感じです。
他にないんですから、たのしみが。
狩りをすると、ハイエナは、とにかく、
よろこんでキーキーうるさいんですよ。
あまりによろこびすぎて、
その声でライオンが来ちゃうの(笑)」
糸井
「やっぱり、大貫さんに頼んでよかった。
このハイエナの向こうに
広がる景色だとか、光だとか、
それを見た人と見てない人には、
すごい差があると思うよ」
大貫
「自分が今回作ったCDは、
いろんな制約もあったから、
できあがりは、
すごくイメージしたものでは
なかったのかもしれないけど、
でもそれをアフリカに持っていって
聴いたときに、少なくとも
違和感のあるものではない、
っていう風に思っています。
アフリカに行ったときに、
いっぱい、いろいろなものを
持っていくんですよ。
CD、かけてみるの。
・・・合わないのが、あるんですね。
東京だったら、すごくいいのに、とか。
見事に合わない曲、あります。
すごくダサく聴こえたり、とか。
やっぱり、音楽の内包しているものが
大きいものじゃないとダメみたい。
それがなんか、アフリカで聴いて
『いいな』と思える作品の
共通項じゃないかなぁ」
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二転三転した座談会、
他の人の発言も、とてもよかったんです。
「ほぼ日」紙面での登場を、
どうぞ、おたのしみにね!!!
(担当者 木村俊介) |
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