TALK

満足を超えて、心を動かすために。

JEANLOUPのヘアオイルに込められたもの

HOBONICHI

昨年までの生活のたのしみ展で、
草場妙子化粧品店で取り扱うたびすぐに完売していた
JEANLOUP(ジャンルー)の「ヘア エッセンスオイル」
オイルなのにベタつかず、
サラサラに仕上がるユニークなアイテムです。
作り手でヘアデザイナーのNNAOさんのアトリエへ伺って
制作の背景を聞く‥‥予定でしたが、
話題はそれだけにとどまらず、
草場さんが「時間が足りない!」というほど
興味深いテーマがたくさん飛び出しました。
あらゆる方向に知識を持ち、
パワフルに活動するNNAOさんの
人柄が見えてくるインタビュー。
どうぞおたのしみください。

タイトル写真川村恵理

NNAO(なお)

2000年より、美容師として都内某有名美容室に 12年勤務し独立。 2014年に、(株)Tillmansを立ち上げ、 ヘアオイルなどを開発、発売開始する。 化粧品開発のノウハウから、 数々のクライアントの化粧品ブランドのアイテムを生み出す。 「 美しく豊かに生きる」をモットーに活動を広げていく。

JEANLOUP /ジャンルー

東京・中目黒でプライベートサロンを主宰するヘアデザイナー、NNAO氏のブランド。美容師として約7万人ものさまざまな髪の悩みに向き合い、妥協することなく研究をかさねて作ったのが「ヘアエッセンスオイル」。理想の手触りと艶を目指した唯一のプロダクトには、ファンの支持も多く集まります。

VIEW ITEMS

02 7:3の法則

草場 NNAOさんにお会いするのは2回目なんですけど、
前回お会いしたときに
「7割の気持ちで仕事をやる」って言われたのが
ずっと頭の中にあるんです。

NNAO ああ、7:3の話でしたっけ。

草場 そうです。
もう一度聞いてもいいですか。

NNAO この割合が世界の法則らしいっていう話なんですけど、
たとえば地球は海が約7割で、
陸地が約3割でできていますよね。
空気中の「窒素:酸素とその他の気体」や、
「働きアリ:働かずに待機してるアリ」も
似たような割合で、
働かないアリを働きアリの中に入れても
また同じ割合に分かれるそうなんです。
あらゆるものがそういうバランスで成り立っているので、
仕事と遊びもそのくらいの割合でするのが
いいんじゃないかなと思っていて。
僕の場合は7割の方が仕事じゃなくて
遊びのこともあるんですけどね(笑)。

草場 それはもう、達人ですね。
私の場合は、今まですごく頑張って仕事をしてきて
休んだり遊ぶことをあまり考えてこなかったんですけど、
NNAOさんからこの話を聞いたときにハッとして、
私も3割は余裕を持っておきたいなと思ったんです。
ただ、実際は今10割以上
仕事をしているかもしれません‥‥。

NNAO えっ。それは大変だ。

草場 でも、それは自分なりに段階として捉えていて、
この先7割にしていくための10割だと思って
今は走るときだと感じてるんです。
いつそうなれるかはわからないですけど、
この話はずっと忘れずに頭の中にあります。

NNAO こういう考え方って誰も教えてくれないですもんね。
僕のサロンにもいろんなお客さまが来てくださいますけど、
頑張り屋さんな方ほど
100%が目指すべきところだと思って生きているので、
「今日は98%だった。あと2%足りなかった‥‥」
って完璧じゃない自分を責めたりして。

草場 すごくわかります。そうなんですよ。

NNAO でも余白や遊びがないとたのしめないですし、
7割を超えてしまったら
戻そうと思うといいかもしれない。
さらにその先へ進めるなら、
自分の仕事は3割にして
残りの7割はボランティアとか
人のために使うこともできるので、
やっぱり余裕は大切だと思います。

草場 そんなふうに生きれたら素敵ですね。
そうはいっても日常の中で
思い通りにいかないこともあると思うんですけど、
NNAOさんはそんなときどうされていますか。

NNAO 自分のことを俯瞰して見つめています。
イライラしてるなと思ったら、
その自分をちょっと上から客観的に見て
「あれ? 荒れてるね。大丈夫そう?」って声をかけながら
自分の身体をさすってあげます。
誰かといるときなら
「ちょっとごめんね」ってトイレに行って
よーし、よしって胸のあたりをやさしく撫でれば、
浅くなっていた呼吸も深くなって落ち着けますよ。

草場 それはもう、さっそく実践します。

NNAO この「自分を俯瞰して見る」というのは
すごく大事なことだと思っていて、
結局自分を一番見ているのって自分なんですよね。
だから、やると決めたことをやらなかったりしていると
それを見ている自分から信じてもらえない。
「自信」がなくなるんです。

草場 なるほど。
自分を信じると書いて自信ですもんね。

NNAO そうです。
ちゃんと有言実行していくと
自分自身を頼れるようになって、自信がわいてきます。
僕は何か気になったりやりたいなと思ったら
その気持ちに素直に動くようにしてますけど、
それでたとえミスをしてもいいんです。
それは何かを学べるチャンスですから。

草場 うまくいかなくてもいい。

NNAO 「失敗した」って思わなくていいと思います。
何も「失って」ないし、「敗れて」もいない。
「ミスしたな、次いこう!」くらいの
ポジティブな気持ちでいます。
僕はこういう自分なりのルールを
中学生の頃から生徒手帳にメモしていて、
「愛の30箇条」って書いてあるんですけど、
今と言ってること、全く変わらないです。

草場 どんな中学生ですか(笑)。

NNAO ははは。
ちょっと変わってますよね。

草場 そんな中学生が美容師を目指したのは
どんなきっかけだったんでしょう?

NNAO 中学の頃は、なんとなく
人によろこばれるのが好きだったんですね。
家のリビングを片付けたら母がすごくよろこんだので
自分もうれしかった。
美容師という存在に出会ったのが高校生のときで、
初めてちゃんとした美容室に行ったんです。
人気のスタイリストの方が接客しているのを
待ちながら見ていたら、
最後のお会計のときに
「今日も素敵にしてもらってありがとうございました」
「こちらこそありがとうございます」って、
双方がおじぎし合う現場を見てしまったんですね。
こんなにお互いから感謝が生まれる仕事って
すごいなと思って、
家に帰って「俺、美容師になるわ」って言いました。

草場 決断が早い!

NNAO 高1からさっそく勉強をやめて、
部活をしながらヘアスタイルのデッサンを描いたり、
自分や家族の髪を切ったり独学を始めて。
そこから今まで、
「人によろこんでもらう」という信念は
変わってないです。