ほぼ日ホワイトボードカレンダー2020

ほぼ日ホワイトボードカレンダーが続く理由

「カレンダーなんて、どれも同じでしょ?」と思っていません‥‥か?声を大にしてお伝えしたい、「ちがうんです!」と。だって、ほぼ日ホワイトボードカレンダーっていちど使うと、かなりの割合で「次の年も続けて使ってもらえる」商品だから。リピート率は「7割」以上(ほぼ日調べ)で、全国ロフトの売り場でも発売以来「14年連続」で売り上げ第1位を記録中。じつはけっこう、すごい商品なんです!そこで、長年お使いのみなさんに「どうして、続けて使ってくださるんですか?」と理由をうかがってきました。不定期連載で、おとどけしていきますね。

Loft 14年連続カレンダー売り上げ第1位カレンダーなんて、どれも同じでしょ?」と思っていません‥‥か?
声を大にしてお伝えしたい、「ちがうんです!」と。
だって、ほぼ日ホワイトボードカレンダーっていちど使うと、かなりの割合で「次の年も続けて使ってもらえる」商品だから。
リピート率は「7割」以上(ほぼ日調べ)で、全国ロフトの売り場でも発売以来「14年連続」で売り上げ第1位を記録中。じつはけっこう、すごい商品なんです!
そこで、長年お使いのみなさんに「どうして、続けて使ってくださるんですか?」と理由をうかがってきました。
不定期連載で、おとどけしていきますね。

004 藤田貴大さん(マームとジプシー)

004

藤田貴大さん(マームとジプシー)

藤田貴大(マームとジプシー)

1985年生まれの劇作家、藤田貴大が
すべての作品の脚本と演出を務める演劇団体として
2007年に設立。
固定の俳優やスタッフはおらず、
作品ごとに人をあつめ、公演を行っている。
2011年6月~8月にかけて発表した三連作
かえりの合図、まってた食卓、
そこ、きっと、しおふる世界。」
で、「演劇界の芥川賞」ともいわれる
第56回岸田國士戯曲賞を受賞。
2013年8月に今日マチ子原作「cocoon」を舞台化し、
演劇のみならず様々なジャンルの作家や批評家、観客に
インパクトを与えた。
チケット販売日から数日で販売予定数が終了するなど
現在、注目を浴びている劇団のひとつ。

第2回 あと‥‥かわいいじゃないですか。

  • 藤田

    ここ、ライブ行きたいんだよねぇ‥‥。

  • ──

    それは「希望」ですね。

  • 藤田

    でも、行きたいんだけど、稽古が‥‥。

  • ──

    いちおう書いておいたらどうですか。
    ライブに行きたい」と。

    商品の特性上、いつでも消せますし。

  • 藤田

    書いたら消したくない‥‥。

  • ──

    つまり、そのあたりは
    お仕事が山場を迎えてらっしゃると。

  • 藤田

    でも、8月のここは、ここは絶対に行く!
    だってチケット取っちゃったもん。

  • ──

    今のは「宣言」ですね。

  • 藤田

    ええ、何が何でも行くんです。
    もう、絶対に見たいバンドなんですよ。

  • ──

    ちなみに現時点で書き込みのある8月まで
    ずっと何か書いてありますけど
    藤田さんの、おやすみ的なものって‥‥。

  • 藤田

    基本的には、ないです。

  • ──

    ない。え、1日も?

  • 藤田

    今の8月のオフを逃したら、
    福島からドイツ、
    そのあとはすぐにイタリアに行って‥‥
    年末はずっと公演だし、
    なんか来年の2月くらいまで
    ずっと、仕事の予定が詰まってますね。

  • ──

    それは、お仕事が楽しいから、
    別におやすみ要らないってことですか?

  • 藤田

    うん‥‥夜とかに
    みんなでごはんを食べたりするのが、
    気分転換になってるので、まあ。

  • ──

    でも、今日はなんにもないやという日も
    あってほしくないですか?

  • 藤田

    ええ、そうなんですけどね。
    でも去年、イタリアから帰ってきたとき、
    ぽっかり1日、空いたんです。

    そしたら、挙動不審になっちゃって‥‥。

  • ──

    どうしたらいいのか、と(笑)。

  • 藤田

    「あれ、今日何したらいいんだろう俺?」

    ‥‥みたいな感じで、
    にわかに「どうしよう」となったんです。
    家で過ごすとか絶対ダメな人間なので
    渋谷へ行って、CDを買おう!」
    と思い立って
    CD屋に行ったら、何もほしくないんです。

  • ──

    むりやり来てはみたけれど(笑)。

  • 藤田

    ああ、すでにぼくは、CDというのは、
    ぜんぶ演劇のために買っているんだってことに
    その場で気づき、
    もう趣味じゃなくなったんだと絶句し。

  • ──

    ええ(笑)。

  • 藤田

    これはヤバいと思って店から出て、
    なんか食べよう」‥‥と思ったとき、
    こんどは
    ここ数年、
    ひとりで外でごはん食べたことない」
    という事実に気づいたんです。

  • ──

    えぇ?

  • 藤田

    基本的に、毎日が何かしらの仕事だから
    みんなと旅したり
    必ず、だれかといっしょにいるので、
    外で、ひとりでごはん食べたことがなくて。

  • ──

    どうされたんですか。

  • 藤田

    牛丼屋に入って、牛丼を注文しました。

    そして、
    いざ、目の前に注文した牛丼が来たら
    牛丼食いたくねえ」と‥‥。

  • ──

    完全に自分を見失ってらっしゃいますね。

  • 藤田

    しかたなく、
    友人でライターのハシモトさんに電話し、
    今日、夕方から飲みませんか?」
    と、牛丼を前に、メールをしたんです。

    おとといまで、ずっといっしょに
    海外ツアーまわってた人なんですけどね。

  • ──

    迷走です。都会の真ん中で。

  • 藤田

    夕方まで6時間くらいあったんですけど、
    雨がザーザー降ってきたので
    大きな本屋に入ったら
    なぜだか値段の高い本ばかり買っちゃって
    信じられない散財をし、
    両手いっぱいが「本」になっちゃって
    傘もささずに、ずぶぬれで
    2日ぶりにハシモトさんに再会するという。

  • ──

    藤田さん‥‥。

  • 藤田

    ハシモトさんにも
    同じようなリアクションをされました。

  • ──

    でも、こんどの8月のオフは
    ライブに行く」という予定があるから
    大丈夫そうですね!

  • 藤田

    はい、そこは
    キョドらないで過ごせると思います。

    ‥‥すみません、カレンダーの話から
    わけの分からない方向へ行って。

  • ──

    いいんです。おもしろかったので。

  • 藤田

    あと‥‥かわいいじゃないですか。

  • ──

    いいんですよ、むりやり。

  • 藤田

    いや、せめて言わせてください。

    さっきも少し言いましたけど、
    ぼくらの現場って、女子も多いですから、
    いわゆる演劇の現場にあるような
    イカツイものって、置きたくないんです。

  • ──

    デカくて黒くて固そうなもの‥‥とか?

  • 藤田

    そう、意外とマッチョな部分があって。

    なんか、みんなの視線が行くところに
    かわいいものがないと嫌みたいなノリが、
    マーム」には、すごくあるんです

    カレンダーのバーには、エンボス加工で「mum & gypsy」のシールが貼られています。

  • ──

    なるほど。カレンダーの取材っぽい話に。

  • 藤田

    だから、これ、うまく伝わるかどうか‥‥
    いわゆる
    演劇の稽古場に置かれているようなもの、
    すべてが「業務用」みたいな、
    あるいは、
    男優さんが脱ぎ散らかしたTシャツとか、
    そんなものばかりが目に入ると
    なんか、気分も殺伐としてきますよね。

  • ──

    ええ、ええ。

  • 藤田

    だから、このホワイトボードカレンダーは
    そういった諸々の、
    演劇的な条件をクリアして、
    ぼくらの稽古場に
    置いておきたいカレンダーになっています。

  • ──

    なるほど。

  • 藤田

    ‥‥なかなか伝わらないと思うんだけど、
    この話(笑)。

  • ──

    いえ、大丈夫です!

    本日は、
    ふだんのカレンダー取材では聞けないような
    楽しいお話、ありがとうございました(笑)。

    稽古中の「cocoon」の出演者の皆さん

<おわります>

2015-09-08-TUE

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