「眠りのなやみ、教えてください。」というコーナーに、
ほんとうにたくさんの質問や相談が
読者のみなさんから届きました。
ご協力、ありがとうございました!
今回から3回にわたって、皆さんの眠りのなやみに、
快眠セラピストの三橋美穂さんが答えていきます。
(すべてにお答えできなくてごめんなさい)
1回目のテーマは「眠りが浅い」というおなやみです。
眠っているはずなんだけど、
「あれ? 雨が降りだしたかも」とかがわかる。
そして雨が降ってくれば
雨だれのピチョンピチョンが気になって目が覚める。
朝の新聞屋さんのオートバイの音で、
「あぁ4時くらいだな」とか、わかりながら寝ている。
眠れるためのBGMを流して寝てもダメです。
(曲を覚えてしまって、次はあの曲だよと思ってしまう)。
かといって決まった時間に起きられないかといえば、
そうでなく、すぐに起きられます。
ちなみに小学生のころまではちゃんと寝てました。
でも中学3年生のころ、睡眠時間を先生に聞かれて、
「8時間」と答えて「バカかお前は、受験生なんだぞ」
といわれて、そのころから「睡眠時間が長い=×」
という意識が染みついているのかもしれません。
(トヨタのミューミュー)
三橋
眠りが浅くて、
音が気になってしまうというお悩みです。
質問しれくれたトヨタのミューミューさんは
無意識に緊張しているのかもしれません。
緊張すると眠りが浅くなりがちなんですよ。
──
受験生が8時間も寝てバカか、
みたいに言われてから、
睡眠時間が長いことを
ネガティブにとらえている部分もあるかも、
とのことです。
三橋
昔は受験用語で、
「四当五落」と言われてましたよね。
4時間睡眠で勉強をがんばる人は合格できて、
5時間以上寝ていると不合格になるぞ、
という意味です。
──
バリバリの根性論!
三橋
昔は寝ないでがんばるのが
美徳とされていましたが、
今は、睡眠時間をしっかりとることによって、
勉強したことが
記憶に定着するというのが常識です。
──
睡眠によって勉強が定着する‥‥。
受験生も、ちゃんと寝たほうがいいですね。
三橋
もちろんです。
で、緊張が強いと思われる方におすすめなのは、
筋弛緩法というリラクゼーションのメソッドです。
人は無意識のうちに身体に力が入っているので。
いったんグーっと力を入れて、
スッと緩ませるという方法で、
全身の力を抜いてリラックスすることが大事です。
筋弛緩法をやってみると、
自分の身体が緊張していたり、硬くなっていたことが
わかると思います。
──
以前、教えていただいた筋弛緩法ですね。
わたしは寝る前にやっていますが、
ほんとうにリラックスできています。
三橋
気持ちいいですよね(笑)。
筋弛緩法はさまざまな効果が報告されていて、
寝つきが早くなったり、
睡眠時間が延びて熟睡感がアップします。
また、疲労感や不安感の軽減、頭痛の解消といった
プラスの効果も期待できます。
寝る前や、睡眠の途中で目が覚めてしまったとき、
眠りが浅いと感じたときは、
筋弛緩法でリラックスしてみてください。
2時間くらいで目が覚めてしまいます。
もう充分眠った感じで朝かなと時計を見ると夜中。
そこから寝つけなくなり
あと1時間がまんして起きてしまおう!
などと思っているうちに再び眠りにつき、
起きる予定の時間をすぎてしまいます。
69歳、フルタイムで仕事してます。
昼間に眠くなることはありません。
(dra)
毎日、2時間半ごとに目が覚めてしまいます。
いちど目が覚めたら寝られないわけじゃないけど、
2時間半後に目が覚めちゃうのです。
毎日、23時半ごろに寝て翌朝6時半に起きてます。
いちども起きずに朝まで寝るには
どうしたら良いのでしょうか?
(ラスカル)
三橋
睡眠の途中で目が覚めてしまうという、
同じなやみをもつ方は多いです。
最初の方は「昼間に眠くなることはありません」と
書かれているので、
おそらく睡眠時間は足りています。
──
でも2~3時間で
目が覚めてしまうのはつらいですよね。
三橋
つらいですね~。
この方は目が覚めたときに時計を見るクセがあるようですが、
それによって「また目が覚めてしまった」という
意識が強くなってしまいます。
自分に余計なプレッシャーを与えないように、
目覚めても時計を見ないようにしましょう。
それから、睡眠の途中で目が覚めてしまったときは、
無意識に身体が緊張していることが考えられます。
あと、一般的に、寝る前にお酒を飲んでしまうと
睡眠の質が下がって
途中で目が覚めやすくなります。
この方の場合は、
まず、筋弛緩法による脱力でリラックスしてから、
カウントダウン法をするのがおすすめです。
──
カウントダウン法も以前教えていただいて、
個人的には効果てきめんです。
途中で目が覚めてしまったときにも
カウントダウン法がいいんですね。
もしそうなったら、やってみます!
スッキリ目覚めた感がないのです。
いつも、いやいや起きています。
というのも、毎日、なにかしらの夢を見ます
(夢を見たことを覚えています)。
長い夢のことも、短い夢をいくつか見ることもあります。
夢を覚えているということは、眠りが浅いのでしょうか?
ぐっすり感がないのです‥‥。
(M)
三橋
毎日のように夢を見ることで、
眠りが浅いと感じてしまう、
という相談は多いです。
──
読者さんから眠りの疑問や相談をいただいて、
イヤな夢を見るのは
自分だけじゃないんだとわかりました。
三橋
よく見るんですか?
──
見ます。
うまく眠れていないときは、
なぜかイヤ~な夢を見るんです(笑)。
夢の内容が、現実の仕事とか心配事と
つながっていることが多かったりもします。
三橋
皆さんそれぞれに
ストレスや不安をかかえていて、
それが夢に反映されることもあると思います。
ただし、夢を見ているから眠りが浅い
ということではないんですよ。
──
あ、そうなんですか。
三橋
人はレム睡眠のときは基本的に夢を見てるんです。
で、起きた直後は、夢を見ていたなと思っても、
すぐに忘れてしまうことが基本です。
ふだんは夢のことをぜんぜん覚えてないけど、
今回は夢の内容が強く残っているなという場合は、
少し眠りが浅かったかもしれない、
という程度ですね。
──
夢を見ること自体は普通のことで、
眠りが浅いことと結びつける必要はない。
三橋
そうです、大丈夫ですよ。
──
でも、はっきりと夢の内容を覚えていたら、
眠りが浅かったということですか。
三橋
浅かったかもしれない、というくらいです。
夢のことだけでは、
眠りの深さを測れないので。
──
なるほど‥‥。
となると、私たちはどんなことを目安にして、
自分の眠りが深かったか浅かったかを
判断すればいいのでしょう?
三橋
日中に疲れや眠気を感じる場合は、
眠りが浅い、睡眠時間が足りていない、
と判断します。
──
ああー。
三橋
日中の体調が、眠りのバロメーターなんです。
この質問をしてくれた方は、
ぐっすり眠れた感じがしない、とのことなので、
やはり無意識に緊張していると思います。
──
緊張している。
ということはやはり‥‥。
三橋
そうですね、リラクゼーションメソッドのうち
筋弛緩法でリラックスすることや、
4-7-8呼吸法でからだをゆるめて、
呼吸を深くすることがおすすめです。
──
4-7-8呼吸法。
これもリラックスできました。
やっぱり、脱力して
リラックスすることが大切なんですね。
三橋
ええ。
どちらも簡単にできますので、
ぜひマスターしてほしいです。
どんなに疲れていても6時間寝ると目が覚めます。
もちろん疲れはとれません。
熟睡を感じたこともほとんどありません。
6時間以上寝られたのは、中学時代の運動部で
めちゃくちゃ身体を動かしていたときくらいです。
ちなみに、ふだんは布団に入った瞬間に眠って
次の瞬間には目が覚めるという感じです。
お風呂にゆったり入るといいと聞きましたが、
湯あたりするので長風呂ができません。
こんな私でも熟睡できますか?
(T)
三橋
寝入りはよいのですが、
6時間で目が覚めてしまい、疲れがとれない、
もっと寝たい、というおなやみですね。
この方も、おそらく無意識の緊張がありそうなので、
寝る前に、筋弛緩法と4-7-8呼吸法によって、
リラックスして、呼吸を深くした状態で
眠ることをおすすめします。
──
脱力して寝るってほんとうに大事なんですね。
この方は、中学時代に運動部で活動していたころは
6時間以上寝られたとのことですが、
運動と眠りの関係は、どうなんでしょうか?
三橋
基本的に、運動は睡眠にとって有益な習慣です。
週3回以上、何らかの運動をしてる人は
睡眠の質がよくなると言われています。
でもふだん運動をしていない人が
急に激しい運動をすると、
その夜は興奮して眠れないこともあります。
──
わたしは、ふとんに入る前に腕立て伏せをしたら、
妙に覚醒してしまって、
寝る前にやっちゃダメなんだ
と思ったことがあります。
三橋
寝る直前の運動はやめたほうがいいですよ。
運動はやる時間帯が大事ですから、
しっかり運動するのだったら、
就寝までに3時間は空けたほうがいいです。
──
3時間は空けたほうがいい。
食事と一緒ですね。
三橋
そうですね、
食事も寝る直前はよくありません。
──
寝る前のお酒はどうなんでしょう?
三橋
さきほどのすこしふれましたが、
寝る前のお酒は、
百害あって一利なしと言われています。
眠れないときにお酒を飲むと、
最初は血行がよくなってリラックスできるので、
とりあえずは眠れるという人もいます。
でも、アルコールは睡眠の質を下げるので、
睡眠の途中で目が覚めてしまい、
そのあと眠れないということが起こるんですよ。
アルコールのほかに、たばこ、カフェイン、
夜食、寝床スマホも睡眠を浅くするので
気をつけてください。
──
なるほど。
三橋
まず最初は、
「眠りが浅い」というテーマでしたね。
その原因として考えられるのは無意識の緊張です。
身体から力を抜いて、リラックスした状態を
つくることがとても有効なので、
筋弛緩法、4-7-8呼吸法、カウントダウン法といった
リラクゼーションのメソッドを試してくださいね。
そのほか、体内時計が乱れると睡眠が浅くなるので、
毎日決まった時間に起床することも心がけてください。
※それぞれの方法はこちらのページにまとめられています。ぜひ!
(質問へのお答え編、つづきます)
眠りのなやみ、
おしえてください。
日ごろ、眠りについて気になっていること、
疑問に思っていること、困っていることはありませんか?
ささいなことでもかまいませんので、ぜひ教えてください。
「ねむくま」編輯部と、顧問の三橋美穂さんが、
いっしょに調べて回答します。
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