宇和川 大きく変えたのは袖口のデザイン。 袖口にスリットを入れました。 幅広い世代の方に着ていただけて、 ちょっと女性らしさをかもし出せるように考えて、 大胆に袖口にスリットを入れました。

―― 置いてある状態だと 一見ふつうのロンＴに見えるんですが、 見ると着るとじゃ大ちがい！ 着てみておどろきました。 こんなにイメージが変わるなんて。

宇和川 そうなんです。 着ていただいて、腕を曲げたりすると 生地がハラリと揺れ落ちて 肌がのぞくと大人っぽく見えます。 ロングスリーブＴシャツがもつスポーティさから、 ちょっと女性らしさをプラスできたように思います。 袖口のスリットに合わせて、 裾のスリットも深めにとっています。

―― これまでデザインしていただいた Rosyのトップスの中でもいちばん深いように思います。 測ると10cmくらいでしょうか。 ぐっと女性らしく。

宇和川 スリットが入ることもあって、 袖丈は８〜９分くらいに設定しました。 たとえばお皿洗いや拭き掃除など 家事をしているときに袖が長いと着づらいので、 ちょっと短めに。 袖口のスリットの裏にもテープしまつをして、 縫製のあとが見えない仕立てにしています。

―― 細部にまでいきとどいた心配り、さすがです。 着て動くと袖がちょっとフレアシルエットになって、 手首が細く見える感じもありますね。 手の動きによって、シルエットがまったく変わるっていう。 きれいなスカートとか合いそうです。

宇和川 Rosyのきれいな素材感にぴったりですね。 さらに襟の仕様もきれいな雰囲気で着ていただけるように 身ごろと同じ生地を使いました。

―― いっぽうジェンダーレスはほんのりアップデート。 パッと見はそこまで昨年と変わらないように見えますが‥‥。

加藤 微調整の範囲ですが、着丈を少しだけのばしました。 20回くらい着て、洗濯をそのたびにしていたら、 生地がちょっとやせてきて縮みが気になったんです。 だから、最初から 縮率（生地を洗濯したときに生地が縮む割合）を考慮して、 ５%ぶんのばしておこうと。

―― 加藤さんが実際に たくさん着ていただいているからこその意見ですね。

宇和川 背の高い方にはより着やすくなったと思います。

加藤 たくさん着ていただいてやや縮んでも 着丈は気にならなくなったと思います。

―― カラーはレディス、ジェンダーレスともに オフホワイト、クリームイエロー、セージグリーンに スチールグレーと全４色で展開します。 春夏がはじまるぞってウキウキするような色を選びました。

宇和川 ニュアンスのあるすてきな色ばかり。 イエローやグリーンはほんのり色づいた明るさで、 男性も女性も着ていただきやすい色合いですね。

加藤 控えめなグレーも コーディネートを選ばない色。 今年もきっとたくさん着そうだなぁ。