ほぼ日 |
タマムシという昆虫は、
種類でいうとどういうグループなのでしょう。
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芦澤 |
グループは、昆虫の中の甲虫類ですね。
カブトムシなどの羽根の堅い種類に入ります。
コウチュウ目、タマムシ科。
そのタマムシの部類でも、
世界中に200数種類のタマムシがおります。
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ほぼ日 |
そんなに種類が。
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芦澤 |
日本のタマムシに、きれいなのが多いんですよ。
「ヤマトタマムシ」
これは、きれいです。
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ほぼ日 |
ああ‥‥美しい。
タマムシといえば、これだけだと思ってました。
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芦澤 |
この、左の羽がヤマトタマムシ。
右の羽は、タイのタマムシです。
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ほぼ日 |
へええーーー。
これを使って、アクセサリーを作っているんですね。
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芦澤 |
そう、
この場所ではそういうことをしています。
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ほぼ日 |
なるほど‥‥。
ということは、この羽が手に入るくらいの
タマムシは、いるということでしょうか。
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芦澤 |
ああ、はい、いますよ。
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ほぼ日 |
そうですか!
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芦澤 |
ええ。
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ほぼ日 |
実はぼくたち、
生きている天然のタマムシに会いたい、
という企画を進めているんです。
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芦澤 |
ほぉ、そうですか。
生きているタマムシに。
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ほぼ日 |
はい。
しかも飼育されたタマムシではなく、
自然の中で生きているタマムシに会いたいのです。
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芦澤 |
なるほど。
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ほぼ日 |
標本なら、見たことがあるんです。
生きて、動いているタマムシを見たことがなくて‥‥。
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芦澤 |
はい、はい。
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ほぼ日 |
もう絶滅してるんじゃないか?
くらいにぼくは思ってたんですよ。
でもどうやら、いることは、いるらしい‥‥。
ならば、
むずかしいことでしょうけど、
「ほんとにいるならタマムシに会いたい」
という企画をやってみようと思ったんです。
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芦澤 |
そうですか。
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ほぼ日 |
‥‥芦澤先生、どうすればいいんでしょう?
いつ、どこに行けばタマムシに会えるでしょう?
やっぱり絶滅寸前で、
めったに会えるものではないのでしょうか?
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芦澤 |
あのー、ここのところ毎年ですね、
「タマムシ観察会」を開いているんです。
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ほぼ日 |
‥‥そ、それは、天然のタマムシを鑑賞するんですか?
ここ、藤枝市で?
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芦澤 |
藤枝市のある場所に、
大きな榎(エノキ)がありまして、
そこへ行くと見られるんです。
タマムシは榎を食べますから。
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ほぼ日 |
そ、それは毎年、見られる?
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芦澤 |
見られます。
ただし天気が良くないとだめ。
カンカン照りの日がいいですね。
時期は7月の半ば頃。
高い榎がありまして、
その榎の上をよく飛ぶんですよ。
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ほぼ日 |
高いところを飛んでいる‥‥
ということは、近くで見ることは?
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芦澤 |
それはできないですね。
タマムシはこうして羽を広げて
高いところを飛んでいます。
下から見えるのは、黒い影。
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ほぼ日 |
黒い影‥‥。
できれば、この美しい昆虫を
手のひらに乗せて見てみたいのですが‥‥。
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芦澤 |
そういうことでしたら、
低いところに卵を産みにきたのを
見つけるしかないですね。
8月になると、
卵を産みに降りてくるんですよ。
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ほぼ日 |
おおー。
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芦澤 |
ふだんは10mとか15mとか、
高いとこを飛ぶんです。
「タマムシを捕まえた」って言ってるのは、
7月の下旬から8月になってから
交尾済みで卵を産みに降りてきたのを
捕まえているんだと思います。
だから、そういうタマムシはほとんどメスです。
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ほぼ日 |
なっるほどーーーーー。
ということは芦澤さん、
生きたタマムシを手のひらに乗せて見るためには、
8月の暑い日に榎の下で待っている、
というのがよさそうですね。
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芦澤 |
そうですね。
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ほぼ日 |
‥‥でも、数はすくないんですよね。
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芦澤 |
いっぱいいますよ、このへん。
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一同 |
‥‥へ?
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芦澤 |
ただ、見ないだけなんです。
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ほぼ日 |
高いところにいるからですか?
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芦澤 |
そう。
それと、人間は真夏の暑いときに
わざわざ外へ出ることはしないですよね。
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ほぼ日 |
そうかー、快適な生活環境が、
人間とまったく違うから出会わないんだ‥‥。
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芦澤 |
そう思います。
あと、雨のときはだめですね。
雨の日はまったく動かないです。
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ほぼ日 |
国内でいうと? どのあたりにいるんですか?
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芦澤 |
北海道にはいませんが、日本中に。
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ほぼ日 |
‥‥とくに多い県は?
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芦澤 |
そうですねぇ、どこにでもいます。
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ほぼ日 |
どこにでも?!
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芦澤 |
榎さえあれば。
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ほぼ日 |
榎さえあれば‥‥。
‥‥いやいや、とはいうものの、
たくさんいるわけではないですよね?
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芦澤 |
どのくらいからがたくさんなのかわかりませんが、
絶滅のおそれはまったくないです。
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ほぼ日 |
ええーーー!
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芦澤 |
ま、いっぱいいます。
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ほぼ日 |
い、いっぱい?!
‥‥はああーーーー、
すごく希少な昆虫だと思い込んでました。
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芦澤 |
見つけにくいだけであって、
榎さえあればどこにでもいると思います。
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ほぼ日 |
‥‥そんなに珍しくはないんだ‥‥。
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芦澤 |
そう思います。
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ほぼ日 |
‥‥芦澤さん、
たいへん貴重な手がかりを、ありがとうございました。
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芦澤 |
こんなお話でよかったですか(笑)。
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ほぼ日 |
重要な聞き込みができました。
なんだかほんとうに、この手のひらに、
天然の生きたタマムシを乗せられるような、
そんな希望をもてました。
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芦澤 |
がんばってください、応援しています(笑)。
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