第1芸
アグネス・チャンの良い悪い |
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むかしから、「でんでんムシムシかたつむり」として
子供たちがやっていた「教室芸」が原型になっています。
左手の指を「パー」に開きます。
「これから、良いアグネス・チャンと
悪いアグネス・チャンをやります。いい? いくよ」と
宣言して、右手の人差指で、開いたほうの指を
順にたどります。
「チャン・チャン・チャン・アグーネッス・チャン」と、
となえながら指先をさわっていくわけです。
アグネスといぅ時に、開いた側の人差指の先から
親指の頭まで、滑るように進ませます。
で、「これは、良いアグネス・チャン」と宣言し、
良いアグネス・チャンを紹介します。
「じゃ、悪いの、いくよ」と、似たような動作をしますが、
少しだけ変化させてください。
この遊びを知っている人たちは、一度動作をするごとに
「わっ、悪いわねぇ、悪いよ、
それは最悪のアグネス・チャンだ」とか、
「良いよ、最高アグネス・チャンだね」とか
横から声を入れます。
「チャンチャンアグアグアグ(わ、苦しい)アグー、
ネスネスなのだ、チャン」などと
コトバを滅茶苦茶にしても、指の順を狂わせても
良いものは良いし、悪いものは悪いと、
ハッキリ決まっているので、
知らない人はわけがわからなくなります。
この遊びの楽しさは、何度もくりかえして出来
るところにあります。
指の順を変えたり、コトバを変えたりはもちろんのこと、
ひどい人は「ど−だ!?」とか、「まいったか」とか、
全くわけのわからないことをやって見せたりもします。
しかも、ゲームを知っている人は、
一致して「良い」と「悪い」の断定をするので、
知らない人は、どんどん不安になります。
実は、始める寸前に「いい?」と言ったら「良い」、
言わなかったら「悪い」となるのです。
イラストレーション:夏目房之介 |