洗濯はたのし。LIXTICK(R)のランドリーネットを「ほぼ日」仕様で。

洗濯はたのし。前編_はじまりは、ミント味の「つまようじ」。

洗濯ブラザーズ三男の今井良さんは、
ガジェット好き、ファッション好き、おもちゃ好き。

そんな今井さんに生活愛用品を教えてください、
と訊いてみたところ、出てきたのが
「LIXTICK®のランドリーネット」でした。

大小、平面と立体の6つのサイズの
色鮮やかな洗濯ネットが、
アメリカンなデザインの紙の箱に入っているものでした。

そのかわいらしさだけでなく、今井さんいわく
「性能も、ばつぐんなんです」。

入手してみたところ、なるほどこれは使いやすい!

その後、LIXTICK®の代表であり、
このランドリーネットをつくった
大楠さんをご紹介いただき、
「ほぼ日」とコラボした特別カラーの製品をつくることに。

ふだん、表に出ないという大楠さんをお招きして、
今井さんとともに、いろいろなお話をうかがいましたよ。

大楠さんが最初につくったのは「つまようじ」、
そしてモノづくりの発想の原点は
大阪のおばちゃんの「アメあげる」なんですって。

‥‥って、いったい、それは、どういうこと?!

大楠さんのプロフィールを見る

LIXTICK® 大楠

4児の父。

セレクトショップ店員、バイヤー、
ブラックミュージック関連業務、
フリーランスとしてデザイン・DTP業務を経て、
2012年にLIXTICK®を設立。

“Same shit different day”、
そんな毎日にエッジを利かせ、
日々の隙間にパラサイトするブランド。

変わり映えのない生活に、
斜め45度からウィットに富んだプロダクトで
遊び心のあるライフスタイルを提案している。

LIXTICK®

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今井良さんのプロフィールを見る

enricheveryday 今井 良

洗濯ブラザーズ・三男。

1974年神奈川県出身。

総合商社、外資製薬会社、IT企業を経て、
2018年2月に茂木貴史・康之兄弟と
「洗濯ブラザーズ」を結成。

一般目線で洗剤や洗濯をかみ砕いて
分かりやすく紹介する活動をしている。

ウェブショップ「enrich everyday」を主宰、
毎日が楽しくて気分が豊かになるモノ、
毎日に欠かせない大好きなモノを紹介している。

Instagram

enrich everyday

前編_はじまりは、
ミント味の「つまようじ」。

──
今回、そもそもは、
今井さんの愛用品として、
LIXTICK®(リックスティック)のランドリーネットを
紹介してくださったことから始まりましたね。

そのランドリーネット6枚セットが、
すごくポップなデザインと色だったので、
てっきりアメリカ製のものかと思ったら、
「日本で、オリジナルでつくっているんです」
と聞き、びっくりしました。

それで、それをつくっている
LIXTICK®の代表である大楠さんを
ご紹介くださった。
今井
僕が大楠さんを知ったきっかけは、
自分の好きなお店に、
LIXTICK®のつまようじ
(LIXTICK® MINT TOOTHPICK)があったことです。

──
つまようじ?!
今井
つまようじです。
──
どんなつまようじなんですか?
今井
それは、大楠さんに説明していただこうかな。
大楠
喋っていいですか?(笑) 
ミントフレーバーのつまようじなんです。

LIXTICK®の創立時から、
うちの一番バッターとして出している商品です。
──
創立時から! ブランド創立のきっかけは
どんなことだったんでしょう。
大楠
僕はもともととある出会いがあって、
セレクトショップの販売員、兼、
アメリカに買い付けに行くバイヤーをしていました。

あとブラックミュージック関係の仕事を経て、
その頃は、広告のグラフィックの作業を
フリーランスで受けていたんです。

でもそれは、仕事を受けて渡す、
つまり単価でいくらです、じゃあ仕事を受けます、
渡します、終わり、という流れですから、
そのあとの動きが、自分では何もわからない。

それを繰り返しているのって、
ようは「手ごたえがない」んですよね。

消費されて、時間に対しての労働給を貰っている感覚です。

だから「なにか残るものがやりたいな」と。

音楽の世界では、
レーベルをインディペンデントで立ち上げて、
アーティストを輩出するというおもしろさを知りましたが、
その頃はプロダクト、物が先行して動いていくことに
興味があったんですね。

それで、バイヤーの時、アメリカで
フレーバー付きのつまようじを買い、
大阪のおばちゃんが「アメあげる」みたいな感覚で
お土産として友達にあげていたのを思い出しました。

あるとき、その全部が合致して、
「じゃあ自分でやろう、ブランドをやろう、
つまようじを作ろう」と思いました。

服をやるか、物をやるかっていうなかで、
つまようじを作ったんです。

LIXTICK

MINT TOOTHPICK


¥300 – ¥3,000

今井
ははは。
──
ミントのつまようじを作るのって、
きっと、簡単なことではありませんよね。

手づくりをするわけにはいかないでしょうから、
工業製品、大量生産品ということになる。

それを、個人で?
今井
そうですよ、どうやって作ったんですか?
大楠
最初は海外から買い付けたものを
販売しようとしましたが、
口に入れるものなので、
実は日本の食品衛生法の基準に達していないものが多く、
なかなか難しかった。

じゃあ日本の基準に合うものをつくろうと、
香料だとか白樺材だとか、
食品分析センターを介して検査をして、
全部口に入れてもOKというものを考えました。

各々資材の工場を探して、実際に試行錯誤を繰り返し、
できるまで1年半くらいかかりました。
今井
‥‥最初の発注量、すごかったんじゃないですか。

きっと、「え?」っていう単位ですよね。

そういうものって、大きな企業がつくるもので、
個人でつくるものじゃないですよね‥‥。
大楠
わけもわからずはじめたから、
在庫のダンボールに囲まれて生活することに(笑)。

半年ぐらい、家からミントの匂いが消えなかったです。

きっと、コンビニで売っているミントのガムって、
ものすごい数をつくっているんだろうなぁ、
と思いながら暮らしてました(笑)。
──
その在庫、なんとしてでも販売しないとなりませんね。
大楠
そうです。起業で準備した資金の全額、
それに使いましたから、
売らないと生活ができません。
──
販路はどうやって拓いていかれたんですか。

自前のネットショップだけでは
捌けない量ですよね、きっと。
大楠
はい。その頃の僕は「卸し」という仕事が
全くわかっていませんでした。

ただ、CDを売っていた経験があったので、
その流通を思い出して、
そういうふうな感じでやればいいんだと思いつつも、
上代(販売価格)の決め方もわからず、
もちろん下代(卸し価格)もわからず、
「いくらだったら自分が買うかな?」と。

でも、最初は、町で、1万本くらい、
友人や知人周りの人に配りましたよ。
今井
宣伝として? 
それこそ大阪のおばちゃんの
「アメちゃん」的な‥‥。

大楠
そうです、そうです。アメちゃんです。

「これ、いる?」みたいな。
──
でも、口コミ大事ですよね。

いちど使ったら「これいいね!」ってなる。

きっと欲しくなりますよね。
大楠
はい。そこから主にアパレルや、
雑貨を取り扱っているお店で、
おつりで買っていただけるように、
レジ横に置いてもらうように営業をして。

簡単ではなかったですけれど、
人にも恵まれてだんだん増えていったんです。
──
コンビニの「レジ横大福」みたいなことですね。
今井
そうです、僕が最初に見たのはそれです! 
かっこいいつまようじが
アパレルのお店のレジ横にあって、
「え? これ、何ですか?」って。
大楠
そう。「これ、何ですか?」がやりたいんです。

僕はずっと。

あと、10年後に「いいでしょ!」と
言える、思えるものづくり。

ここすごい大事なところで、
一番は自分自身が、面白いか、面白くないか、という基準。
今井
よく知っているお店だったので、
「これ、何ですか?」「つまようじです」
「つまようじ?」「味がするんです」。
──
つまようじが洋服屋のレジ横に置いてある。

しかも「味がするんです」と。
今井
「おもしろい、これ!」っていうので買ったのが、
LIXTICK®というブランドを知ったきっかけです。

でもそのときはまだ大楠さんに行き着いていないんですよ。

月日は流れ、今から4年、5年くらい前かな、
僕が仲良くさせてもらっている
ナリフリ(narifuri)っていう
自転車とそのまわりのブランドがあるんですけど、
営業の子がおもしろい靴下を履いてたんですよ。

それがLIXTICK®のものだと知ったんです。

調べてみて「あの、つまようじの?!」と、
そこで、やっと、つながりました。

──
当時、大楠さんは、
家が占拠されるほどのつまようじの在庫を売って、
次に靴下を?
大楠
その間に、「タイベック®」っていう
特殊資材を使った ペーパーウォレットをつくったり、
ブラス(真鍮)のミニマムなキーリングをつくったり。

ようは、つまようじからスタートして、
「アメちゃん、どうぞ」の感覚で、
ポケットから出てきたらおもしろいもの、
若干の機能美を持っているものをつくってきたんです。

ただ、ポケットの中にしまうものばかりつくっていたので、
欲を言うとブランドのアピールができないんですよね。
──
「それ、何?」って言われない。
大楠
そこで、ちょっと見えるものをやりたいなと、
その頃、たまに書いていた
「やりたいことメモ」を見返したら、
「靴下にドリップ」っていう一行があって、
それで、そのまま、「ドリップ柄の靴下を売ろう」と。

そこでドリップのことなら、と、
懇意にしているグラフィティーライターに相談して。

大事なのは「っぽい」モノではなく
限りなくホンモノであることを意識しながらやる。

僕はアパレルでもなければ、雑貨メーカーでもなく、
気になったものを手探りで調べて、
知識をつけて作っているんです。

だから余計に「っぽい」モノじゃダメだと思っていて。
──
すごいなぁ。ちなみにほんとうにおひとりで?
大楠
聞かれたらいつも「後ろに数百人いる」なんて
適当なことを言っているんですけど。

実質ひとり、とは言っても
プロジェクトごとにクリエイターやアーティストと組んだり、
友人の経営してる工場や、
いわゆる顧問やフリーランスの仲間もいるので、
ひとりとは言えないかもしれない。

あと、妻が僕のケツ叩きみたいなことをしてくれています。
今井
それ大事です! 
で、僕はLIXTICK®の靴下が好き過ぎて、
自分でやっているエンリッチエブリデイ
(enrich everyday)っていうサイト
で取り扱ったんです。
──
お店をなさっているんですか! 
それは「洗濯ブラザーズ」とは違う活動なんですね。
今井
はい、そうなんです。

4年前に立ち上げたオンラインショップです。
──
それは今井さんが気に入ったものを仕入れて販売する?
今井
仕入れもしますし、
革小物などはオリジナルも作ってます。

そのなかで、LIXTICK®の靴下を扱いたいと思い、
そのオファーが縁で、
大楠さんと面識ができたんですよ。
──
ああ、ようやく、つながりました。
大楠
2年前のことですね。コロナ禍が起きてからでした。
今井
そして、渋谷で開かれたLIXTICK®展示会で、
ランドリーネットのサンプルを見たんです。

「これ何?」と、また、びっくりして。

もうまずパッケージがかわいくて!
──
こんなの、ないですもんね。
今井
ないです。

僕もはじめはアメリカ製の輸入品だと思いました。

そしたら、オリジナルで作ったと知って、
またびっくりです。

新鮮でした。いままでランドリーネットって、
白とか薄いピンクとかしか見たことがなかったし、
こんなパッケージに入っていなかったし。

2022-03-31-THU