ITOI
スナック芸大全


110 ピサの斜瓶


モノがまっすぐ立っていないと、
人はビックリをします。

イタリアの「ピサの斜塔」などは、
塔が斜めになっているというだけで、
世界の七不思議に数えられております。
 
斜めというだけで、世界中から観光客が押し寄せ、
多くのお金を落としていってくれるのです。

なんと世間とは甘いものなのでしょうか?!

それくらいなら、あなただって、すぐやれる。
斜めに歩いて観光客を呼びなさい。
 
それにしても、地震で倒壊しかかった建物が、
せっかく斜めになっているのに、
ちっともモテないのは、どうしてだろう。

ビンを斜めにして、ウケてみましょう。

用意するのは、百円玉1個と、
ビールかコーラの瓶です。

瓶は、カラでないほうが、
スリルがあっていいでしょう。
「この百円玉を台にして、その上に、
この瓶を斜めに立ててごらん」と、
周囲の人々に試させます。

みんな、思ったようにうまくいかないから、
「お、おまえ、出来るのかよー」なんてことを
言いますですね。

あなたは、出来るのです。
シカケを知ってるから。

百円玉には100という数字が、
かなり大きく刻印されております。

この数字の、0の円の中に、瓶の底を置きます。

角になっている部分を、周到に慎重に、
噛みあわせるようにして、
しばしばバランスの調整をします。

ホレ、立った。斜めに。

斜めにする方向は、特に決まってませんが、
手前に倒すようにしたほうが、早く出来るようです。
 
なお、この遊びの取材中に
「百円玉なしで、瓶を斜めに立てる」
バーテンダー氏がいる、という未確認情報が入りました。
本当かなア……。

2001-04-29-SUN

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