好きなものを集めたら、
ちょっぴり奇妙な「雑貨」が集まる店ができました。
店の名は『HOBO SUPER OMISE SHOP』。
自分の人生に必要かと言われたら、
そんなことはない。
でも、所持したい。
コレクターになるというよりも、これは所持欲。
自分が買わないで誰が買う。
自分が買わなかったら誰かに買われてしまう。
買わねば。
そして家やお気に入りの場所に飾ることを、
たのしみたい。
バイヤー経験もある目利き店主、
塚本太朗さんが集めた品々を
ひとつずつ見せていただく連載です。
週に2回、火曜と金曜にお届けします。
1月の「生活のたのしみ展」にも出展するので、
どうぞおたのしみに。
お次は文房具コレクションですが、
塚本さんがこんなにたくさん集めたものを、
販売してもよいのでしょうか。
もちろんです。
文房具だけでなく、たとえば
「そら豆つかみ」などもお持ちしますよ。
そら豆つかみ‥‥?
そら豆をつかむ、道具です。
用途の狭さが愛おしいんですよ。
こちらの豚の貯金箱も、一点物ですが、
もしよければ売ります。
いいんですか、ありがとうございます。
表情がなんとも‥‥見れば見るほどに、
愛おしさが増しますね。
カード類も、ドイツで見つけたものですか。
そうです。こちらのカードの作者は、
もともとハンブルグにいらっしゃったのですが、
いまはオーストリアのインスブルックで
活動をしている方なんです。
それぞれの地で作品を買ってきました。
1枚ずつ、番号が書いてありますね。
限定品なので、シリアルナンバー付きなんです。
わあ、レアですね。
そういった作家さんとは、
どんなふうに出会うのですか?
この方は、僕がハンブルグにいたときに、
たまたま個展をなさっていたんです。
そのとき見た絵がすごくかっこよかったので
「ポストカードとか、つくってみませんか」と
お願いしたら、
「日本で売ったことがないから興味があります」
と言ってくださって。
それで、もともと描いていた作品を小さくした
ポストカードをつくってもらったんです。
えーっ、すごい。
ご自身で声を掛けて、お願いしたんですね。
いまでも交流はあるんですか。
はい、たまにやりとりします。
切手も、すごくたくさんお持ちいただきました。
じつは僕、切手好きが高じて、
切手の本を出しているんです。
ご存知でしたっけ?
え! すみません、存じ上げませんでした。
切手のコレクションだけでなく、
本まで出されていたんですか。
だいぶ前ですが、2冊ばかり出しました。
本に掲載させてもらった昔の切手を
デザインしたという方と、
思いがけずつながれたこともあります。
オランダのデザイナーの方が、
「それ、僕がつくった切手だよ」と、
丁寧な連絡をくださって。
なんとうれしい。
切手が国や時間を超えたんですね。
ちなみに、塚本さんが切手にはまったのは、
おいくつくらいのときだったのでしょうか。
小学生のときです。
お小遣いで買っていました。
初歩的な質問ですみません。
切手を買うときは、
まとめてファイリングされた状態のものを
買うのでしょうか。
それとも、ご自分で一枚一枚集めた切手を、
ファイリングしていくんですか?
自分でファイリングしました。
ひえーー、この量を。すごい‥‥。
どのようなところで買っていたのですか?
蚤の市でも買いましたし、
以前、渋谷にあった「渋谷スタンプ」
というお店でもよく買っていました。
尋常じゃないくらい大量の切手が、
国別に分類されているお店だったんです。
そこに3時間ぐらい滞在して、集めていました。
そのお店には、キノコの切手しか買わない人や、
メガネをかけている肖像画だけを買う人や‥‥、
ほんとにね、変わった方が集まっていました。
それぞれの方に、
お気に入りのモチーフがあるんですね。
奥深いです。
特に、キノコは人気みたいです。
オリンピック限定のものも人気ですし、
鉄道の切手も飛び抜けて多いですね。
あ、これも鉄道ですね。かっこいい。
電車の形に合わせて、
ほかの切手より横長なんです。
ほんとうですね! おもしろーい。
こちらの切手は、スイスチョコレートの、
100周年記念につくられたものです。
くんくん(塚本さん、匂いを嗅ぐ)。
チョコの匂いがするんですよ。
嗅いでみてください。
わっ、すごい。めちゃくちゃチョコの香りがします。
こんな切手があるんですね。
もったいなくて、使えないかもしれません。
切手にはお国柄が出るんだと思います。
僕はそういうところに興味が湧いて、
ずっと切手を集めていました。
ここにあるステップブックより分厚い、
電話帳くらいあるものが、
うちにはあと10冊ほどあります。
‥‥‥‥ほんとですか。
こんなにたくさん集めた切手も、
HOBO SUPER OMISE SHOPで、
売ってよいのでしょうか。
売るほどあるので、売ります(笑)。
そのままだと多すぎるので、
たとえばドイツの切手、
オーストリアの切手のように分類して、
セットで販売できるかもしれないですね。
すてきですね。
どのセットにするか、迷うのもたのしそうです。
こちらのペン類も種類豊富で、
眺めているだけでおもしろいです。
筆記具、大好きなんです。
古くて書けないものも、買っちゃうんですよ。
書けない状態でも、買っちゃうんですか?!
はい。
それは、デザインに惹かれて、ですか?
そうです。
あと、ペンの胴体に入っている文字にも惹かれます。
郵便局のペンも、なんだか好きで、
集めてしまいます。
郵便局ということはもしかして、
切手と近しいものだからお好きなのでしょうか。
ああ! 言われてみれば、そうかもしれません。
郵便局が好きなのかも(笑)。