ほぼ日のにほん茶でお世話になっている
お茶屋さんが、
「片桐はいりさんって、
すごくお茶がお好きなんですよ。
ほぼ日もよく見ているそうです」
と教えてくださいました。
えええ、片桐はいりさんといえば、
舞台、映画、ドラマに‥‥と
幅広く活躍なさっている女優さんです。
お茶がお好きで、
しかも、ほぼ日を見てくださってる‥‥?
それはぜひお話をうかがいたい、
ということで、
インタビューさせていただきました。
聞き手は、にほん茶チームの藤田です。
ピリオドが必要。
- (お茶をお出しして)
- 片桐
- いただきます。
これは、なんのお茶?
- ――
- ほぼ日で販売しているお茶で、
「ぽっかり」といいます。
毎年、うおがし銘茶さんに
作っていただいているんです。
- 片桐
- おいしゅうございます。
- ――
- ありがとうございます。
エッセイを拝読したら、
弟さんがグアテマラに行かれたのをきっかけに、
家でもコーヒーを飲むようになったと、
お書きになってましたね。
それまではずっとお茶しか飲まなかったんですか。
- 片桐
- そうなんです。
それまでコーヒーを飲む習慣はなかったです。
でも、弟が豆を持って帰ってくるもんだから、
父親が、ガリガリ、ガリガリって
挽いて飲んでました。
食後にはお茶かコーヒーをいれて、
甘いものがあって‥‥。
私も実家に行くときは、
必ず季節のお茶菓子を持参してましたけど、
両親ともいなくなった今は、
お土産を買う相手がいなくなっちゃいました。
今は私、食後はお茶だけにしてるんですが、
甘いもの食べたいなとついつい思っちゃいます。
いつも家族と食べてたからね。
- ――
- 合いますよね、お茶と甘いもの。
- 片桐
- そうなんですよ。
なんか「ピリオド」という感じがするでしょ?
- ――
- ピリオド。
- 片桐
- 食後に、それがないとちょっとね。
必要な時間なんですよ。
- ――
- 食事中は飲まないんですか。
- 片桐
- 飲まないです。
よく、食事を頼むときに
「お飲みもの何になさいますか」
とか言われるけど、飲まないですね。
でも、お味噌汁やスープは飲みます。
実家では、コンロが常に食卓の横にあって、
お味噌汁やスープがお替り自由で、
お鍋をあたためながら食べる家庭だったんです。
出演した映画『かもめ食堂』には、
おむすびと焙じ茶が出てくるんですけど、
私からすると、お味噌汁がほしいなあ(笑)。
- ――
- お茶は食後に。
- 片桐
- はい。でも最近、食後すぐに緑茶やコーヒーを
あまりにも飲みすぎると、
鉄分の吸収がどうこうでよくない、
というような話を聞いて、
飲む量は少し控えめになりました。
別にそんなカフェインを
恐れてるわけじゃないけど(笑)。
昔は本当に、
もう、ガバーッと。
うおがし銘茶さんでも大量に買って。
- ――
- そんなに飲まれてたんですね。
うおがし銘茶の方にうかがったんですが、
ある日、はいりさんがお店で
「飲み過ぎると害になることはありませんか」
と訊かれて、スタッフのみなさんが
「大丈夫ですよ」とお伝えされたと聞きました。
『銀座百点』という冊子にも
お茶について書かれたそうですね。
- 片桐
- あぁ、
そうだ、そうだ。
そうしたら、その商品が売り切れちゃったんです。
- ――
- ええ、どんなお茶だったんですか?
- 片桐
- たまにうおがし銘茶さんの店頭に出るお茶で、
玉露っぽい感じの、でも玉露ではないお茶。
それを「気に入った!」と、つい書いたら、
その後から注文が殺到して、
私も買えなくなって、
もうね、
「フン! 二度と一番好きなものは紹介しない」
と思いました(笑)。
- ――
- (笑)
- 片桐
- で、その後は、うおがし銘茶さんから
毎月お茶を届けてもらうシステムを
利用するようになったのですが、
それでも家族がいたときは、
いっぱいあってもすぐなくなっちゃうので、
よく店頭に買いに行ってました。
今、1人になっちゃったんで、
そんなには買いに行かなくなっちゃったけど。
- ――
- エッセイの中に、
弟さんの住んでいるグアテマラにも
お茶を持って行かれたと‥‥。
- 片桐
- そう、喜ぶかなと思って持って行ったんですけど、
そんなに「日本茶いれてくれ」とは
言われなかったですね。
お嫁さんも、お砂糖が入っていない
飲みものはほとんど飲まないし。
- ――
- あちらの方は、
「コーヒーにも砂糖をたっぷりいれる」
と書いてありましたね。
- 片桐
- はい、すごい量ですよ。
コーヒーでもお茶でも、
砂糖をいれてないものを飲んだときは、
まるで毒を飲んだみたいな、
ものすごい反応をします。
- ――
- たしかに、海外では
ペットボトルの緑茶にも
砂糖が入っているものがありますね。
- 片桐
- そうじゃない緑茶もあるけど、
たいてい砂糖が入ってますよね。
私はそれ飲めないから、
持参したお茶を飲んでます。
ロケとかで長期滞在するときは
急須も持って行きますし。
- ――
- 急須はどういうものを
使っているんですか?
- 片桐
- 家で使っているのは、
ほとんど、うおがし銘茶さんで買ったものかな。
最近気に入ってるのは、
一杯だけいれられる小さくて取っ手のない急須。
- ――
- ああ、ありますね。
- 片桐
- 私は贅沢なことに一煎しか飲まないから、
それがちょうどいい。
うおがし銘茶さんのお茶って、
何煎でも飲めるんですよ。
飲めるんですけども、
そこだけは贅沢して一煎にしちゃう。
生意気ですね(笑)。
- ――
- いや、いいですねぇ。
- 片桐
- もちろん
「本を読みながらお茶たっぷり飲みたい」
というときはマグカップにたっぷりいれて飲みます。
なんか、うおがし銘茶さんのお茶のいいところは、
雑にいれてもおいしい、
というところだと思うんです。
有名なお茶屋さんのものでも、
ちゃんといれればおいしいんだけど、
雑にいれるとおいしくないときがあるんです。
いいお茶とか、高いお茶でも、
葉っぱをいれすぎると、
「ベェーッ」みたいになることがあったり。
- ――
- (笑)
- 片桐
- なんでなんでしょうね。
うおがし銘茶さんのものは
葉っぱをいれすぎても、出すぎちゃっても、
あんまり「ベェーッ」ってならないのが
すごいなぁと思って重宝してます。
- ――
- 本当にそれは思います。
私も最初はいれ方がわからなくて、
適当にいれてたんですけど、
それでもちゃんとおいしくて。
何年か前に
うおがし銘茶の方から直々にアドバイスいただいて、
小さい急須で
湯冷ましを使っていれる
というのを心がけてますけど、
でも、そこまでちゃんといれなくても、
おいしいんですよ。
- 片桐
- 雑にいれてもお茶のほうで
対応してくれますよね。
(つづきます)
2018-02-06-TUE
※このインタビューは2017年12月に行ったものです。
(C) HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN