第3回 『雪の降る街を』
糸井 今日は江ノ電にも乗るんだよね。
七里ヶ浜あたりに行くんだっけ。
南 あ、そうなんだ。
糸井 「♪七里ヶ浜の〜」って、
妙に寂しい歌があったね。
南 はいはい、あったね。
「つーるぎとーぜしこーせんじょおー」だね。
糸井 そうそう、古戦場、古戦場。
で、最後は、「♪ラーラララーラー」と。
南 悲しくハモるんだよね。
糸井 そうそう、悲しい終り方をするんだよね。
南 わりと糸井さん、苦手なタイプの歌でしょ。
糸井 苦手、苦手。悲しい歌は苦手。
南 糸井さんは、昔から、
『雪が降る町を』聴くと
かなしくなっちゃうんだよ。
一同 (笑)
糸井 いやぁ、弱いんだよ。
でもね、『雪の降る町を』は、だいぶ克服した。
もういまじゃ相当強いよ。
南 え、そう。どうやって克服したの?
糸井 あのね、フィンランドの映画の中で、
最後に日本人からすると名前を知らない歌手が
『雪の降る町を』を朗々と歌う
エンディングがあるんですよ。
南 へえ。日本語で?
糸井 まったくの日本語なんですよ。
監督は、フィンランドの
アキ・カウリスマキさんで。
南 ああ、はい、はい、うん。
カウリスマキ。
あの人、いいよね、おもしろいよね。
糸井 とってもいいですよね。
で、その人の映画の最後のところで
『雪の降る町を』が使われてたんで、
なんていうか、謎が解けたような気がしてさ、
だいぶ楽になったんだ。
南 どういうふうに謎が解けたの?
糸井 あのね、そうか、みんな、怖いんだな、
寂しいんだなっていう感じで。
南 アキ・カウリスマキさんも、
寂しいんだな、怖いなぁと思いながら
それを使ったんだろうな、と。
糸井 うん。だからさ、フィンランドの人にも
「これは、使わなきゃ」と思わせるような、
なにかこうキュンとしたものがあるんでしょうね。
南 あるんだね。
糸井 だからあれですよね、
アグネス・ラムを日本人が
広告に使ったみたいなことでさ。
南 え?はい、はい。
糸井 ハワイでボインの娘がいてさ、
あの子はずいぶんあれじゃないかって
現地でも評判だった女の子を
日本のCMで使ったら、
まぁ、爆発的に人気が出たみたいな。
南 そっちはずいぶん明るい話じゃない。
(ゆるゆると、つづきます)

2008-05-01-THU


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